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実践データベースマーケティング(第19号)
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実践DBMの岩瀬です。寒くなってきましたがいかがお過ごしですか。
今回はアンケート調査やモニター調査についてのお話です。第18号の
後で調査について聞きたいというメールをいただきました。市場調査
ではご専門の方もいらっしゃるでしょうから、お恥ずかしい限りです。

●○  目次  ●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

1.アンケート調査
1.1.目的
1.2.手法
1.3.サンプリング
1.4.設問
1.5.集計
2.モニター調査
2.1.目的
2.2.手法

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1.アンケート調査
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データベースマーケティングでは、主にお客様の事実情報を扱います。
ここで事実情報と呼んでいるのは、資料請求とか注文・返品・入金など
の情報です。主に量的なデータとして表すことの出来る情報です。
しかし量的なデータだけで終わることはありません。クレーム情報とか
アンケート情報なども取り込んで行きます。通常、業務の中で使う場合
には量的データに出来るような工夫をしますが、質的なデータの分析も
生じてきます。今回は主にアンケート調査について書きたいと思いま
す。

1.1.目的
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アンケート調査の目的としては、私は二つあると考えています。一つは
市場や優良顧客などの意識の変化を把握するためのものです。通常の
アンケート調査はこの範疇に入ると思います。もう一つはアンケートの
データ(あるいは類推)を顧客識別のために使うものです。通信販売の
会社でも資料請求時に簡単なアンケートを付けている場合があります。
実はこのデータも顧客識別に一役買っているのです。

RFMなどの購買履歴データは、実際に購買のあったお客様にしかあり
ません。しかし資料請求のお客様の場合には、購買が無くても顧客登録
を起こしてしまいます。折角手に入った見込み客データです。一度の
販売アプローチで捨ててしまっては勿体ない話です。見込み客データの
取得だけでも数十円〜数百円のお金がかかっているのです。しかも企業
なり商品なりに関心のある方の情報が集まっています。そこで一度の
アプローチで注文がなくても何度かカタログを送ったり、テレマーケを
仕掛けたりします。
ところが、一度のアプローチで注文の無かったお客様はやはりレスポン
スは低くなります。どこまでも経費をかける訳にもいきません。そこで
お客様を識別してレスポンスの高そう(だと思われる)なお客様に集中
して販売コストをかけたい訳です。購買履歴はありませんが、何とか
お客様を識別したいと考えた結果、地域・年代・アンケート結果などを
使うのです。

私の経験では、自社でなくても同様のサービスを受けたかどうかという
情報が役に立ちました。自社のRFMでなく業界のRFMをアンケート
調査したのです。

●通信販売で購入されたことはありますか?
●最近注文されたのはいつですか?
●どんな商品を購入されましたか?
●年に幾ら位、通信販売で購入されますか?

というような簡単なアンケートです。資料請求時になるべく多くのお客
様に記入していただきたいので項目は絞らざるを得ません。幾つかテス
トした結果、業界RFMを使うことでレスポンス率は2〜3%上がりま
す。勿論、資料請求があった時には全てのお客様にカタログを送付する
のですが、業界RFMの高いお客様には2度目のカタログも送付するの
です。

このように市場調査以外にもアンケートの利用方法があります。

1.2.手法
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アンケートの方法で一番多く使ったのは郵送法です。通信販売会社に
いましたから、郵送法は使い易い方法でした。他の調査としては、

●グループインタビュー
●Webアンケート

を行いました。Webは通信販売会社を退職してからですが、非常に面白い
アンケートが出来ました。通常アンケートの設問を作る場合には、廻り
の人でテストしたりして予備調査を行います。しかし、Webの場合は
予備調査を含めて数回答えて貰う方式を作りました。おおざっぱに広い
範囲のアンケートに答えていただき、翌週に本調査に答えていただく
方式です。メリットとしては、

●聞き忘れを防げる
●お客様の言葉で選択肢を設けることが出来る
●当初予想していたことと違う結果について深掘り調査が出来る

というものです。Webでの調査ですから、更にお客様によって設問を
変えたり、答えによって次の質問を変えたりすることが出来ます。

一般には他にも、面接法や留め置き法などがあります。Webアンケートは
集計までの時間も短くこれから有望な方法だと思います。Webアンケート
のメリットとしては、

●データとして手に入る(お客様が入力する)
●告知から集計までの時間が短い(2〜3日で済みます)
●こまめに画面を変更することが出来る

などです。デメリットとしては、

●顧客層に多少違いがある場合がある
●年齢・職業・性別に偏りがある

というところでしょう。Web調査で予備調査をして、本調査は郵送法
などということも可能だと思います。

1.3.サンプリング
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サンプリングというのは、調査対象に偏りがないように抽出すること
です。全員にアンケートをする訳にいきませんから、500万人のデータ
ベースから1000人とか抽出をします。抽出する場合に偏らないように
配慮しながら抜き出すことをサンプリングと言います。サンプリング
では3種類の方法を使っていました。

●乱数を発生させるランダムサンプリング
●一定に並べた後、等間隔で抜き出す方法(住民台帳方式)
●あるグループ毎に人数を決める方式(実験計画法)

というような方法です。あるグループ毎に差を見たい場合には実験計画
法を使いましたが、通常は乱数方式か住民台帳方式を使いました。

サンプリング数としては何分の1かと言うよりも、集計単位を基準に
していました。例えば年齢で20代・30代・40代の比較をしたいとしま
す。1〜2%の誤差が気にならなければ、それぞれのグループで100名位
いれば良い勘定になります。40代が他の年齢の半分位しかいない母集団
から抽出するのであれば、20代で200名・30代で200名・40代で100名と
考えて全体で500名位かなという考え方です。集計単位を細かくする場合
には多めにサンプル数を設定していました。

1.4.設問
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アンケートの場合、設問が命です。良く見る集計は対象者の属性(年齢
や地域・職業など)の集計です。勿論全体像を掴むには必要ですが、
実際に役立ったのは質問と質問のクロス集計でした。良く行う方法に、
重要度−満足度分析というのがあります。例えば次のようなものです。

【質問1】購入を決める時に気にするのは何ですか?次の項目に優先
     順位を付けてください。(一番重要なのものが1位)
     A.価格(○位)
     B.デザイン(○位)
     C.メーカー(○位)
     D.機能(○位)
     E.アフターサービス(○位)
【質問2】××社の製品について、以下の項目について満足度を教えて
     ください。
     非常に満足=1、満足=2、不満=3、非常に不満=4
     A.価格      (○)
     B.デザイン    (○)
     C.メーカー    (○)
     D.機能      (○)
     E.アフターサービス(○)

ここでは言いまわしに気を使っていませんが、趣旨はこのようなもの
です。この答えをクロス集計することで、重要で満足度の高い項目や
重要で不満の高い項目を見つけることが出来ます。更に他の質問と
組み合わせることで、どんな製品と較べるお客様が何を重視しているか
などということが分かる訳です。最初から質問同士の因果関係を見る
ことを前提に設問する必要があります。

また上の例では満足度を4つに分割しています。不明を入れる場合も
ありますし、『どちらとも言えない』という中間解を入れる場合もあり
ます。経験上では中間解を入れると中間が多くなるようです。あえて
どちらかという聞き方をする場合には中間解を入れない聞き方になり
ます。

1.5.集計
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前述のように設計段階で集計イメージは既に出来ていることになり
ます。集計段階ではクロス表の作成や数量化3類や4類がメインに
なります。しかし購買データなどと付け合わせて購入のし易さなどを
分析する際には数量化1類や2類を使うことが多くなります。

表計算ソフトでも1類から4類まで作成することは出来ます。有り無し
(○×)形式の場合には1と0に置きかえることで計算可能ですが、
不連続変数を扱う場合には答えの一つずつを分解して、1と0に置き
かえることになります。現在では統計ソフトの安価なのものがあります
から、統計ソフトを使った方が早いかも知れません。

2.モニター調査
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次にモニター調査です。特定の人を対象にしたパネル調査のことです。
社員に先行販売をして調べることも出来ますし、通信販売会社では早期
(パイロット)展開と言って早めにカタログを配布する仕組みを持って
います。或いは特定のお客様を組織化して意識変化の定点観測をする
場合があります。

2.1.目的
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こちらも目的は二つあります。商品の売れ行きを予測する場合には量的
データを取得しますし、意識変化を定点観測する場合には質的データを
扱うことになります。通常のアンケート調査と違うところは回答者を
組織化しておくということです。一定の条件のお客様の意見を調べる
ことになります。

2.2.手法
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手法としては早期展開やFAXでのモニター、電子メールを使ったもの
などがあります。どの方法にしてもお客様と定期的に意見交換する手段
を持つことが必要です。優良顧客だけをゴールド会員として別の電話
窓口を設けて声を聞く場合もあります。或いは特別に意見の厳しいお客
様にお願いする場合もあります。

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今回はアンケート調査をお送りしました。何かご希望がありましたら、
 岩瀬 理  までお願いします。

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作:発行/岩瀬 理(osamu iwase)

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