〒旅行貯金とは何か?〒

旅行貯金とは?
 貴方は「旅行貯金」という言葉をご存じでしょうか? 最近は某旅行会社が、旅行に行くためにお金を積み立てるプランをこう読んでいますが、勿論それとは別物です。
 ここでの旅行貯金とは「旅行のついでに旅先の郵便局に立ち寄り、通帳に局名の入ったゴム印を押してもらう」事を指します。 これにより通帳に記録が残り、これを旅の記念にするというものです。 最近は郵便局もこの旅行貯金を意識したゴム印など(俗に宝のゴム印等と言う)を作成し、個性溢れるゴム印が多くなってきています。

何故郵便局なのか?
 旅行貯金は一般的に郵便局を回ることを指しますが、貯金ができるのは別に郵便局だけではありません。銀行や農協なども訪問の対象となっても良さそうですが、それらを回ることを一般には「旅行貯金」とは呼びません。では何故旅行貯金とは「郵便局」を回ることのみに冠せられる言葉なのでしょうか。この理由として、私なりに次のものを挙げます。
1.郵便局は全国至る所にある
 旅先で立ち寄る対象として考えると、全国全ての市区町村に1局以上設置されている郵便局が一番出会う確率が高い存在です。日本の郵便局の設置密度は小学校のそれと同じで、平成10年3月末現在で24680局設置されています。また富士山5合目や層雲峡など、他の金融機関が無いような観光地にも設置されており、旅行のついでという趣向にマッチしていると言えます。
2.郵便貯金は全国統一規格である
 これはようするに全国どの郵便局に行っても、郵便局の通帳1冊あれば貯金ができると言うことです。このお陰で1冊通帳があれば、国内全ての旅行の思い出を同じ通帳に詰め込むことができます。また、各郵便局には全国唯一の番号が振られており、これを調べるという楽しみ方があります。(私もここからはまりました)
3.金融機関の中で郵便局が一番身近な存在である
 これは幼い頃から手紙や年賀状などの郵便局との関わりによって、郵便局に対する敷居が低くなっているということです。これには少し個人差があると思いますが、多くの方が郵便貯金の通帳を持っており、扱い慣れているというのも題意の理由と考えています。

以上が私の考える理由です。実際には他にも色々理由があると思いますが、旅行貯金といえば郵便局のようです。ただ、銀行などを回られている方も実際におられます。更に金融機関に限定せず、全国チェーンの店舗を回られている方もおられます。私の知る限りではミスタードーナツ、セブンイレブン、ココ壱番屋などです。これらに共通するのが、それぞれ各店に全国唯一の番号が振られている事です。

旅行貯金を始めよう
 旅行貯金を始めるには、まず郵便貯金の通帳を作る必要があります。そもそもこれが無いと始まりません。とりあえずどこでもいいので郵便局へ行きます。貯金の窓口が開いている時間でないといけないので、平日の9時〜16時までの間(中央郵便局などは18時まで)に行く必要があります。

 郵便局に行ったら窓口で通帳を作ってもらうのですが、できれば送金機能などの付加機能がいっさい無い通帳を作ることをお奨めします。これは、全国にごく僅かに残るオフライン貯金取り扱い局のためのものです。これらの局では送金機能などが付加されている通帳では、貯金を取り扱ってくれない場合が多いのです。ただ、この数局のためだけに便利な機能をはずすのはちょっと、という方は別に構いません。これらの付加機能は後から解除することも可能ですので、オフライン局を訪問する前に解除するという手もあります。

 無事通帳を作ったら、通帳を見てください。1ページ目の1行目に日付と取り扱い局番号、預け入れ金額と残高が記入されていると思います。預入をした場合、お支払金額の欄は空欄となりますので、ここに郵便局の名前の入った「ゴム印」を押してもらうのです。また、通帳の上下には長方形の枠が10個ずつ並んでします。ここに「主務者印」と呼ばれる朱肉で押される判子を押してもらいます。この2つの判子を通帳に押してもらうことが、郵便局でする事です。最近は郵便局の方も「旅行貯金」という趣味をよくご存じで、「旅行貯金用の通帳にしたいので」と言えば、「あ、そうですか」とゴム印と主務者印を押してくれる郵便局もあります。

 無事通帳を作り、ゴム印と主務者印を押してもらえばもうこっちのものです。次の局からは何も言わなくても預け入れをすれば判子を押してくれます。ただ、たまに主務者印を押し忘れる郵便局もあるので、念のためチェックしましょう。私は最初の頃はチェックしていなかったので、後で気付いたりして涙を飲みました。

通帳
通帳はこんな感じになります


郵便局あれこれ
 さて、無事旅行貯金用の通帳を作ったわけですが、旅行貯金で気になるのは郵便局の貯金取り扱い時間です。これはその郵便局の種類に依存している事が多いため、まず郵便局の分類について取り上げます。私も始めた当初はまったく知らなかったのですが、郵便局は大体次のように分類されます。

普通郵便局、特定郵便局
 普通郵便局と特定郵便局はほぼ全ての局で貯金を扱っており、営業日も土日祝日以外と、正月3ヶ日や12月31日以外の平日は間違いなく開いています(極々一部に例外もありますが)。営業時間は9時〜16時が普通で、さらに各都道府県の中央郵便局や、東京、大阪などにある大規模郵便局は18時まで扱っています。全国の郵便局のうち8割方はこの種の郵便局で、平日に行けば間違いなく開いているので安心して訪問できます。ただし、デパートの中にある郵便局(福山そごう内郵便局など)はデパートが休みの場合は休業するので注意が必要です。また、極々一部の普通郵便局では貯金ができない局もあります。ただ確率的にはほぼ0に近い(全国で22局)のであまり心配する必要はありません。

簡易郵便局
 この種の郵便局は、民間の方が郵便局の業務を委託されて行っているものです。営業日はやや不規則な所があり、お盆はお休みする局が多いのが特徴です。また受託者(簡易郵便局の局員さん)の方の都合によって臨時休業することもあったり、地域の秋祭りなどで特別に休む日が設定されていることもあります。そのため行ってみたら休みだった、という事がたまに起きます。
 また、営業時間もまちまちな所があります。簡易局に関する法律によると、簡易局の営業時間は週25時間を下回らなければ良いので、9時〜14時までという簡易局もあります。逆に8時35分から16時30分までという働き者の簡易局もあり、実にフレックスです。ただ、過半数の簡易局では9時〜16時の営業です。また私の経験から、割と町中の簡易局は9時〜16時営業の所が多く、田舎の集落などの過疎地の簡易局は14時など、早じまいの傾向があるようです。
 最後に一番重要なことを書きますが、簡易局の中には貯金ができない所があります。確率的に言うと全国の簡易局の1割強が貯金不可局です。これは、簡易局の受託先が農協や漁協で、それらは既に農協貯金などを取り扱っているため郵便貯金は取り扱わない、という事情なのが殆どです。ただし、受託先が農協や漁協だからといって必ず貯金不可という訳でもなく、中には取り扱っている簡易局もあります。その場合でも貯金は15時までという所が多く見られるので注意です。

分室
 その名の通り、普通郵便局や特定郵便局の分室です。見かけ上は特定郵便局などと見分けは付きませんが、営業時間や営業日が若干異なります。多くの分室で昼休みが設定されている事が多く、要注意です。また分室は県庁や貯金事務センターの中に設置されている事が多く、年末は27日頃までの営業という所が多いです。更に分室にも貯金ができない所があります。
 分室のみにある興味深い点は、主務者印の「欠け」です。分室で貯金すると一般にその親局の為替局番(通帳の取扱局欄に記載される番号)と同じ番号が印字され、ゴム印以外は親局と見分けが付かないように思えます。が、主務者印をよく見てみると、主務者印の枠のどこかが欠けているはずです。この欠けには法則性があり、欠ける場所によってAからFまでのアルファベットに対応しています。全ての分室と一部の出張所には「親局の為替局番+独自のアルファベット」が振られているのです。このアルファベットは旅行貯金で普通使う「通常貯金」の通帳では印字されませんが、定額貯金などの通帳には印字されます。そのため、分室などでは定額貯金をする事をお奨めします。私はこの記号の存在をだいぶ後になって知ったため、それまでは定額貯金をしていませんでした。今思うともったいない・・・

ポスタルショップ日本橋
ポスタルショップ日本橋で定額貯金した時の通帳。
記号「F」と主務者印の右下の欠けに注目。
出張所
 これは町中にあるATMなどがその大半で、無人なのが普通です。ただ、全国に数局のみ有人の出張所が存在し、そこで旅行貯金をすることができます。扱いは分室と全く同じと思われ、主務者印の欠けもあります。ただし、有人出張所でも貯金ができない所があります。また、無人出張所には基本的にアルファベットは付加されませんが、ごく希にアルファベットが付加されている無人出張所も存在します。

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