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【ディフューザーとは】
前回、書いたようにF1カーのシャーシ本体でダウンフォースを稼ぐ事が重要であります。その手段の1つとして、「ディフューザー」があります。 ディフューザーとは、シャーシの一番後ろ、そして下側のにある跳ねあがっている箇所にある空力デバイスです。
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【ディフューザーの魅力】
私にとって、F1マシンの最も楽しみな空力デバイスが、このディフューザーです。
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【安定性】
しかし、それは94年までの話でした・・・。 94年にアイルトン・セナが事故死して以来、つまり94年のモナコGPあたりから、このディフューザーのデザインにかなりの規制が施されたのです。
ディフューザーにより、F1マシンは空気の力を利用して、大きなダウンフォースを得、そしてスピードが増す事になります。
ディフューザーは、F1マシンのスピードを上げる役割を持っている反面、とても危険なデバイスなのです。
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【ディフューザーの働き】
94年以前のディフューザーの働きについて。 走行時、マシンと路面の間(マシンの下側)において、マシン前方から空気が入ってきます。この空気を、マシン後方のディフューザーにて、より多く排出するのです。
より多く排出するために、ディフューザー部分は後方に向けて跳ねあがっています。しかし、ただ跳ね上げれば良いわけではありません。
また、サイド・ポンツーンを流れる空気を利用して、ディフューザーの空気排出の効率を上げています。これは、サイド・ポンツーンを説明する時に詳しく説明します。 こうして、ディフューザーの空気をより綺麗に、より多くの空気を排出するするために、各チームは様々なアイディアを出してくるわけです。 そこで、ユニークなディフューザーの形状として、思いつくモノは2つあります。
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【ユニークなアイデア その1】
その内の1つは、F1とは全く関係のないクイズ番組の問題としても取り上げられたくらいユニークなモノです。
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【ユニークなアイディア その2】
もう一つは、90年のマクラーレンで使用された「バットマン・ディフューザー」です。真後ろから見ると、当時流行っていたバットマンのマークに似ていると言う事で、ホンダの後藤監督が命名したという噂です。
効率の良い時、悪い時の差が激しかったため、ダウンフォースが安定しない。その結果、コーナーリングの途中でもタイヤ・グリップが変化しやすく、マシンの安定性に欠いたのです。90年イギリスGPでマクラーレンのセナがスピンした理由は、このダウンフォースの不安定によるものとも噂されたくらいです。
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【ダウンフォースの安定性】
また、何故、ディフューザーによるダウンフォースが不安定になるのか?
しかし、コーナーリングの最中は、マシンが左右に傾きます。
ディフューザー効果で、より大きなダウンフォースを得た時、マシンが上下左右に揺れ、一気にダウンフォースが減少した場合、ダウンフォースの変化がより大きくなります。その結果、マシンの安定性が悪くなるのです。コーナーリングの途中で、いきなりタイヤグリップが低下し、例えばスピンしたりするわけです。 つまりディフューザーでより大きなダウンフォースを得る事は、一歩間違えば、マシンの不安定性をより大きくするわけです。
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【エイドリアン・ニューウェー】
この不安定さで代表されるのが、90年のレイトンハウスのマシン。空力設計者は、エイドリアン・ニューウェー。 サーキットによって路面の凸凹が少なく、マシンが安定して走行できるGPでは、このレイトンハウスは速かった。しかし、路面が凸凹が激しいGPでは、速くない。
悲しい出来事は、94年のウィリアムズ。
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【様々なデザイン、アイデア】
そしてセナの事故以降、ディフューザーの形状の規制がより厳しくなりました。
ディフューザーが好きであった私にとっては、かなり悲しい結果になったのです。 |