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過敏性腸症候群

 過敏性腸症候群というのは、西洋医学での病名です。
西洋医学的には、腸の運動や分泌などの機能のアンバランスが原因となって、下痢、便秘、腹痛、腹部の膨満感などの症状が、周期的あるいは持続的に出現する病気です。しかし、腸そのものには、炎症や潰瘍、ポリープその他の器質的な見つかりません。男性よりも女性にやや多くみられます。また、知的労働者、都市部に多い病気です。もともと精神的な影響を受けやすい人に起こりやすく、ストレスや悩み、疲労や、冷え、不規則な食事などの影響で、腸管が過敏になるために起こると考えられています。症状は、下痢や便秘、あるいは下痢と便秘の繰り返し、腹痛や腹部の膨満感が主です。

*便通の異常
 下痢、便秘、あるいは下痢と便秘の繰り返し。

*腹痛
 一般に周期的な腹痛で、便意とともに発生しやすく、排便とともに軽くなることが多い。

*ガス症状
 ゲップ、おなら、胃や腹部の膨満感、腹鳴など。

*その他の消火器症状
 食道の異物感や閉塞感、食欲不振など。

*全身症状および精神症状
 頭痛、メマイ、不眠、眠気、発汗異常、疲労倦怠感、身体の冷え、頻尿、生理の異常、肩のこり。

*精神症状
イライラ感、ゆううつ感、ため息を良くつく、焦燥感など。


 過敏性大腸症候群、慢性大腸炎、大腸下垂症、移動盲腸、痙攣性便秘、脾弯曲症候群、S状結腸過長症等と呼ばれていることもあり、現在もこれらの病名で呼ばれることもあります。胃腸神経症、自律神経失調症、ノイローゼなどといわれることもあります。
 過敏性腸症候群は、西洋医学では決め手となる治療法がありません。患者さんは複数の医療機関を訪れることが多くなります。そのために、異なる医療機関で異なる病名を付けられたりして、病気に対する不安が増大していくことも多いようです。

過敏性腸症候群の診断基準
1  腹痛
@排便によって軽快する腹痛 あるいは A排便の回数の変化や便の硬さの変化を伴う腹痛

2  便通異常(下記の2つ以上がある)
@排便回数の変化
 1日に3回以上の頻回な下痢
 1週間に排便が3回以下の便秘など
A便の性状の変化
 硬い、軟らかい、水様など
B便通の変化
 便意が強い、緊急性を帯びる、排便後の残便感など
C粘液の排出

3  しばしば腹部の膨満あるいは膨満感を伴う、この他に専門医が見ると上部消化器症状、他の身体症状、精神症状がある。さらに検査などで器質的疾患を疑わせる点がなければ、過敏性腸症候群と診断できるとしています。

西洋医学での分類と治療
*下痢型
 症状 1日1〜4回程度の下痢のものが多く、1日10回以上ということもあります。便は、軟便から水様便までさまざまです。
 治療 神経に作用して腸の運動を調節する消化管運動調整剤や止瀉薬。

*便秘型
 症状 腹痛を伴う便秘で、痙攣性便秘とも呼ばれます。多くの場合、便は細く、硬い場合はコロコロの兎糞状となります。
 治療 消化管運動調整剤や緩下剤です。

*交替型
 症状 下痢と便秘を繰り返すもので、不安定型と呼ばれることもあります。
 治療 症状により消化管運動調整剤や止瀉薬です。

 おならや腹部膨満感などのガス症状が顕著な場合はガス吸着剤の併用、心理的要素の強い場合は、抗不安剤や抗うつ剤などが併用されます。

日本では4人に1人

 わが国の統計では、消化器症状を訴えて診断を受ける人の25〜35%が本症候群とされています。
 症状が軽いために、治療を受けていない人はさらに多く、全体ではかなりの数にのぼると考えられています。

漢方から見た過敏性腸症候群
 漢方では西洋医学とは異なった角度から症状を一つひとつ分析して、分類しています。

 @いつもイライラ、ゆううつタイプ。
 A疲れるとイライラするタイプ。  
 B疲れやすいタイプ。       
 C手足やお腹が冷えるタイプ。   
 D足腰が冷えてだるいタイプ。   
 E便がベトベトのタイプ。     

 
漢方では排便の症状だけではなく、全身の症状や精神症状も同時に治療していくのが特徴です。
ぜひ薬心堂漢方薬局でご相談の上、漢方薬をお試しになってみて下さい。