〜那須岳〜2007.5.3、4


GW後半の連休、どこかの山へ出かけたいと思っていましたが、この時期の山はまだ冬山の
ところが多く、私のような初心者ではとてもムリなのでここなら大丈夫かな?
と予想して以前から一度行ってみたかった【三斗小屋温泉】を目指すことにしました。

新宿駅から黒磯駅まで直行の【快速フェアウェイ】に乗りましたが、ゴルフ目的の方がほとんど?
列車の名前、そういうことか!と乗ってから気付いたのでした。

幸い天気は快晴。黒磯駅から路線バスに乗り【那須ロープウェイ駅】まで。
途中高原らしい観光スポットは軽井沢みたい。20分ほどの渋滞を経て到着。
ロープウエイで山頂まで4分、イオウの匂いがツーンとする茶臼岳登山口へ。

幼稚園児でも登れるはずの道のりですが、岩石がゴロゴロと。結構急勾配の登りで
まだ動き始めのカラダが重たく感じます。




40分ほどで祠のある【茶臼岳1915m】の頂上に立った。
展望は雄大で天気も良かったので多分、向こうに尾瀬・燧ケ岳、日光白根山等が見えていたと思う。
まだたいして動いていないけれど、ちょうど12:00なので山頂で昼食。さすがに今日はまだビールはおあずけ。

展望を楽しんだ後、火口縁を廻って
【峰の茶屋避難小屋】が見えるところまで降りてきた。
その先へ進めば【朝日岳1896m】だが、ココからの道は西側が
切れ落ちた残雪をトラバースしなければならない。
雪山を歩いたこともない&高所恐怖症の私に
通れるはずもないので、最初からコースには入れていない(笑)

写真だとたいしたことがないように見えるが、
トラバースしている人たちを見ているだけで冷や汗が出た(笑)

その後、【無間地獄】と呼ばれる噴気孔の脇を歩く。
たいした傾斜ではないが、今日初めての残雪の上を歩く。
5mほどだと思うが、雪道苦手の私には長く感じる。
普通の人は何のことはないと思う登山道だが、
私にとっては緊張の一瞬だ。

30分ほどで牛ヶ首に到着。
ここからいよいよ今夜の宿【三斗小屋温泉】に向かって
1時間40分ほどの山歩きが始まる。






「下りだ、わーい♪」なんて呑気に歩き出し、15分ほどで【姥ケ平】に到着。
ここから見上げる茶臼岳はキレイだった。
姥ケ平は広々とした公園のよう。のんびりしたいところだが、
ここまで降りてくると人もあまりいないので先へと急ぐ。

分岐の標識にだいぶ雪が積もっている・・・なんだかいやな予感・・・
さっきまであんなに青かった空も、雲が出てきて日差しもなくなった。

先ほど単独の男性が同じ方向へと歩いていったので、とりあえず安心して(なぜ?)
後を着いて行くことにする。
がいやな予感的中。【ひょうたん池】あたりまでくると、
雪がだいぶ深くなってきた。
雪崩でもないのにいくつもの木が倒れていて登山道を
ふさいでいる。
先へ進むのが大変なところへきて、
谷の下では水の流れる音がする。
滑ったところで下までは行かないと思うけど、
こんなところで落ちたくないし^_^;

ここで初めての軽アイゼンを装着するが、
私のシューズはローカットで、
手持ちのアイゼンだとかかとに引っ掛けられないことを知る!
アイゼンの後ろのコードがワタシのかかとに
直に食い込む羽目に!
・・・でも、落ちるよりはいいか・・・
「現場でいきなり使用するようなことをしてはいけません」
と本に書いてありましたね・・・トホホ・・

木の枝を掴みながら何箇所か雪に埋もれた登山道
らしきところを渡り、ようやく雪も少なくなった。
【御沢】にかかる橋を渡った頃はなぜか安堵の表情に。
山情報「残雪あり」の意味を今回初めて知ったのでした。

そして又登り返しの登山道を進むと、
三斗小屋と峰の茶屋の分岐に出た。
??峰の茶屋からここまでたったの30分??
・・・コース選びを誤った自分を責めつつも、
小屋まで20分の文字に励まされ、また雪道を歩くが、
日差しが又戻ってきて明るくなってきていい感じ♪

一生懸命歩いていくと、見えた!小屋が見えた!嬉しい!
今までがんばってた力が抜けて、急にヨレヨレ(笑)
小屋が見えたときの喜びったら・・・
こんなにありがたい気持ちになるのも珍しい(爆)⇒



小屋に到着!(涙)

三斗小屋温泉・大黒屋】左の出張った部分がお風呂です。

⇒もともと山の中で幼少の頃を過ごしていたダンナにとっては
全く普通のことだったらしいが・・・
軟弱なワタシにとってはまたしても遭難しかけた気分だった。
(相変わらずおおげさです)
画像上段・左から

大黒屋:新館
同じく山小屋:煙草屋さん
ロビーではコタツが迎えてくれる
部屋の窓から見える大自然
夕ご飯:ご飯はおひつで来ます

画像下段:左から

夢に見た♪三斗小屋温泉
夕暮れの大黒屋さん玄関
21:00消灯・ランプの宿

山小屋初体験の私たちを、宿の皆さんは温かく迎えてくれた。早速部屋に通してもらい、
冷や汗交じりの汗を流しにいざ、温泉へ。これこれ!これなんです!なんと風情のある山のいで湯。
ここまで歩いてこなければ絶対に味わえないお湯の温かさが身に染みます。

ここは自家発電のランプの宿。21:00過ぎには消灯、川のせせらぎしか聞こえません。
食料は一週間に一度、人力で運ぶそうです。食べ物のありがたさを改めて感じます。
事前調査の上、大食いの私たちには足りないと解っていたので、
色んな食料とお酒を背負ってまいりました。

山小屋と言っても個室、ふかふかのお布団もあるし、食事も部屋まで運んでくれます。
電話は全く通じず、衛星電話なのでテレホンカードしか使えませんでした。
便利な生活に慣れてしまっている軟弱な自分が恥ずかしくなります。

【一日目】ロープウエイ山頂駅⇒茶臼岳⇒牛ヶ首⇒姥ケ平⇒沼原分岐⇒三斗小屋温泉・大黒屋(泊)
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山小屋の朝は早い。4:00頃から隣の部屋のおじさんたちは起き出している様子で、
にぎやかな声が聞こえます。

布団の中でぐずぐずしていると、6:00過ぎに宿の人がお茶を持ってきて、朝食も運んでくれました。
そうこうしているうちに、7:00頃には周りの人たちはどんどん出発していきます。
もたもたしているうちに小屋では掃除も始まって布団も干し始めました!

GWということもあり、20部屋くらいは入っていたでしょうか?お風呂も男女一時間交代ですが、
毎回10人くらいは入っていました。(夜寒かったので3回入りました)
隣の煙草屋さんは露天風呂らしく、そちらにも入ってみたかったのですが日帰り入浴は不可、なので
またここまで歩いて泊まりにくるしかありません。
でも天候の良いときで、峰の茶屋から来れば物足りないくらいの楽な道のりかもしれませんね。

お掃除の邪魔をしては申し訳ないので慌てて支度をし、宿を出たのが7:50.。
これでも最後から二番目の出発でした。いや〜、さすが皆さんパワーある!

おみやげに【新橋飴】という昔懐かしい味のあめちゃんセットを頂き、
とても快適で温かな山のいで湯に大満足で出発です。


最後の急のぼりを終え、約60分で【隠居倉1819m】の
頂上に立てました。

遠くに真っ白な雪をかぶった山々が見えます。
【飯豊連峰】というウワサでした。
2日目は【隠居倉】経由で進みます。
小屋のすぐ裏の登山道を登ると、
温泉の源泉が噴出しています。
イオウの匂いにつつまれ登っていくと、
やはりすぐ雪が迎えてくれました。

昨日のおかげで雪にも慣れ、
鎖のかかった急斜面でも、
登りならまかせとけ!(?)
アイゼンも装着せずに枝につかまり、
グングンと上へと登ります。
気分だけ、雪山登山♪


そこからまた急な木の階段下り、【熊見曽根】を経由して
目指す【三本槍岳】へと進みます。
隠居倉から熊見曽根途中の雪道トラバース2回にちょっとビビリ気味。
下を見ていたら絶対に通れない私!
結構な急斜面だったように感じました。みなさん平気そうでしたけど^_^;

目の前に広がる【清水平】は今までの行程の中でほっとできるひと時。
ゆったりとした地形に木道が敷かれ、歩きやすくて快適★

と楽しんだのもつかの間!稜線が西へとカーブする頃から悪路に悩まされます。
雪が解けてドロドロの沼状態に。
登山道は幅1mもないですから、すれ違いはできません。
実はスパッツもストックも持たずに来ていたので、列になっているおじさんおばさんに
「あら〜、スパッツ履いてないの・・・」と呆れられながら、シューズはドロドロ。
靴下は濡れてきてズルズル。
せめてもの救いが、滑りながらも転ばなかったこと。
転んでいたら、体中多分泥んこでヤケになっていたでしょう・・・

そして最後の急のぼりを雪と沼化した登山道と格闘し、
40分ほどで【三本槍岳1917m】頂上へ着いたのでした。

たいした頂上ではなかったけれど(なんじゃそりゃ?)やはりここまでがんばった
達成感に包まれ、オヤツをほうばりました。

←清水平を見降ろす


画像上段・左から

三本槍岳山頂
山頂からの眺め(上・下)
沼化したドロドロ登山道に疲れ果てる私
北温泉分岐を上がったところから朝日岳方面




さて、ピークを踏んだらあとは下山あるのみ。
北温泉分岐より上がったところにある広場で昼食を取り、
【中の大倉尾根】をひたすら下ります。

約二時間の長い道のりでしたが、途中からすっかりいつもの
低山のような登山道になり、ウグイスも確認できたりと、
ゆったりハイキング気分で降りてきました。

が、気温も上昇している様子で風もなく暑いっ!
北温泉に着いた頃には汗だく。
とにかく早く温泉に入りたい!そしてビール!
と温泉にザブーーーン!とばかり飛び込んだのでした。

この宿にはいくつもの湯があったらしいのですが、
体が熱いのでひとつで十分(笑)
ここもひなびた山の温泉でした。
ゆっくりできたらそれもまた楽しいかな?
下山直後に入れるのはすごくオイシイ♪
日帰り入浴¥700

ただ、温泉からバス停まで20分くらい歩かなければ
なりません。
バスの本数も少ないので事前確認を。




小さい画像・左から

北温泉の脇に流れる川
中の大倉尾根最後の分岐
北温泉・玄関
北温泉の露天風呂・河原の湯
北温泉・プールの広さの満天の星の湯


そして最後の目的
那須湯本・鹿の湯】へ

この温泉は1300年前に開湯された
ということです。

とにかく強い酸性の泉質、
刺激が強く高温。
15分以上は入ってはいけないらしいです。
湯は白濁の強烈な硫黄泉。
翌日になってもカラダから匂いが
取れません
でしたが、これぞ温泉!といった
パンチのあるいい温泉でした。

GWと言う事もありめちゃ込みでしたが
入る価値あり!と思いました。
入浴料たったの¥400!
こうして無事旅の全工程を終え、路線バスにて黒磯駅へと戻ります。

一本道なので渋滞するのは解っていたのですが、バスで30分のところ大渋滞にはまったらしくなんと駅まで2時間かかってしまいました!!
帰りも普通列車で帰るつもりだったので特にチケットは取っていなかったのでラッキーでしたが、お腹ぺこぺこ。
17:00にバスに乗って、黒磯駅に着いたのが19:00!
駅弁でも買おうと思ったら既に売り切れ。宇都宮でも売り切れ。
仕方なくビールと(またか!)おつまみで空腹をしのぎ、家に着いたのが23:30でした。あ〜、終電までに間に合ってよかったー★

今回の山歩きでは色々勉強になりましたが、大好きな温泉三昧も出来て楽しい旅で終わり、よかったー。
軽いトレッキングルートだといっても、残雪を甘く見てはいけない、ということが良く解りました。安全であってこその旅ですからね。


【二日目】三斗小屋温泉⇒隠居倉⇒熊見曽根⇒三本槍岳⇒中の大倉尾根⇒北温泉⇒那須温泉・元湯:鹿の湯