(くろべごろうだけからかさがたけ)
黒部五郎岳から笠ヶ岳
(2840m〜2898m)


私が山登りを始めてから大変スケールの大きな大縦走となった山行です。北アルプスにあり、ともに日本百名山の山で、縦走路には夏の高山植物がたくさん咲き乱れていました。
黒部五郎岳は山頂部に大きなカールを作っているのが特徴。
笠ヶ岳は平湯などの山麓から、また乗鞍スカイラインや西穂高の稜線上からと、どこから望んでもその笠の山頂部が特徴的で、槍ヶ岳と同様に北アルプスの目立つ山として有名です。


平成7年8月上旬、山と友の会のメンバーと大阪から夜行バスで出発。
富山県の折立から太郎平、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六小屋、弓折岳、笠ガ岳、新穂高温泉へと行くコースで3泊4日の北アルプス大縦走となりました。

1日目は富山折立から5時間程かけて太郎平へ。道は登頂コースで今回の山行では最も厳しい登り道。登山道にはニッコウキスゲがたくさん咲き乱れていました。太郎平に着くと、行く手の反対側には雄大な薬師岳が夕日を浴びて迫っていました。その日は太郎平小屋に宿泊して就寝。

2日目は太郎平から北ノ俣岳、黒部五郎岳へと縦走。
途中、雲がかったり晴れたりの複雑な天気でしたが、所々にニッコウキスゲ、チングルマ、ツガザクラ、クロユリ、クルマユリ、コマクサ、シャクナゲ、ハクサンイチゲなどの高山植物が咲き乱れて、この道が最も花の楽園でした。黒部五郎岳の頂上に着くと木札を持って記念撮影。登頂後は雄大な黒部カールを通り、そこの雪渓をかき氷にして食べました。腹をこわしたものは誰もいない?カールを下りきった所に赤い屋根の黒部五郎小屋があり、2日目はそこに宿泊しました。

翌朝の3日目は午前3時に起床。3時過ぎに暗闇の中を出発して、三俣蓮華岳の手前で朝食をとりました。山友特製のみそ汁は美味い!朝食後は双六岳を横手に素通りして双六小屋に到着。そこで昼食のラーメンを食べました。双六小屋からは4時間程で槍ヶ岳に行く道もありましたが、我々は別道の笠ヶ岳を目指して出発。途中、体力に限界の人が出てきて、鏡平の山小屋に泊まるものが一人。明日の帰路で合流することになりました。さらに弓折岳、抜戸岳と進んで行くと、本格的にバテてきた人達が続出。何度も休憩をとって遅くなったので笠ヶ岳山荘のお兄さんが迎えに来てバテた人の荷物を運んでくれました。ようやく夕方6時頃に笠ヶ岳山荘に到着。そこに荷物を下ろして10分位で笠ヶ岳頂上に着きました。夕日を浴びてみんなでバンサーイ!バンザーイ!ここの山小屋には水が全くなく、あわててポカリスウェットを買いだめしました。

4日目は引き返して鏡平へ、そこから小池新道を通って新穂高温泉に到着。下山後は共同湯で一風呂浴びて、軽食をとりました。そしてそのままバスに乗り込んで深夜の1時頃、大阪に到着。始発電車待ちの朝帰りとなりました。

今回の縦走は何といっても高山植物をたくさん見たこと、そして北アルプスの雄大な山々をたくさん展望したことが一番の思い出です。登らなくても薬師岳、水晶岳、鷲羽岳、槍ヶ岳、穂高、焼岳と行った百名山をたくさん眼中に収めたことが強く印象に残っています。


太郎平から眺めた夕焼けの薬師岳


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