コンサート&イベント参戦記やハロプロネタ関連の日記

03/2/16夜 松浦亜弥ミュージカル「草原の人」 ル・テアトル銀座

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 去年の10月、タイトルも内容も未定なミュージカルのFC先行予約が開始された。決まっていたのはあややが主役を演じるということだけだった。それから4ヶ月が経った今日、あやや演じる井上愛子が現代に送る青春の詞を見届けてきた。(中略)




柴ちゃんの名演も光ってます  どうしてもあややの歌と演技ばかりに目が行ってしまう中で、思わずハッとさせられるものがあった。それはラストシーン、時雄が想いを託した一編の詞、「草原の人」を歌う愛子の後ろでやり場のない怒りと悲しみに震えるのぼるの姿だった。スポットは当たっているわけでも台詞があるわけでももない。でもこの物語の中で最も重要なパートの一つと言えるあのシーンを柴ちゃんは見事に演じていた。
 このミュージカルの一番のお目当てはもちろんあややだけれども、物語全体を通して柴ちゃんの名演も深く大きく印象に残る。「アルバイト柴田」の頃とは別人のような成長振りを存分に見せてくれたのでした。
(実は見に行く直前までメロンが出てるって知らなかった…)

それからちょっと早いけど『柴ちゃん満19歳おめでとう!』
井上愛子いっきま〜す!(ウソ)  自分が行った16日夜の客席はとてもマナーが良くて、物語の良さと相まって公演が終わったあとも心地よい余韻が残りました。第1部の中でハロメンバーが出てきても誰一人名前を呼ぶ人はいなかったし、奇声を上げる人もなく要所要所では歓声ではなく暖かい大きな拍手が送られました。もちろんノリが悪いのではなく第2部のミニライブではみんないつも通り爆発してました。最近のハロコンでは合唱に掛け声を入れたり、曲調に関係なくPPPHを入れたりという流れが大きくなっている中で、とても貴重な1時間半を過ごせたと思います。

 あのミュージカルを見てあの時代、自分の親が見てきた時代を知りたいという気持ちが強くなりました。もちろん美空ひばりさんのことも。
その手がかりとして読み始めたのが、堀ノ内雅一 著「草原の人」です。まだ読み始めたばかりですが、美空ひばりさんの波乱の人生を中心に、昭和50年に「草原の人」が誕生した背景や27年の時を経てこの歌が松浦亜弥に託されるまでのエピソードがノンフィクションで綴られています。
 ひばりさんはどんな思いを「草原の人」に込めたのか。この詞には「君」と「ぼく」が登場しますがひばりさんを知ることによって単に”遠く離れた恋人”とは全く違う像が見えてくるでしょう。また、台詞の部分を含め一字一句が忠実に歌われていて「草原の人」が”詩”ではなく最初から歌われることを前提とした”詞”であることも初めて知りました。「草原の人」をより深く味わいたい方は必読の一冊だと思います。

−−−以下本文より抜粋−−−

  そのアイデアは、さっき、夏の空を流れていく白い雲を見つけたとき浮かんだものだった。
 「お願い。いまから言う詞を書きとめてちょうだい」
  範子はうなづきながら壁際の小テーブルに腰かけると、そこに置かれていた
 ホテルの便箋を手に取った。やがて、その人は歌うような声で語り始めた──。

    白く流れる 雲に叫ぼう…


 「草原の人」  堀ノ内雅一 著  1800円 2003.1.25発売
 情報センター出版局 ISBN:4-7958-3952-2
 
http://www.4jc.co.jp/