ある田舎町、その町はずれ。 そこには、ごく普通の一家が暮らしていました。 子供の面倒見も良く、働き者の父。 厳しく、優しい母。 幼くも、良く気の付く息子。 まだ生まれたばかりの、可愛い娘。 何の問題もなく、幸せに暮らしていましたが、 町はずれと言うだけあって辺りに人の住む家は無く、 遊びたい盛りの息子には、気軽に遊べる友達がいませんでした。 まだ四歳の息子――少年は、一人で町に行ってはいけないと きつく母に言われていたのです。 ですが、少年は決して毎日を退屈に過ごしてはいませんでした。 幼い妹の面倒を見たり、母の手伝いをするのが、 少年にはとても楽しかったのです。 それに、少年にはとっておきの遊び場がありました。 家から出てすぐの坂道を少し上ったところにある、 大きくて白い洋館。 誰も住んでいないので、広い庭は手入れされていませんでしたが、 だからこそ、自然の美しさがありました。 少年は少しだけ開く表門からその家に入って、 生い茂る草を、咲き誇る花を眺めるのが、とても好きでした。 ある秋の日、白い洋館に変化が起こりました。 人がいるのです。 少年は確かに、洋館の二階の窓を開ける、 茶色く、さらさらした髪の人を見ました。 「おかあさん!白いおうちに人がいるよ!」 「まぁ、本当?引っ越して来たのかしら?」 母は洗濯物を干しながら、白い洋館を見上げました。 「ぼく、見てくる!」 「邪魔しちゃ駄目よー」 「いってきまーすっ」 少年はすぐに駆け出しました。 「はあ、はあ!」 少年は一生懸命走りました。 いつもはすぐ近くの白い洋館までの距離が、 今日はとても長く感じました。 少年は、早く確かめたくてしょうがなかったのです。 だって、少年が見た人は、『子供』だったのですから。 友達が出来るかもしれない。 と、少年の心は期待でいっぱいでした。 「はあっ、はあ・・・」 少年はようやく白い洋館に着きました。 いつもはぴったり閉まっている門が、開け放たれていました。 人がいるのは、間違いありません。 少年は、胸に期待を膨らませて、 そうっと門の向こう側を覗いてみました。 「あら?坊や、どこの子?」 覗いた途端、女の子と目が合いました。 「!!っあ、あのっ・・・・」 茶色いふわふわした柔らかそうな髪に、 くりっとして、青空の様に綺麗な青色の瞳。 少年より背の高い、まるでお人形みたいに綺麗な 年上の女の子。 「ぼ、ぼくっあそこのおうちに、すんでる・・・・」 「ああ!あそこ?じゃあちょっと遠いけど、おとなりさんね」 女の子はふんわり笑って言いました。 「うん。あのねおねえさん、このおうちに ぼくとおなじじくらいのこいない?」 少年はその笑顔に安心して、すらすらと言いました。 「ちょっと待ってて。連れてきてあげる。どうせあのこ、 外で遊びたくてたまらないはずだから」 女の子はそう言うと家の中へ駆けていきました。 少年は待っている間、とてもドキドキしていました。 近くに友達が出来るのが、楽しみでなりませんでした。 程なく、女の子に連れられて出てきた、 少年と同じくらいの年頃の、男の子。 照れているのか女の子の後ろに隠れている。 「ほーら。ちゃんとごあいさつして」 女の子が男の子を前へと促す。 男の子はそっと出てきた。 「ふ、ふじゆうた。3さいです」 「ぼくは、おおいししゅういちろう。 よろしくね、ゆうたくん!」 「・・・・うん!」 少年、大石の笑顔につられて、 男の子、裕太も笑顔になった。 始まる前、そこはきらめきの粒が散らばっていた。 |
| まずは四歳の大石と三歳の裕太の出会い。 なんかやり辛い。 次は不二君がちゃんと出ます。 |
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