2003オリエンテーリング世界選手権 報告書

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*技術報告書は別に記します。

世界選手権は8月にスイスで行われた。冷夏の日本と違って連日35度を超える暑さと なり、コンディションのケアにかなり気を使った。
4回目の出場となれば、当然だがただ代表として走るのではなく「結果」として形に 表すべきだと考えていた。だからこその挑戦だった。毎回、「後少し、可能性があ る、惜しかった」では進歩がない。2年後には地元日本で世界選手権が行われる。そ の足がかりにするためにもどうしても今回はなんらかの結果をだすべく準備をしたつ もりだった。
今年2月に、ターゲットとする種目をミドルディスタンスにすることを決めた。2年前 のフィンランド世界選手権でショート予選を走り、決勝を走ることに手ごたえを感じ たことと、体のコンディションからロングは無理だと判断したため。

今回の目標は、
・予選を通過し決勝を走る
・決勝ではトップの125%で走る

結果は予選敗退。予選トップ比135%のタイムで遅れること9分、通過ボーダータイム から3分。
当たり前だが大きいミスはせず悪いレースではなかったのだが現実は厳しい。いくつ かの反省点が上げられる。技術面ではまだ情報の単純化ができていずスムーズに進め ない、ルートチョイスではフィジカル面とリンクして積極的なルートを選べない。 フィジカル面ではベースの基礎体力が足りていない。「走るのだけで遅そう」と思う ようなレッグでは思ったとおり差がついている。フィジカル面でベースアップした上 でオリエンテーリングの技術面を練習をしていかなくてはステップアップはあまり見 込めない。
それからかなり後になって気づいたが、メンタル面の問題。中盤に同時スタートのロ シアの選手を見たときに、決勝を走れるかもしれない、いいレースをしているのかも しれないと思ったのだが、その後ちょっとしたミスから冷静さを欠き、小さなミスを 続発した。これは予選通過がシビアに現実的なものとしてレース中に捉えられたから こそからで今まで気づかなかったなのかもしれないが、その気持ちをコントロールす る術を持ち合わせていなかった。

翌日のリレーはなんとか20位以内は入れるのではないか?とチームで話をしていた。今 回はワクワクして少なからず希望を持っていた。テレインからしても今回のメン バーはかなり期待ができるはずだ。レースほとんどミスはなく、後半だいぶ疲れたが けして悪い出来ではないと思っていた。しかしタイムはトップ比150%。フィジカル面 での準備不足は否めない。これだけやれば走れればミドルの競技時間と、リレーで60 分走りつづけることは大丈夫だろうと思ってやってきた今までのトレーニングやその 時間は、それでも世界で戦う上では不十分なのだ。トレーニング内容は工夫したつもり、時間と量については少ないとは思っていたがそれがはっきりと数字になって現れた。

それでも目標達成に向けて今まで費やした時間どおりの結果はそのまま出ているよう に思える。逆に言えばこれから同じようなトレーニングを続けていても今回と同じよ うな結果しか出せないだろう。今後活躍をしようと思うのならば、絶対量と時間を増やしもっと違ったアプローチとトレーニング内容の工夫が必要だ。

それから周囲のサポートは大いに励みになる。そのための関係作りは非常に大事だと思う。 もちろん努力しているのは選手、それぞれで走るのも選手だが、それを応援し、身近に 応援できる選手がいるというのは周囲にとっては楽しみの1つ、世界選手権が身近なものになるかもしれない。選手は、チームは自分らのことに一生懸命かもしれないが、2年後の地元開催の世界選手権を盛り上げていくためには強くなるのはもちろん、周囲を巻き込みこむことも(例えば地域クラブに入ったり、なにかしらの イベント交流をしたり)強化への布石になるのではないだろうか。

最後に。
賛助や応援をしていただいた多くの方、サポートしてくださった関係者の方々に本当に感謝しています。ありがとうございました。結果をだすことができず残念ですが、この経験を次の自分へ、若い世代へつなげていくことが自分の役目だと考えています。