安倍なつみ 座長公演
東映アニメーション50周年記念 ミュージカル『白蛇伝』《White Lovers》
 ル・テアトル銀座 2005/11/15,26(千秋楽)

『白蛇伝』初日前会見より

■11/15(水)

銀鱗の戦士 白素貞 この日は自身第1回目の観劇で、右端ながら実4列の好位置です。冒頭で羅美亜(ラミア)のマイクが全く機能せず、さすがに後方の席には聞こえなかったでしょうけど自分には生の肉声が届いてきたので得した気分です。
 シーンはすぐに白蛇族と妖魔との闘いとなりいよいよ銀鱗の戦士、白素貞(ハクソテイ)が颯爽と登場。『参ります!』と短く告げると二刀流で応戦。歌と演技と二刀流の殺陣を同時にこなす凛々しい姿にすでに涙腺緩みまくりでステージがよく見えません…。

 途中はすっとばしてカーテンコールの模様ですw。
 キャストが順番に挨拶に立ち皆がそろった中へ最後に座長のなっちが出てきます。両手を大きく振りながら袖からステージの中央へ歩き、出演者一同の真ん中に立つとその顔には満面の笑みが溢れています。それは先ほどまでの白素貞を微塵も感じさせない上から下までなっちに戻った姿でした。
 2回目の幕が下り、自分は心の中ではスタンディングオベーションを送っていたのですが、間髪入れずに客電が点き同時に客席の拍手も終了。残念ながら場内はWカーテンコールの雰囲気はまったく無く退場をせかすアナウンスに煽られておとなしく引き上げるしかありませんでした。

 その3日後、ASA板で法界を演じる桝川譲治さんのブログに
こんな独り言があったとの報告がありました。

  『これほどW(カーテンコール)がないのは○○年ぶりです^^キャストはめいっぱいやってるのに・・^』

ASA板の報告は同時にWカーテンコールのお願いを訴える内容だったのでこんなレスを付けました。
後から見ればこんな心配は杞憂に過ぎなかったわけですが、この日の公演直後は本気で心配しました。

美少女と悪役、ではなく修行者w  > 次回も力の限りがんばります
  >
  > 私が行った15日夜は平日ということもあって1階後方はガラガラで、
  > なっちを初め他の出演者の皆さんにあまり見せたくないような状況
  > でした。
  > カーテンコールでの拍手もそれなりの大きさになってしまい、キャストが
  > 袖から中央に歩いてくる間は拍手が止んでしまいました。
  > 自分は張切って通常の3倍の勢いで拍手を送っていましたが、途中で
  > 腕が動かなくなる体たらくでキャストの皆さんに申し訳なかったです。
  > 休日となれば満員のお客さんに満場の拍手が沸き起こるのは間違い
  > ないと思うので、ぜひWカーテンコールまでは行って欲しいですね。
  >
  > Wカーテンコールももちろんですが、ぜひもう一つ実現して欲しいのが
  > スタンディングオベーションです。
  > 娘。を初めハロ系のミュージカルでは不思議と今までに見たことが
  > ありません。
  > なっちコンやあややコンのアコースティックセッションで拍手が鳴り止ま
  > ない感動的なシーンが何度かありました。
  > 公演中盤なのでここで座ったままなのは解りますが、ミュージカルの
  > カーテンコールですから「良い公演だった」と思ったらぜひ立ち上がって
  > 拍手を送って欲しいと思います。
  > みんな本当は立ち上がりたいけど「ここで立っていいのか?」と思って
  > るか、立ち上がるタイミングが(自分を含めて)掴めないでいるのかも。
  >
  > 26日の最終公演ではぜひ両方とも実現して欲しいです。
  > その最終公演は自分も観に行きます。
  > 宝塚OGファンの方も大勢観に来ているので、自分やその方たちが
  > 立ち上がって迷ってる人たちも釣られて皆が立ち上がればいいなあ
  > なんて思ってます。

■11/26(日)昼/夜(千秋楽)

 先日の実4列に続き、楽日の公演を昼サイド実2列、さらに同夜の最終公演をセンター最前というとんでもない席で観ることができた自分は本当に幸せ者です。肉声が聞こえ、役者さんが前に出ればまつげが数えられるほど近く、殺陣のシーンでは目の前を剣の切っ先が舞う。たった11人にしか来ないこの幸運を引き当てられたことを神様に感謝せずにはいられません。
 これまでにクロシェットのCDSやカオリンのX'masDSでなっちを短時間ですがかなり近くで見ることはありましたが、1日の中でこんなに長い時間なっちを間近で見ることができる日が来るなんて思ってもいませんでした。もちろん白素貞の登場しないシーンや休憩時間、昼夜公演の合間はなっちは視界の中にいませんが、なんだか一日中なっちと一緒に過ごせたような気分にさせてもらいました。

 コンではしっとりした曲の時以外は掛け声入れたりペンライトを振るのに忙しいので、細かいところを見逃すことが多かったのですが、今回はミュージカルだったことが大きなポイントです。遠目では絶対分からない白素貞と白娘(パイニャン)の表情の微妙な変化や足の運び、出演者の衣装の細かい装飾など数え切れないほどの発見があり、「白蛇伝」の世界により深く引き込まれたような気がします。(見えてはいけないものもチラホラと見てしまいましたがw)
 他の客は誰一人視界に入らないし、後ろから聞こえる拍手や笑い声も効果音だと思えばだんだんこの公演が自分だけのために行われているような大勘違いになるのも必至です。自分と出演者を隔てるものは何も無く、向こうからはこちらの足から頭まで丸見えなので半ば固まった状態での観劇になりました。

 これだけの至近距離でも白素貞や鑼美亜の生声はスピーカーの音に消されて聞き取れませんが、許仙(シュウセン)や雄佐(オサ)の男性陣は生の声がはっきりと聞こえてきます。それとM9「那妓(ナギ)の宣託」ではアンサンブルの「♪護れ!護れ!!」が女性の声も含め直にビリビリ伝わってきます。白素貞以外の歌ではこの歌が一番聞き応えがありました。メインで歌う那妓以外の声はミキサーで絞っていると思われますが、そのおかげでスピーカの音に消されること無く生声が伝わってきたんでしょう。プロの役者さんが揃うとこんなにも迫力が倍増するのか!こう何と言うか魂を揺さぶられると言うかとにかく圧倒されました。(マケNの語彙ではこれ以上表現できないのが残念です…)

桔梗&青魚 桔梗(キキョウ)を演じる相沢真紀さんですが、那妓が息を引き取るシーンでは大粒の涙をこぼす迫真の演技を見せてくれました。それも昼夜公演ともにです。相沢さんのことは今公演ではじめて知りましたが、本業はタレントでミュージカルの出演は2度目だなんて信じられません。今後の活躍も注目したいと思います。(後日12/25のブログで、すぐ泣けるのが特技だと語っていました)
 デビューはTEAM AGURIのレースクイーンだそうなので、ひょっとしたらどこかのレース中継で見たことがあったかも。

 そして青魚(シャオチン)を演じるハロプロエッグの福田花音ちゃん♪。公式ブログの写真を見る限りは別にどうって思わないんですが…、青魚に変身するとめちゃカワイイ!もし現地で写真を売っていたら全部買ってましたw。もちろんカワイイだけではありません。ちゃんとスポットが当たっていないときでも表情を作って演技をしているし、アクションもしっかりこなして蹴り足は頭の高さまで上がってます。
 それにしても今6年生なんですね。正直3,4年生くらいかと思ってました。パンフでは丸々1ページ使って紹介されてるので桔梗や瑪瑙(メノウ)よりも格上の扱いです。そんな彼女は千秋楽終了後、なっちについて
自身のブログでこう語っています。

 『人として尊敬できる安倍さんが大好きデス。安倍さんが話してくれた事、安倍さんと過ごした事の全てが花音のタカラモノです★』

 なっちと同じ時間を過ごした誰もが感じているように、なっちの言葉一つ一つがこの小さな演技者にも大きな影響を与えたに違いありません。マケNはハロの年少メンバーはあえて顔も名前も覚えないようにしていますが、もうこの子のことを忘れることはできないでしょう。数年の後、大きな舞台の主役として堂々と名前が上がる日が来ることを楽しみにしています。

 最終公演ではようやくヘビのおもちゃ、ではなく傷ついた白素貞のお顔を拝見することができました。口を大きく開き牙を向く凶暴な顔でしたが、許仙は慈愛の心で優しく手当てをしてあげるのでした。

 名物になった憂波(ウパ)と許仙のアドリブ掛け合いですが、元々は憂波が許仙に法界様が下山したことを伝えるだけの何でもないシーンでした。実はこの間に裏では白娘から白素貞への着替えが行われていて、台本のままでは次のシーンに間に合わないことが公開直前の通し稽古で判明します。この間を埋めるために一晩考えた末あのような形になり、着替え終わったなっちを初め周りのキャストさん達も舞台袖や楽屋のモニターでかぶりつきで楽しみにしていたそうです。
 そして千秋楽という免罪符があれば当然のように大暴走。サランラップにヨーヨー、ものまね、駄洒落と小道具を駆使して通常の3倍のボリュームで客席は大喝采。そして暴走がようやく終わると真顔の許仙が『あの姿、幻覚のわけがない!』と捌けていきますがそのギャップに客席はさらに爆笑です。入れ替わりに登場した森の動物たちと青魚も笑いをこらえるのに必死で、しばらくの間セリフになりませんでしたw。

 そしてそして!上のほうで書きましたが、やりましたよ最終公演でのスタンディングオベーション!1回目のカーテンコールでなっちが瞳を潤ませながら登場し、涙をこらえながら共演者やスタッフを労いファンへの感謝の言葉が送られます(昼はここで雄佐役の市川右近さんのサプライズバースデーセレモニーがあり、客席を交えた全員でHappy Birthday to Youの大合唱でした)。
 再び幕が下りた後も拍手は全く弱まることはありません。先日のようにすぐに客電が点くこともなく拍手はさらに大きくなっていきます。そして2回目のカーテンコールの幕が上がった時、待ちに待ったその瞬間はやってきました。ほぼ同時に全員が立ち上がり場内を満たす大きな大きな拍手とともに送られたスタンディングオベーション!そしてその時目に飛び込んだのは目の前で号泣している青魚!隣にいた役者さんに頭をよしよしと撫でられながら必死に両手を振っています。『ありがとう!』とかけた言葉は拍手と歓声にかき消されましたが青魚、いや花音!本当によく頑張った!

 さらに最後のサプライズで本公演の楽曲を提供してくれた広瀬香美さんが登場。右近さんから花束を受け取りなっち座長と熱い抱擁を交わします。足を絡めてじゃれ合う二人に和やかな笑いとともに大きな拍手が送られました。


『白蛇伝』 本編でのなっちの様子が全然書けていませんが、あの感動と興奮はとても文章では書ききれません。この公演を見に行った方も見ることができなかった方もぜひDVDを買って観ていただきたいと思います。

 これでマケNの年内のなっちイベントは全て終了です。後で気が付きましたが去年の同じ11月26日はファンの集いでなっちと2回目の握手をした日でした。来年はどんななっちと会えるのか?これからもなっちと楽しいひと時が何度も過ごせますように。

 今日もなっちに会えること、今日もなっちの歌を聴けることにもう一度『ありがとう』。



  ★ミュージカル『白蛇伝』公式サイトは
こちら
  ◆青魚役の福田花音ちゃんの公式ブログ 『かのんのいちごのツブログ』は
こちら
  ◆桔梗役の相沢真紀さんの公式ブログは
こちら
  ◆法界役の桝川譲治さんのブログ 『JOPPY@つれづれ日記』は
こちら
  ◆憂波役の幸村吉也さんの公式HPは
こちら

【余談】
青魚が白素貞と一緒に『♪でもあたしら、スネークスキ〜ン』と歌ってるので、思わず『君はお魚では?』
って突っ込みたくなったけど、なんとスネークスキンという熱帯魚がいるそうです…。へぇ〜、へぇ〜。

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