商売って何だろう

(敬称を省略しています)

『商いの心くばり』
伊藤雅俊(講談社文庫)

伊藤氏はご存知ヨーカ堂グループの総帥。
論点は次の三つ、
●お客様のために、という心構えで
●実際的、なものでなければならず
●合理的、でなければならない
松下幸之助氏にも同じような言葉がある。
『王道の経営』(江口氏PHP)などと
併せて読まれるのも面白いと思う。

『商人の知恵袋』
青野豊作(PHP文庫)

江戸商人の秘伝書を紹介して考察している。
『町人嚢』『商人生業鑑』『商家心得草』等
から引用しながら、現代を考えている。享保
の商人達はゼロ成長の中で台頭した。現代に
通じるところが多いと思う。
『豪商家訓名言集』(邦光史郎)と併せて
読まれるのも面白いと思う。

『関西商法』
田辺昇一(新潮社)

コストダウンと高回転主義を柱にした自力
本願の経営を考える。その代表格として関西
の商法を考察している。コンサルタントとし
て名高い田辺氏の本は、分かり易くて奥が
深い。

『包み込みの発想』
船井幸雄(サンマーク文庫)

つきは自分で創るもの。つきについての三つ
の観点。
●つきを持続させる(初心を忘れない)
●つきを届けてもらう(まず他人に届ける)
●つきの材料を作る(自信のある事を作る)
現状肯定+過去オール善の立場で考えるのが
身上。

『サービスが伝説になる時』
ベッツィー・サンダース(ダイヤモンド社)

著者は元ノードストロムの副社長。社員の
自発を育てるという考え方は日本的とも言え
る。サービスが伝説になるのは普通の人が
普通のことを、並外れたやり方で実行した時
だと語っている。
『ディズニー7つの法則』と比べてみるのも
面白い。

『鬼才縦横』
小島直記(PHP文庫)

『サービスの法則』(田辺英蔵PHP)とい
う本がある。その中でレジャー産業の二人の
天才について語っている。二人とは小林一三
とディズニーである。鬼才縦横はその小林一
三の生涯を描いた作品である。常に消費者が
次に求めることを実現し続けた生涯である。

『経営に終わりはない』
藤沢武夫(文芸春秋)

世界のホンダを支えた補佐役、藤沢武夫の
著作である。藤沢氏の作品には他に
『松明は自分の手で』など。独創を武器に
人の先を行け!他人の褌で相撲をとらない
というのが身上。NO2を語ったものには
『NO2心得帖』や『瀬島龍三の魅力』・
『豊臣秀長』など味わい深いものが多い。

『俺の考え』
本田宗一郎(新潮社)

世界のホンダを作った本田宗一郎氏の著作。
藤沢氏のものと併せて読むと面白い。他にも
『本田宗一郎語録』『本田宗一郎一日一話』
『得手に帆上げて』『本田宗一郎との100
時間』など本田氏に関する本は多い。井深大
氏(SONY)の『わが友本田宗一郎』も
お勧め。

『現代の経営』
P・F・ドラッカー(ダイヤモンド社)

幅広い企業経営について網羅した本。もはや
経営書のベーシック。経営者は決して経済に
よって作り出されたものでなく、同時に経済
をつくるものでもある。マネジメントだけで
なくイノベーションについての先見性は驚嘆
するばかり。
『経済発展の理論』(シュムペーター)も
イノベーションを考える上で面白い。

『ポスト資本主義社会』
P・F・ドラッカー(ダイヤモンド社)

社会主義が一つの時代を終えたように、資本
主義も一つの段階を終えようとしている。
変革期の組織・年金・生産性・政府・知識
などについて考察している。
『歴史の終わり』などと比較して読むのも
面白い。







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