パナソニックファニー PF-1300(1987年購入)

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まずは外観の紹介。これに関しては多分、もう乗らないとは思うのですが、
捨てられない性分ゆえ、未だ所有してます。
部品も殆んど変えてないのですが、まあ、なんとも中途半端なモデルでした。
過渡期の異端児、ってとこでしょうか....。
当時、丸石のエンペラーでもファニー出てました。それは前が24で、
後ろが700Cのホンモノのファニーな外観でした。で、それを見かけて、これは目立つ!って
ファニーを意気込んで買ったら、なんか、只のミニヴェロみたいな印象に正直、がっかりした
憶えがあります。高校生にもなって、24inの自転車じゃ、確かに可愛いですもんね。
ブルフォンバーも、そんなにスゲーもんじゃなく、実質ポジションが固定されちゃうんで、
通学に使うのが関の山。ツーリングには絶対乗っていきたくありませんでした。
最高速も大して出ず、唯一優れていた慣性マスの小ささ故のダッシュの鋭さも、レース
出たわけじゃないので、あまり有り難味がありませんでした。

当時、学校には弁当を持参していたのですが、そのカバンはディパックでした。
でも、この自転車で持って行くと、中身がみんなどっちらけだったり、汁が教科書に
染みていたりと、困ったことが多かったです。
前傾しか取れなく、背中の荷物もほぼ水平になってしまうからだったのは言うまでも
ありませんでしたね。

つか、なんで買ったんだ?未だに動機が謎です....。

後年、セミオーダーが出た時にもこのモデルはありました。確か、POSって、
(panasonic order system)ってことでしたな。
色が選べるのが最大の売りだったような。車種によっては、部品が適当に選べたりと、
メリットもあったようです。今はどうなっているんだろ。
時々、自転車やさんの店頭で、そのサイズを当たるための模擬台が、雨に打たれて
悲しそうに錆びてるのを見るにつけ、その頃が遥か遠くにいってしまったことを
感じさせずにはいられません。
そう、こいつも立派な昭和生まれの自転車ですから....。

それにしても、当時のハイテクっぽい表現の塗装、今見るとチャチイです。可愛いさすら
感じます。まだ、アルミが半信半疑、チタンも出ていて、カーボンフレームは全くの未知数。
そんな頃のバリバリのクロモリフレームのエアロな自転車をとくとご覧下さい。
              
リアメカはスプリント9000。形は上位機種のシュパーブとかわりません。
下位機種のサイクロンやαとも変わりませんでしたが....。
この頃のガンメタ塗装、って今見ると野暮ったいです。過去の未来系、ってとこですね。
エアロ全盛の頃なんで致し方ないかな、と。
リアが13Tなんで、ディレラの先端が持ち上げて装着できます。
これが当時のレーシーな感じでした。
リアのシフトのアウターケーブルもサンツアー純正。
レーサーエンドがちょっと自慢でした。

フロントディレラは、エランと同じスプリント9000。
磨いてないから、曇っちゃってる。でも、磨きすぎるとレタリングが消えちゃう。
痛し痒し、って感じですね。
ちょっろと見えるチェンホイルもやっぱスプリント。アウターは当時最大だった53Tです。
小さいホイルを補うべく設定したのでしょうが、単純に計算すると、700Cを28吋と仮定して、
その比率は0.857。ってことは、45Tくらい。インナーは36Tくらいの換算。
これじゃあ、小さすぎ。クルマで云うと、ファイナルが6とか7くらいかなあ。
トラックみたいな感じですね。PCDは130でした。
フリーは七段で、チェンはナロウタイプ。ギア比は忘れました。
ここだけは妥協の産物とも言えるブレーキ。悔しくもシマノの軍門に成り下がった
シマノ600。アルテグラになってからのモデルかな。
引きの軽い、SLR、ってブレーキシステムを搭載。そのストッピングパワーは当時としては
正に目から鱗。ブランドや、趣味性より実益をとったのですね。
無論、純正のキャリパーもとっておいてあります。
ただ、そのシューは、レイダックにつけちゃったんじゃないかな。確か。
当時ちょっとだけ流行った、シュー共締めのリフレクターが泣けます。
シフトレバーもエランと同じ。アキュシステム搭載のレバー。特に感じるところなし。
当時の純正品です。
ここも磨いてないから、くすんでますね。
フォーククラウンはチネリ型のなで肩です。
フロントハブ。ここもスプリント。ばっちりコンポ組んであるんですね。確かシールドハブ
です。購入後一回もグリスアップした憶えなし。いい加減、玉がヤバイかも....。
形はあんまりよくないですね。今なら、ラージハブで組みたいですね...。
ヘッド小物。丹下のレビン、ってやつみたいです。
エランの輪行仕様と違って、玉押しの調整がよりシビアにできるようにロックナットが
ダブルになってます。でも、薄いスパナがないと難しいですね。
ここも、雲ってます。
ステム。全くエアロじゃないです。それもその筈、このステムは、昔のナショナル自転車が
作っていた、タムタムロードという自転車から外したものを使っているのです。
でも、刻印がかっこいいですね。
たぶん、日東テクノミックのOEMだとはおもうのですが....。
しかも、そのテクノミックも、チネリのコピーですね。たぶん。
ペダル。これもスプリント9000。でも、どーみても三ヶ島のカタログに同じような
のがあったような気がします。今となっては、カタログも処分してしまったので
その確証はないんですが....。
当時の標準的なレーシングタイプな形です。
ストラップエンドは本来、つけたらその先端は切断すべきなんですが、勿体なくて
切れません。エンドはなぜかハートマークのデローザです。
アラヤのエアロリム。断面が三角形なのが特徴。これのどの辺がエアロなのか、
今となっても理解しにくいような...。
リムがダークグレイなのは、当時バカ売れしたマビックのGP-4を彷彿とさせます。
マビックは、リムサイドがブレーキシューで擦れて、段々アルマイトが剥げてきちゃったり
したりもしましたが、このアラヤは特殊な処理でもしてあったのか、そういった
情けない風情は微塵も感じられません。
オープンサイドのチューブラーからはみ出る糸がなんとも物悲しいですね。
スポークは、どうせならきしめんスポークにすれば感じかな。
非純正のサドル。当時大ヒットしたセライタリアのターボ。使い込んだテイスト。
しばらくひっくり返して保管してたので、一部変形あり。
純正は国産の白いサドルでした。探せばどっかにあるはず。
フレームに貼られたロゴ。なんか、かっこ悪い。
その割に誇らしげに威張ってます。
誇らしげなクロモリ・ダブルパテッドの表示。こいつは前三角だけのクロモリ
だったような。違ったかな?わかんないや。
塗膜自体は厚くて、美しい仕上がりでした。


                                 
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