2003年8月

8月1日のひとり言
梅雨明けせず
八月突入
夏を忘れて
お盆過ぎれば
秋風が吹く   爽萩
8月2日のひとり言
街路樹のけや木から
蝉の声
「梅雨は 明けたのか?」
問いかけるように
聞こえる   爽萩
8月3日のひとり言
何か捨てなければ
何か新しいもの
得られない
手一杯の荷物おろして
楽になろうよ   爽萩
8月4日のひとり言
風もなく
じっとりと
耐えがたい
暑い夜
熱帯夜   爽萩
8月5日のひとり言
突然の夕立
駅前で 立ち尽くす人々
迎えの車まで
日傘で 雨を
凌ぐ人もいる   爽萩
8月6日のひとり言
蝉の抜け殻
空蝉
七年目に知る
蝉の夏
一夏一生   爽萩
8月7日のひとり言
蒸し暑い夜
窓から入って来る
湿った風は
台風の接近を
知らせている   爽萩
8月8日のひとり言
立秋
暦の上では 秋のはじまり
でも
夏は来たばかり
暑さはこれから   爽萩
8月9日のひとり言
窓を叩きつけ 地を這いまわる雨
台風が 雨を操る
そんな時 蝉は
雨風をどうやって
凌いでいるのだろう   爽萩
8月10日のひとり言
台風一過
真夏の太陽が
眩しい
ふとん干したら
フカフカ だ!  爽萩
8月11日のひとり言
偶然 友と語らう
ひととき
とんがった
こころが
まるくなります  爽萩
8月12日のひとり言
網戸にしがみつき
一休みの蝉
けたたましい声が
響き渡る
夏の昼下がり  爽萩
8月13日のひとり言
昨晩の雨で
とても涼しい
迎え火焚いて
先祖の霊を
お迎えしよう   爽萩
8月14日のひとり言
見送る人
見送られる人
それぞれの想い
旅立ちは
知っている  爽萩
8月15日のひとり言
友と一晩中
語らう
不思議と
話は尽きない
疲れも感じない  爽萩
8月16日のひとり言
雨続き
家ん中
気持ち
安らぐ
盆休み  爽萩
8月17日のひとり言
こころを
こめて
一文字
ひと文字
書き上げる  爽萩
8月19日のひとり言
夏の太陽
いったい
何処へ
梅雨明けせぬまま
夏が終わる  爽萩
8月20日のひとり言
同じ場所でも
訪れるたび
何かが違う
旅は心でしている
だから無限   爽萩
8月21日のひとり言
冷夏に
殻を破り
星空に
響かす
蝉時雨  爽萩
8月22日のひとり言
のんびり
本を読むもよし
昼寝するもよし
静かに過ごす
夏の午後  爽萩
8月23日のひとり言
やっと夏が来た
今夏一番の暑さ
暦の上では
「処暑」
なのに   爽萩
8月24日のひとり言
白いシャツ目掛けて
飛びついた蝉
好きなだけ
とまらせておいた
夏の日   爽萩
8月25日のひとり言
夏の終わり
光と影の
木洩れ日で
聞こえてくる
蝉の声  爽萩
8月27日のひとり言
晩夏の夜
心地良い
風に誘われ
空を眺める
火星は何処?  爽萩
8月28日のひとり言
深夜にひとり
耳を澄ましてみる
聞こえてくるのは
もう蝉の声ではなく
虫の音だ   爽萩
8月31日のひとり言
涼しかった夏も終わり
明日から九月
今年も残すところ
あと4ヶ月
早いなぁ   爽萩