F1テクノロジー 第4回 「ウィング編(2)」
99年11月14日更新

ウィングによるダウンフォース(2) ウィングの角度

 ウィングによるダウンフォース発生方法は、もう一つあります。
 『ウィングの角度』です。

分かり易い例が、
●ドイツ(ホッケンハイム)のような超高速サーキットでは、リアウィングに書かれているスポンサーの文字が見えないくらいに、ウィングを寝かせています。

●逆にモナコ(モンテカルロ)のような超低速サーキットでは、リアウィングを最大限に立てています。

 ウィングで受けた正面からの風、つまり「正面からの力」を、ウィングを利用して、「下方向」に方向変更しているのです。
 下方向の力、つまり「ダウンフォース発生」です。

 ウィングの立てるほど、ダウンフォースは大きくなり、コーナリング速度が上がります。
 しかし、空気抵抗が増えるから、ストレート速度は遅くなります。一長一短です。
●モナコのような、コーナーが多く、ストレートが短いし少ないサーキットでは、ウィングを立てます。

 ダウンフォースが大きいから、コーナの多いサーキットに適しています。

●ドイツのような、コーナーが少なく、ストレートが長いし多いサーキットでは、ウィングを寝かせます。

 空気抵抗が少ないから、ストレートの長いサーキットに適しています。

「ダウンフォースを増やすのか?」「空気抵抗を減らすのか?」
これが、マシンセッティングの分かれ目の1つですね。
わかりましたか?

次回は、ウィング以外のダウンフォース発生法として、
マシン全体、つまりシャーシについて、紹介します。
シャーシの形はマシンによって異なるから、じっくり観察すると面白いですよ!

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