CPA受験体験記(Seattle, Washington)

99年5月のCPA試験(シアトル、WA)の受験体験談をお寄せ頂きました。ありがとうございます。


ワシントン受験の理由

私がワシントン州での受験を決意したのは、まず「CPAのCertificateが合格したらすぐにもらえる州」というのが第一条件でした。今にして思えば、別にCertificateがあろうとなかろうとCPAに全教科受かっちゃえば、「私はUS CPAです」って名乗れるのになあ、って感じなのですが。
最初に考えたのはイリノイ州だったのですが、受験料と単位の審査料(他の州でいうFACS)とが異様に高すぎるのでやめました。
幸い、大学は経営学部で、会計関連の教科はけっこう好きでたくさんとっていたので、単位面でのハンデは全くなく、他の皆さんの多くが経験されている「単位認定試験」というプレッシャーも経験せずにすみました。…大学卒業後?年してこんな形で役に立ってくるとは想像してませんでしたが(笑)。

航空券の手配

私は早々と、98年の10月からはじめておきました。某AL社で、ノースウェスト便が5月1日発で89,000円(+空港税)と予想よりは安かった。ノースウェストにしたのはNW/KLMでマイレージを集めているからでありまして、NW便そのものはあんまりお勧めできたものじゃなかったです、個人的に。機体は古そうだわ、機内で雨が降るわで…。

受験票到着

ワシントンでの受験地が第一希望だったシアトルと決定したのは、試験直前の4月中旬頃で、その頃ようやく受験票が届きました。(それ以前にもCPA Examination ServiceのWashington Coordinatorのある女性にメールで問い合わせて知らせてもらってたのですが。− 話は外れますが、ワシントンで受験される方は、試験にまつわる疑問、問い合わせ等は、全てこのCPAES - Washington Coordinator宛となります、Washington Board of Accountancyではなく)
会場はSeattle Center - Exhibition Hallという、シアトル市民の休日の憩いの場となっているような公園内の大きなホールでした。観光名所にもなっているSpace Needleというタワーのあるところでもあります。…ずいぶん楽しそうなところを試験場にもってくるもんだなあ、なんて思っているうちに、5月1日(土)の渡航日はあっという間にやって来てしまいました。
実際には試験日は5月5日(水)6日(木)でしたが、時差ボケのひどすぎる私は、念をもって現地で4日間の時間がもてるよう出発日を決めました。(これも人によりけりで、一般には現地で2日ほどの時間をもつくらいが相場なようです) 結果的には1日シアトルINで大正解でしたが、、、(後述)

そしてシアトルへ出発〜

Seattle Tacoma空港にはノースウェスト便の関空発直行便で朝9時頃の到着だったかな(?)。
機内には念のためAuditのAttestation Reportに関するところのWileyをやぶったものを入れておいたのですが、隣座席に座っていたのが話し好きの日本人の女の子だったため、全く見ることはありませんでした(笑)。
荷物をどこの空港でもやるようにベルトコンベアからピックアップし、さあ市内に出かけるか、と早歩きで行こうとしたところ、いきなり職員のオジサンから「おい、おまえ」ってな感じで呼び止められてしまいました。どうやら、到着したSouth Satelliteではなく、そこから空港内Subwayで2駅いった???(名前忘れた) Satelliteで荷物を最終的に受取ることになってるようで、「もう一度ここで荷物をベルトコンベアにのせなさい。Subwayの2駅先で受取られるから」とのこと。ああめんどくさい…。
初日のこの時は、何も考えずに目の前にあったGrey Lineの空港バス(市内高級ホテルにそれぞれ着く)に乗って、確か7ドル前後払いましたが、路線バスでも市内Bus Tunnel各駅まで結んでいます。もちろんこっちの方がお得。Bus Tunnelの各駅を出るとにぎやかなダウンタウンど真ん中なので、West Coast Vanceとかあの辺りのお宿を取っていく方には、悪くはないんじゃないかと思います。いずれにしたって、受験ツアーのように自分の泊まるホテル(ただし、あなたがバジェットクラスのホテルに泊まると仮定して)の真ん前まで連れていってくれるわけではないんだし…。

シアトルのお宿

今回、私が日本から6連泊予約していったのはダウンタウンのど真ん中(多分West Lake Centerあたりと私は思っている)まで徒歩5〜7分、Seattle Centerまでも徒歩20分ほどの2106 5th Ave.にある"Kings Inn"というモーテルで、一泊が55ドル+州税のシングルルームでした。6連泊だと10%ほどおまけしてくれて、49ドル+州税となりました。(朝食のサービスは一切やってません。またキッチン等の設備もありません。ただレセプションの横に小さなコーヒーメーカーとティーバッグがおいてあり、ここで紅茶やコーヒーを入れていくのはタダでした。)
ここは外観的にはあまりパッとしませんが、中は奇麗にリノベーションされており、ベッドはクィーンサイズで広々としていて、TVはもちろん、一部の部屋には丸いテーブル(書き物ができる)もありましたんで、勉強にも助かりました。
付近にはDays InnとかTravelodgeとかありますが、Kings Innより20ドルは高かったし、確か「うちはシングルはない」ってFAXで返事かえされちゃったんで、あの辺では安く&快適に宿泊したい方にはKings Innはなかなかベストじゃないかと思います。

シアトルの印象

シアトルの街は北米にしてはけっこう洒落た雰囲気(とは行っても私は北米というとNYとLAとトロントくらいしかあんまり知らないのですが)。NordstromとかCity Centreとかのデパートのある5th×Pike St.の交差するあたりはちょっと日本風の洒落たショッピング街って感じです。
あと絶対忘れてはならないのは、コーヒーのおいしさ!日本でもすっかりお馴染みになりつつあるStarbucksを始め、Seattle's Best Coffeeやその他もろもろセルフサービス形式コーヒー店は街のあらゆるところにあって、ちょっと歩きつかれたときに休憩したいな、なんて時に最適ですので、絶対一度は寄って下さい。

試験本番までの毎日

CPA試験本番までの4日間は大体「シアトル市内ぶらぶら3、4時間」+「図書館(4th Ave.×Madison St)の2階で勉強3、4時間」+「Seattle's Best CoffeeでHot Latteを飲んでぼーっとする。(日に1、2回)」の繰り返しでした。と、言っても最初の2日くらいまでは時差ボケでアタマぼーでしたので図書館でWiley開いて眼を開いて眠っている?のほうが近かったかもしれません。
幸いというか宿のKings Inn近くにBartellsというドラッグストアがありましたので、ここでアメリカ名物?メラトニン(時差ボケを直すと評判の高いらしい)を10ドルばかりふんばつして購入しました。効き目のほうは、夜11時にすぅーっと眠りに入ったかと思えば明け方4時に眼が覚めて?みたいな感じでしたが(察するにメラトニンの持続時間は5時間か?)、とりあえず催眠効果はあるようです。時差ボケの激しい方は、一度は試されてみては…?
図書館は東西に長いシアトルダウンタウンのどちらかというと東よりにあります。2階が確かBusiness関連書籍のコーナーだったのでいつもそこの定位置に場所を定めて勉強していました。
ここには検索用の古いコンピュータがたくさんおかれてますが、CPA関連書物は驚くほどあんまり出てきません。CPA試験ってあんまりポピュラーじゃないのかしら、、、なんて思ったりしましたが。
試験が近いから、きっとCPA Candidateの一人や二人にはお目にかかるハズなんて思ってましたが、不思議にも誰一人WileyやBeckerを小脇にかかえた、それとわかる人には出会いませんでした。
ちなみにインターネット接続可能なPCも2階に1台だけ置いてありましたが、いつも誰かに使用されていることが多かったです。

5月初旬のシアトルの天候

あっと、ここでシアトル5月初旬の天候について。想像以上の寒さでした;; 10度〜12度といった程度でしょうか。ビニール製の裏地のついたヤッケみたいなのを市民の皆さんはよく着てました。ロングコートの人もちょくちょくいましたっけ。とにかく日本の3月初めくらいを想像して備えていってください。試験会場でさえ、空調は十分に効いてません!それから図書館も。長時間座ってると、すき間風の侵入を感じてしまい、ぶるぶるきて集中できませんでした。しかし、アメリカ人(シアトル人?)の暑がりというか「寒さ平気」体質はあなどれないです。脂肪分が私たち日本人より(平均的に)多いせいなのかしら…。

シアトルでのごはん

私は今回は、4日の日から受験仲間の友人に合流することができたものの基本的に一匹狼?の受験者だったので、食事場所は悲しいことですが、いつもセルフの同じところに決まってました。
West Lake Center 5階のフードコートで、インド、中華、日本、タイ等ひととおりのエスニック系はそろってます。味もそこそこで、値段もレストランよりはずっとお得です。さすがに3日も通うと、味にも慣れて来て、またあ〜とうんざりきますが。

5月5日−試験第1日目

5日(水)ようやく試験本番です。Kings InnからSeattle Center - Exhibition Hallまでdoor to doorで歩いて25分ほどでしたか。
試験会場の前では、白人系アメリカ人、東洋系(日本人&中国人)が懸命に教材をみながら、最後の悪あがきをやっていました。会場のドアが開くと、小さな部屋の中に"筆記用具と受験票と身分証明と少量のスナック&ドリンク以外"の全ての荷物をそこに置くよう指示されます。(ただし鍵がかかる部屋ではないので、サイフは当然ポケットに入れて会場内へ)
試験会場は、多分300名?くらいの収容力をもったところでした。横に長いテーブル(=二人用)がずら〜っと並んでおり、お互いの受験生同士のcheating防止のためか、簡易パーテーションとして白い紙が立ててありました。全体を見渡すと、やっぱり割合としては白人系が5割、後が東洋系(日本人と中国系?がほぼ半々)くらいでした。予想してたより東洋人が多かったので驚きました。この分だとグアムやアラスカは95%黒山(日本人)の人だかりなのかしら。
各列ごとに一人のプロクターがいて、身分証明書の照合作業が始まります。その後プロクター代表?のオバサンによる、非常にゆっくりしたききとりやすい英語での受験説明が。

第一弾のLPRは、さすがに「はじめてのCPA試験本番」ということもあり、かなり緊張も入っていたのか、「うわ、けっこう難かし」と最初は感じましたが、後で思い返せば、全体としての難易度はまだ簡単な方でした。 やはり最初の緊張感はけっこう大きいみたいで、特に他の受験生が、2時間ほどで、早々と終わらせて退出していくのを見ると、異様にアセッてきます;; でも殆どはぎりぎりまで解いていく人が多いので、あまり振り回されないように確実に解いていきましょー。
実はオバサンの説明をあまり真面目に聞いてなかった私は、「確か試験終了の1時間前をきったら、もう終了時間まで外に出てはいけないんだよね?」とか思ってたのですが、みんな終わった人が次々席を立っていくので、修了20分くらい前に、説明で聞いてたとおりの順序で(これもあんまり真面目に聞いてなかった私は最初非常にあせった)、試験問題・解答用紙を透明のビニール袋に入れて封をし、出て行くことにしました。あそこらへんのルールは本当のところはどうなっているのだろう…。

(Seattle Centerでの昼食)

Seattle Center? Exhibition Hallの場合、実はわざわざスナックを透明袋に入れて持ち込まなくとも、会場からあるいて5分ほどのところにCenter Houseというモールがありまして、そこに大きなフードコートがあります。ここでピザの一切れなり、中華なりなんか食べておけば午後の4時間も十分お腹はもちます。受験票上では、「午後からの試験の30分前にannouncementが始まる」みたいなこと書いてますが、実際のところ殆どの人は10−15分くらい前にやっとこさ戻ってきてました。真面目に30分前に戻って来る人はあんまりいなかったです。だから食事はそれなりに余裕をもってとれると思います。(他の受験地は知りませんが、シアトルの場合)
戻ってくると、再び同じプロクターによる身分証明書と本人との照合作業が。これは各試験ごとにその都度行われます。
第ニ弾Auditはタフだった…。とりあえず、Essayで書けることはどんどん書く。そうとは尋ねられていないことでも「これだとおまけ点くれるかな」と思えるようなことなら書いちゃう。 例えば、「ディスクロージャー不十分な場合のQualified Opinionのオーディットリポートを書きなさい」と尋ねられてるのに、記憶していってるStandard Reportをずらずら〜っと書いて、若干Qualified風にアレンジしたり、、、とか。(←実際にこういう問題が出た、っていうのではありません。念のため)

シアトルの名物料理

その日の夜は、シアトルにきて始めてマトモなレストランで食事。Pike Place Marketという、Waterfront地区のマーケットがありまして、ここは昼間にきても庶民の熱気で賑わっていて楽しいところなのですが、ここにあったシーフードレストランにて受験仲間の友人とDungness Crabを食べました。一人前で大きなカニ(日本でいう毛ガニっぽい、足の短いめのカニです)が2匹もついてまして堪能しました。味ははっきりいって日本のズワイガニの方がいいと思いましたが、これもまたシアトルならではの名物なので食べることができて満足♪

5月6日−試験第2日目

2日目にもなるとちょっと慣れたものになります。試験会場までの道のりやその他注意事項などが。食事場所がそばにあって余裕で食べられることを知ったこの日の私は、昨日は用意しておいたミネラルウォーター、スナック等はホテルに置いてきました。
この日の試験はARE、FAREと計算問題です。ここで初めてCPA試験名物?のCalculatorの実物にお目にかかりました。今年のは「うす緑色」で、UNIFORM CPA EXAMINATIONのロゴ(?)入り。結構好きな色なので記念にもって帰りたいなあ、なんて思ってましたが、これはFARE終了後きっちり回収されてしまいます;; (ちなみにこのCPA計算機と同型のものは日本の電気屋さんではほんの500円以下くらいで売られている、とかききましたが)
プロクターというのはマメな人たちで、昼休み計算機を、机の上にほうったらかしにして昼食に行っても、昼休み後戻ってくると、ちゃ〜んと箱に入れて、机の右上にきちんと戻してあるじゃありませんか。あれも不正防止のための何かなのかなあ、なんの意味があるのだろう…。
AREは私個人的にはタフと感じました。AREに限らず、実際のCPA試験というのはWileyとは全く違う問題が大半なのだということを実際に受験してみて初めて悟りました。そういう意味でやはりunderlying conceptからの理解が必要なのですね…。
唯一「あ、解けるじゃない」と感じられたのがFAREでした。もっとも同じく受験した友人に言わせてみれば、「あれが一番カンタン??ここ近年と比較しても難しかったよ」だったので、簡単だったかそうでないかは、かなりその人の主観的意見みたいです。

ようやく終了。「終わったあ!」という実感は、何故だかあんまり感じられず(「うかったあ」という手応えのなさのせい?)、「ああ、とりあえずしばらく数日は勉強から解放されるのね」というまだまだ重荷を背負った気分で、Exhibition Hallを後にし、また昨日のようにSettle Center内から出ているモノレールに乗って、West Lake Centerまで戻りました。(モノレールはこのWest Lake Center4階からSeattle Center内のSpace Needle近くまでを走っています。) そしてお気に入りのSeattle's Best Coffeeに行ってLatteを飲んで、ホッと一息つく…。

シアトル最後の夜の晩餐

は中華でした。シアトルの街にはBus Tunnelというのがありまして、その名のとおり、バスが地下鉄のようにダウンタウンの主要な地点をトンネルの中に走っています。そのBus TunnelのInternational Districtというダウンタウンのかなり東方面にある駅を出ると、日本料理、中華、タイなどアジア系料理屋さんのひしめく街となっています。(逆に他の地区だとあんまりアジア系レストランは見当たりません) ただしこの辺りは治安的にもあんまり良くないとの話なので、一人で夜でかけるのは避けた方がいいかも。

最後に

とまあ、私の「受験体験記」は、「これからシアトルで受験される皆さんの参考情報になれば」のつもりで書きましたので、ちょっと「受験」の体験記というよりは、「シアトル街案内」じみていたかもしれません。 「受験」そのものにどう取り組んだか、については他の体験豊富な方々の体験記を見られた方が参考になるかと思います、何しろ私、今回のはじめての試験で「2教科は間違いなく落とした!」人間ですので…。(99年6月下旬の今現在はまだ結果は不明です)

(結果、FAREとAREのcreditを取得されました。おめでとうございます)

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