日光女子合宿 アンケート結果から
2月という開催時期から、約1ヵ月後の大会(学生はインカレ、社会人は全日本大会)を目標に設定してそれぞれのこれまでのトレーニング内容やモチベーションを具体的に確認する。またそれを踏まえて
本番までに何をすればよいかを考える。
2. アンケート内容 :
目標は?
- 1に向けてこれまでどのようなことをしてきたか、目標を達成するためにあなたがしてきたこと、それによって身に付いたこと(できるようになったこと)を列挙してください。
-
目標達成の可能性(0から100までの数字で答えてください)
-
今後の調整をどのように行うか?今後していくべきと思われることをできるだけ具体的に書いてください。
3.アンケート結果 :
1. 目標について
-
学生はWF・WAにおいては半数近くが入賞を目標にしている。またリレーの目標を書いた学生が5人ほどいたが、その全員が優勝もしくは入賞を目標としていた。
- WEの学生は15〜20位以内と控えめ。
- 社会人は全員W21Aで、優勝、5位、10位以内と比較的高めである。
2.目標を達成するためにしてきたこと、それによって身に付いたこと(できるようになったこと)について
【学生(17人)の、目標を達成するためにしてきたこと】
大別して6項目に分類できる。殆どの人が(A)〜(E)を意識しているようだ。
- 体力の向上:ジョグ、LSD、スピードトレーニング、筋トレ など
回数については、できれば毎日、時間があるとき、週1〜2回
- 地図読み:地形のイメージを作る、予想コースを組む、読図走をする、大会前に地図読みをする など
- 技術の向上:直進など基本のコンパス技術の練習、レース後の反省をして次回に生かす、教本を読む、
サムコンパスに慣れる、自分のオリエンテーリングスタイルを固める、先輩に教えを請う など
- 精神面の調整:大事なレースを設定しイメージトレーニングをする、課題を設けてレースをする、
メンタルトレーニング、モチベーションの向上 など
- 大会・練習会への参加:積極的にオリエンテーリングをして経験を積む、合同トレーニングに参加する
- チームの結束を強める:コンスタントにチームで話し合う、目標を共有した仲間と語る、サークル内の
練習に参加する など
【社会人(4人)の、目標を達成するためにしてきたこと】
学生の分類を利用すると以下の通り。意識している点は主に体力の向上であるが、学生と比べてより内容が具体的である。
- 体力の向上:ジョグ、自転車、スピードトレーニング、筋トレ、マラニックなど
数値目標として、月間100km、腹筋・背筋20回 など
- 地図読み:山に入って地図読みの練習をする
- 技術の向上:弱点(直進)強化のためOL地図のある公園で練習しある程度克服後勢子辻で直進でのみ
コントロールを回った、タイムの近い人とルートを検討する、ラップを比較してどういうときにミスをしているか検討する
【今までの行動によって身に付いたこと】
長い時間走れるようになった、地形のイメージと現地の対応ができるようになった、という回答が学生に
多かった。しかしながら全体的に回答数が少なく、トレーニングをしていてもその成果を把握していない
かのように思われるが、設問Cに対しては積極的に回答しているので、結局のところ自分の現状に自信が
もてないようである。
3.目標達成の可能性について
平均は52%で、目標は「頑張れば達成可能である」範囲に設定されているようだ。
4.今後していくべきと思われることについて
【学生の、今後していくべきと思われること】
2の回答と同じ分類ができるが、内容はより具体的で本番(インカレ)を意識した調整主体のものになっている。
- 体力の向上:走りこみ、トレーニングの継続、体重を落とす など
レースに精神的な余裕が持てるようにする、2日間集中したトレーニングをする、50〜60分走り続けられるようにする
-
(A’)コンディショニング:怪我をしない、風邪をひかない、早寝早起きをして体調を整える
- 地図読み:地図読みの練習を欠かさずに行う、ルートプランニングの練習をする
- 技術の向上:自分が今できる技術を確認しできることに自信を持つ、新しい事を覚えようとしない、苦手な課題の克服、レース後の復習や撤収をする、普段走るときにコンパスを持つ など
- 精神面の調整:(本番の流れや起こりうることなど)イメージトレーニングをして本番で冷静になれるようにする、プログラムや地図を読む、良かったレースを思い出す、毎日インカレを意識する、 など
- 大会・練習会への参加:練習会や大会に積極的に参加する、レースの目標を設定してから臨む、レース後復習をする
- チームの結束を強める:合同トレーニングや話し合いに積極的に参加する、リレーメンバーと多くの時間を
共有する、お互いどのようなオリエンテーリングをするのか伝え合う、リレーではお互い信頼して走る
【社会人の、今後していくべきと思われること】
学生とは異なり、すでに苦手な課題が絞り込まれているため特に技術面での課題が具体的である。
- 体力の向上:走りこみ、トレーニングの継続、筋トレ など
- 地図読み:ベストルートを短時間で選べるようなルート取りの練習、ルートプランと手続きの時間の短縮、読図走、勢子辻のような難しい地図表記を覚えるための読図練習
- 技術の向上:歩測の練習、藪や尾根でもきちんと直進できるような訓練、レースの反省をきちんとする(アナリシス・ルート記入)
合宿では、数人のグループでそれぞれの回答を発表してもらった。また、各グループには必ず社会人が入るようにして、学生との考え方の違いに気づいてもらうようにした。それというのも、学生の回答は「ルートプランをする」「走りこむ」「地図読みをする」「イメージトレーニングをする」といった一言だけのものが多いのに対し、社会人の回答には「どれくらい」「何を改善するために」という具体的な考えが盛り込まれているからである。その後、もう一度C今後の調整について内容を書き加えてもらった。
全体的に、学生は非常に上達への意識が高く、トレーニングも工夫して行っている様子がよくわかった。合同トレーニングで楽しみながらトレーニングができるのは学生ならではである。今後の課題としては、自分はどうしたらより上達できるのか、現状の評価の上に立った課題の設定をきちんとしていくことが挙げられるだろう。
文責:金子恵美
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