2004スウェーデンオリエンテーリング世界選手権
外部報告書

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ナショナルチームの外部報告書用に記したものである。
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WOC2004報告書(PDF書類)

世界選手権報告
田島 利佳
5回目の代表出場となったが、世界の舞台で真剣に活躍したいと考えトレーニングし始めたのは恥ずかしいことながら2000年秋以降である。2001年のフィンランド、昨年のスイス、そして今回のスウェーデンと4 年をかけて3 回目の挑戦であり、過去のどの大会よりも準備ができてコンディションも整いワクワクしていた。今回の目標はミドルディスタンスでの決勝進出、そしてトップから120%のタイムで走ることだった。決勝進出の目標は達成できるギリギリの目標であったし、決勝での120%内のタイムは厳しいがチャレンジしがいのある目標で、どれも妥当だったと思う。リレーについては10位台に順位を上げられればいいなと考えていた。

 結果としては予選で敗退し予選トップ比タイムは158%となった。予選通過タイムからは4分遅れ。トップタイムからは15分遅れ。スウェーデンのテレインの難しさを表す荒れた展開となった。私にとってはチャンスはチャンスであった。このような荒れた展開になることはわかっていたし、普通に走れば決勝を走れる手応えは1 週間前から現地にて調整の直前トレーニングキャンプを通じて感じられていた。スタートして地図とフィットしないテレインに少しとまどうがそれ でも我慢して進んだ。2コントロールでは1.5分近くのミスをしてしまうが、これでもまだ大丈夫いけるとレースを進めた。中盤のいやなレッグを2つこなし、次の『あ、いやなレッグだな』と思ったところで実際にそのいやな部分をどうきちんと行くかまで注意できずミスを起こし4分無駄にした。さすがにこのミスで厳しい状況だとは思ったがそれでもあきらめずにレースを進めた。かなり抑えめで確実にレースを進めるようにした展開で12-13位前後のレースをしていたが、お かしたミスは今の実力がそのまま現されているように思う。

 昨年のスイス世界選手権のミドル予選レースの反省から、この1年はフィジカル面のベースアップを中心として行ってきたが、テクニック面でのブラッシュアップまでには行き着かなかった。それがそのまま今回のレースにでた。もったいないレースとなってしまったが妥当かもしれない。悔しさはもちろんある。予選を通過できなければ意味がない、そう思い言うことは簡単だが、今回のレースは無駄では絶対なく学ぶことは多い。去年のスイスではどうめいいっぱいやっても予選通過がギリギリだと思っていた壁は、今回は普通に走れば決勝を走られると感じられた手応えは収穫であり、自分のやってきたトレーニングはけっして間違っていないと感じられた。

 来年さらなる飛躍のためには主に2 つの課題が上げられる。まずはスピードのアップ。ベースの体力は上がったが、スピード練習までは間に合わなかった。スピードを上げた中で走る練習とオリエンテーリング練習をすること。そしてテクニック面のブラッシュアップ。今回は現状維持でしかできておらず、国内選考会後急遽村越氏にコーチを依頼したが、さすがに3ヶ月前では間に合わない。現状のスキルを最大限に発揮できるようなアプローチだった。

 リレーについては男女とも厳しい結果となった。チームとして目標の取り組みからしてあいまいなものでしかなかったため、その練習準備も今ひとつ選手としても意識できないままではなかったか。現地トレキャンで2回リレートレーニングを行い、女子は村越さんが集団を引っ張ってくれたが、ここで初めてリレートレーニングの必然性を強く感じた。個人のレースとリレーのレースは全く違う。集団を上手く利用し自分のコントロールに行くこと。これらのことをきち んと意識わけした上で練習に臨まないと身にならない。この点ではどの選手も未熟である。来年リレーで上位を目指すのであれば、国内練習で目的、目標を意識した練習を積んでいかないといつまでたっても上位進出はならない。徹底的に工夫したリレー練習をするべきである。

 スプリントでは宮内、山口が決勝を走ることができて、応援してくださる方々に少しは元気を与えることができただろうか。来年はどの種目でも多くのみなさんがワクワクできるよう、これからもいっそう努力と準備をしていきます。今回多くの方々からの応援、サポートは本当に励みになりました。来年こそみなさんが狂喜乱舞できるくらいの結果をだせるようあと10ヶ月、励んでいきたいと思います。まだがんばります。少しでも構いません、どうぞこれからも応援をよ ろしくおねがいいたします。