(はくさん)
白山
(2702m)


富士山、立山と共に日本三名山に挙げられ、石川・福井・岐阜の3つの県にまたがっています。私が標高2000〜3000m級の夏山に登ったのはこの時が初めてであり、この山が夏山登山の出発点になりました。大雨の雷雨の中でも魅力を感じるものがこの山にはあったのですから、晴れた日にはさぞ爽快感をもたらせてくれる山であると思います。しかし晴天の白山に登ったのは、それから11年後の平成14年8月でした。


平成3年7月下旬、会社の上司達と夜行でJR大阪駅から金沢駅に到着、そこからバスで2時間程で登山口の別当出合に着きました。7時過ぎから砂防新道を通りましたが、甚ノ助避難小屋に着くまでの間にすごい雷雨に遭い、避難小屋前でしばらく待機することになりました。

小降りになり再び黒ボコ岩に向かって出発しましたが、雨天のせいで周囲は何も見えずじまい。途中、濁流の流れる河原に出て、そこを越えるのに一苦労。子供はお父さんの背中におんぶされて渡っていました。黒ボコ岩を通過して弥陀ガ原の高層湿原に出ると花の群落が広がり始めました。そこから最後の一山を登りきると白山室堂センターに到着。時刻はちょうど正午過ぎでした。

この山小屋がその日の宿になりましたが、雨でずぶぬれになった身体を清める事も出来ず、そのまま床に入らなければならなかった時はさすがに閉口。しかもその日の宿には畳6枚に10人が寝ることになったのです。

翌朝、上司達だけで頂上の御前峰に向かって出発。私は防寒着なしで半袖だけという無知な装備で来たので山小屋で待機することになりました。無知者も無知者ですが、無知な私を連れてくる上司も上司です。

朝食後はすぐに下山で、帰路は観光新道を使いました。雨でぬかるんだ道をドロドロになりながら下山しましたが、その道には可憐な高山植物が見事な花を咲かせており、夏山の魅力を感じました。

16Lのザック、半袖1枚、軽い布製のトレッキングシューズ、ビニールのレインコートといった装備で夏山に行った私はさぞかしの無知者だったと思います。しかし登山の面白さというものを改めて実感した山行でした。


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