心の勇気

(敬称を省略しています)

『企業家サラリーマン』
安土敏(講談社)

企業家とサラリーマンの間で揺れるビジネス
マンを描いた作品。「君は君のフロンティア
を開拓すべきだ。神ならぬ会社は、みんなで
叩き壊すことによってのみ、生き永らえるの
だ。」という言葉は衝撃的。エマーソンの
ように落ち込んだ時に勇気を与えてくれる
一冊。

『五輪書』
鎌田茂雄訳注(講談社学術文庫)

臨済の「仏にあったら仏を殺し、祖にあった
ら祖を殺し・・」という言葉が引き合いに出
される。独行道の「仏神は貴し、仏神をたの
まず」の件だ。他人から影響も受け教えも
請うが、最終的には自分で切り開かねばなら
ないという意味だと思う。自分の頭で考える
という意味を噛み締めた一冊。

『竜馬がゆく』
司馬遼太郎(文春文庫)

爽やかな風に出会ったような読後感。常に
自由人たろうとした竜馬に憧れを覚える。
勝海舟の『氷川清話』や他の幕末物で時代
考証しながら読むのも一興。

『雄気堂々』
城山三郎(新潮文庫)

日本資本主義の生みの親、渋沢栄一を描いた
作品。明治日本を造った神々の一柱として活躍
していく。渋沢栄一自身の書いた『人生の急所
を誤るな』などと一緒に読まれると更に面白
い。時代考証としては、『日本策士伝』
(小島直記)などと一緒に読まれると更に興味
が増す。

『自分のための人生』
ウエイン・W・ダイアー(三笠書房)

著者は元々精神分析学者である。その彼が
行きついた結論がストア学派や禅宗の考え方
に近いことにまず驚く。
●すべては自分で選択することができる
●現在を大切にする
という二点が趣旨である。続編もあるが、
是非『幸福論』(ヒルティ)などと読み比べ
ていただきたい。

『中村天風「勝ちぐせ」のセオリー』
鈴村進(三笠書房)

山本五十六や松下幸之助まで教えを受けたこ
とがあるという中村天風。日本の総理達が
教えを受けたと言われる師、安岡正篤同様
一般的にはあまり知られていない。まさに
波乱万丈の生涯である。
『運命を拓く』(中村天風)や
『活眼活学』(安岡正篤)などと一緒に読ん
でいただきたい。







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