(つるぎさん)
剣山
(1955m)


四国第二の高峰。その西には西日本の最高峰、石鎚山があります。
日本で剣といえば北アルプスの剣岳、木曽駒の宝剣岳、富士山・白山・御岳のの剣ヶ峰と色々ありますが、いずれも岩が剣のように立っているところからこの山名がついたそうです。しかしなだらかな草原が広がる山頂を持つこの山が剣山と呼ばれるのは安徳天皇の御剣を頂上に埋め、これを御神体としたからだという説があります。西の石鎚山が山骨稜々として厳父的なのに対し、東の剣山は豊かなふくらみを持った慈母的な山といえそうです。


平成4年5月連休、入山した日はちょうど山開きの日で、今回は単独で剣山に登ることになりました。前夜に大阪の弁天港から徳島に到着。JR線に乗り、貞光駅で下車。貞光駅でバスを待っていると、手話で話しかけてくるろう者のおじさんに会いました。そのまま一緒にバスに乗車しましたが、おじさんは見ノ越手前で降りて、縦走コースに入って行きました。私は終点・見ノ越で下車。

剣山神社前では山開きのお神輿が披露されており、神主さんの姿もちらほら。資料館で地元の品々(平家の子孫が残したもの)を見学し、昼食をとってからリフト伝いに入山。見ノ越から西島神社を通り、1時間半程で楽に山頂に到着しました。噂どおり剣のようにとんがったものはなく、非常になだらかで広々とした頂上でそこから見た次郎笈の美しい山容には圧倒されてしまいました。

しかしその日はすでに3時過ぎで剣山頂上ヒュッテに宿泊することにしました。山小屋の宿泊客の雑記帳に子供の字で「けんざんにのぼりました」と書いてあるのを見て思わず苦笑。かっては私も「けんざん」などと読んでいたのです。翌朝はかなりの雨で次郎笈行きを断念。そのまま見ノ越に下山することにしました。途中、風でザックカバーを吹き飛ばされ、ザックがびしょびしょ。1時間足らずで下りて、バスの便を見ると次のバスまで2時間待ち、車道をとぼとぼ歩いていると通りがかりのトラックのおじさんが荷台に私を乗せて、かずら橋前まで連れて行ってくれました。


頂上付近から眺めた次郎笈


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