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その6 文字の大きさ2


 IEは3から、NNは4から、スタイルシートに対応しました。これまで1〜7という数字でしか指定できなかった文字サイズがポイント単位やピクセル単位で指定できるようになったのです。
 これまでWinとMacでは同じ文字サイズを指定しても、表示される文字の大きさは違っていました。ブラウザのバージョンによっても差がありました。ピクセル数で指定できるのであれば、画面の解像度やブラウザに関係なく、同じ大きさの文字を表示する事ができます。テーブルの中にぴったり納まるように文字を表示していて、Macではちゃんと表示できるけど、Winだと文字が大きくなって表のレイアウトが崩れてしまう…なんて経験はありませんか?
 文字を特定の大きさで表示できるということは、レイアウトする上でとても便利です。


 ところがここで大きな落とし穴が見つかってしまいました。このサイズ指定、Winでは問題はないのですが、Macの場合にちょっと困った表示になるのです。特定のサイズを指定した文字が、ギザギザに表示されてしまうのです――これをディザ、と言います。
 恐らくMacのフォントデザインとか、ディスプレイの解像度も絡んだ問題なのでしょうけれど、綺麗な文字が表示できないのは大問題です。
 「何を細かい事を言っているんだ。文字の大きささえ揃ってれば、そんなに読みにくい物じゃないだろう」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。でも長い文章を読む時に、文字が汚いのってすごく気になりませんか?プリンタで印刷したワープロ文書と、あんまりトナーの入っていないコピー機でコピーした文書、どっちが読みやすいですか?
 何よりもWin上で「さあ綺麗なページができた」と思ってUPしたページが、Macで見たら汚い文字で表示されていた、というのはものすごくショックな事じゃないでしょうか。


 だいたい11px、13px、15pxといった奇数のピクセル数で、ディザのあるフォントが表示されてしまうみたいです。このあたりの大きさは、文章の文字としてちょうどいい大きさであもあり、被害は甚大です。おまけに<TT>のような他のタグと組み合わせると、偶数の指定でもディザが出てしまいます。

 スタイルシートというのは、従わなければならない“規格”ではなく「できれば従って欲しい」という“推奨”の約束事なのだそうです。もちろんIEもNNも新しいバージョンであれば対応していますから、使っても大抵問題はありません。
 けれどまだ新しい“約束事”であり、Macのような環境の問題が解決していないのです(Mac版のIE最新verである5.0は、かなりこのあたりの表示が改善されています)。これからどんどん新しいブラウザがでてきて、表示も改善されていくのでしょうけれど、現状、あまり凝った指定はお勧めできないというのが正直な所です。
 フォントのサイズを1〜7まででしか指定できないのは不便です。けれど指定できない訳ではありません。たとえばsize=7より大きい文字を表示したい場合には、スタイルシートを使うしか方法はないでしょう。けれどそれ以外の場合には、極力既存のHTMLでサイズを指定する方法をお勧めします。