映画「カル」公開記念企画

ソウル市連続バラバラ殺人事件早期解決を望む市民の会

会長インタビュー

 

2000年の3月に起きた、ソウル市連続バラバラ殺人事件を覚えていますか?
 ひところ日本でも、週間誌を賑わしていましたので、かすかにご記憶の方もいらっしゃると思います。確かあの時期、日本からの観光客が激減したのを思い出します。
 韓国ではこの事件は映画化され、日本でも11月に公開になった「カル(韓国のタイトル[tell me someting] )」というのは、この事件に取材し作られた映画です。
 先日、9月にソウルを訪問した時、知人のつてで「ソウル市連続バラバラ殺人事件早期解決を望む市民の会」の会長に会ってきました。仮にKさんとします。
 私はこの事件は日本にいて何度か耳にしたのですが、容疑者が銃殺されたということで解決を見たと思っていました。
 しかし、ソウルには真犯人はまだいるに違いないと信じる市民の団体がいます。これはそれらの団体のうちのひとつです。どうも話を伺っていると、この団体自体謎が多いのですが。
 ともかく、日本に帰ったら自分と話した内容をまとめてHP上に載せてくれと言われました。なにしろ草の根の市民の会なので、個人HPほど活動の場にふさわしいところはないそうです。
 そして、この話を聞いて日本のみなさんにも謎解きに参加して欲しいとのことでした。
 彼は翻訳ソフトを使って読むそうなので、私もいつものような難しい翻訳不可能な日本語は極力さけますあじひらめさんま。

−まず、この事件のあらましをざっと説明して貰えますか? 

K「実は、諸説あるのです。
 もっとも、言葉の定義から言えば、ソウル市で起こった連続バラバラ殺人事件だけを指すのが普通なので、都合上そういたします。
 2000年3月のことです。ソウル市で何度かバラバラ死体が発見される事件が起こりました。
 先ずは、最初の事件。
 3月10日深夜、カンビョン高速道路高架橋下の放置自動車の助手席にて最初の犠牲者が発見されました。死体の胴体と頭部は、パク・ヒョンスン(35)と後に判明。バイオリニスト。マスコミ報道によれば、黒いビニール袋に詰められていたそうです。
 そして、これがこの一連のバラバラ殺人事件の謎なのですが、二人の人間の部位が一緒に袋に詰められていたそうです。頭と胴体の持ち主と、足の持ち主が違ったのです。腕はなかった。
 二番目の事件。
 3月13日夕方、市内の新興住宅地の大型ディスカウントストアのエレベーターの中で、やはり黒いビニール袋詰のバラバラ死体の部位が発見されています。死体の頭部と腕は後にソ・ウジン(28)画家のものと判明」

−そのディスカウントストアは、具体的にはどこなんでしょうか?

K「それも、謎なんです。警察発表がありませんでしたので」

−マスコミが嗅ぎ付けるでしょう。派手な事件の割には、マスコミもぬるいですね。

K「(無視して)ここでは、やはり頭と腕が見つかっています。胴体はありません。足は最初の事件で別の持ち主のものとされていましたが、この頭の主のものでした」

−ややこしいですね。

K「三番目の事件。
 3月16日未明。市内のとある高水敷地の運動場でやはり黒いビニール袋に詰められたバラバラ死体の一部が発見されています。この死体の腕は最初の死体の持ち主のものだったそうです。彼自身の腕と、心臓はありませんでした。腕以外は後にクォン・ジュンヒョン(35)ハン大哲学教授のものと判明」

−運動場って、ソウルのどこですか。

K「それも、謎なんです」

−それ、変じゃないですか?映画や小説じゃないんだから、実際に死体が発見されていて目撃者がいるわけでしょう。

K「(無視して)心臓なんですが、3月24日にキム・ギヨン氏宅の冷蔵庫にて発見されています」

−今は亡き映画監督のキム・ギヨンですか?

K「(無表情に)別人です。
 四番目の事件。
 3月27日、朝6時20分。市内の高速道路上で黒いビニール袋に入った死体が発見されました。
 袋は道の上にいきなり置いてあったので、それをトラックが轢いてバラバラな死体がなおさらにバラバラになっています。
 一般道では、この影響で大惨事になりました。大量の血と人間の足がフロントガラスに落ちてきたわけで、びっくりした車が道を逸れ、結果12台の自動車の玉突き事故が起きています。
 場所ですが、はっきりしていますよ。(やや強い語調で)パンギョ・インターチェンジ付近です」

−あのー。それって単に交通事故で人間の死体がバラバラになっただけなんてことはありませんか?

K「列車事故じゃあるまいし。それはないでしょう。
 一般道で、人間の腕が落ちてきて、一人怪我をしていますが、この交通事故での死者はおりません。
 そして、この遺体には頭が無かったけれど、キム・ギヨン(30)と判明」

−頭がないのに、よく分かりましたね。それにそれって、どっか飛んで行っちゃって、発見されていないだけなんじゃないですか。

K「いえ、実はこの頭部は4月1日の朝、チョ・ミンソク刑事の車内で発見されています」

−エイプリル・フールですね。なーんちゃって頭部かも。

K「(ややむっとして)
 五番目の事件。
 4月2日。この一連の事件で容疑者とされていて、死亡しているオ・スンミンの家で画家のチェ・ヨンフンの頭部が発見されています。胴体その他は見つかっていません」

−死体をまぜこぜにするのは、第三の事件までですね。

K「ここが意見が分かれるところです。私は同一の犯人による犯行とされる5つの事件を並べて見ました。
 そして、同日、容疑者であったオ・スンミンは、人質であるチェ・スヨンにタワー・レコードにて、銃殺されています」

−人質であったチェ・スヨンにはどういう判決が下ったんですか?

K「あ、すみません。先ほど人質が銃殺うんぬんですが、これはタワー・レコードの店員から聞いたと週間誌で報道されたものでして、警察発表ではチョ刑事が銃殺したことになっています。タワー・レコードの防犯カメラにしっかりその場が撮影されてしまっているそうです」

−げ。おかしいですね。証拠があるのにですか。

K「確かに変なんです。しかも、その後、週間誌によるとチェ・スヨンはフランスに旅立っています」

−正当防衛だろうが何だろうが、普通はしかるべき手続きをとって法の裁きがなければオカシイ。だいたい、なんでチェ・スヨンは銃の撃ち方を知っているんだ。映画では。チョ・ミンソク刑事が教えたことになっているけど、実際にそうだったのかも。それと銃器を一般市民に持たせるのは、法に触れる筈だぞ。

K「ともかく、この事件は一般的には容疑者の死亡で結末を遂げています」

−あ、もう時間だ。HPできたらお知らせします。今日はどうもありがとうございました。

K「こっからが、いいところなのですが・・・。じゃあ、また続きはメールします」

(2000年9月11日ソウル市チョンノのシンラ・ベーカリーにて)

注) 信じようと信じまいと勝手ですが、この事件も団体も架空のものです。

注) 【事件の設定が2000年の3月である根拠について】

「カルの謎」の51ページに第二の事件は日曜の夜仕掛けられたと書いてある。とすると、3月13日は月曜になる。月曜が3月13日であるのは、ここ数年の前後では1995年、そして2000年がある。
 ここで、死体解体のビデオで犯人が見せていたCDが、placeboの「Without You I'm Nothing」であったことを思い出した(映画パンフレット参照)。このCDは1998年に発売になった。よって、設定は2000年。つまり、原作が書かれた時点、韓国での映画上映の時点では未来の時間設定になる。
 ところが、原作から映画に関係するところを再編集した日本の翻訳本「カルの謎」199ページではコリアン・テクノとなっている。また謎がひとつ増えました。