〜 1993年 F1総集編 エンディング より 〜
F1に復帰。F1に優勝。F1でチャンピオン。F1を引退。
1年で全てをやり、男のけじめを示した。
12月10日、パリ。
プロストは人生最高の経験をすることとなった。
チャンピオンマシン、ウィリアムズFW15Cルノーに乗って、
シャンデリゼをパレードするのである。
凱旋門。
文字通りプロストが凱旋する。
F1は文化。勝利は栄光。人生は華。夢は現実。
揺るぎない信頼もあれば、絶望的な溝もある。
清廉潔白もあれば、醜い欲望の海もある。
人間社会を鏡に映して、F1は突き進む。
理屈じゃない。体中の細胞が走りたがっている。
明るすぎる。 健康すぎる。 速すぎる。
学校なんかじゃ教えてくれなかったF1。
混沌がある。 美学がある。 政治がある。 経済がある。 科学がある。
ほんの少し「愛」がある。
だからちょっぴり「涙」が出るのだ。
1993年 F1総集編 第16戦オーストラリアGP より 〜
プロスト、最後のF1。 MERCI ARAIN!
80年のアルゼンチン以来、199戦目。
4度の世界王座。51回の優勝という金字塔を打ち立て、
今、アラン・プロストは去っていく。
この14年、そしてセナと対決してきた7年、あまりにもいろいろな事がありすぎた。
本当の喜びは小さく、イバラの道の連続だった。
それがグランプリの世界なのである。
セナ。
プロストとは全く異なる人生観を持ち、絶えず敵対してた男。
その対決も、これが本当に最後。
レース終了後の車輌保管所。
ロン・デニス、セナにアドバイス。
「さ、二人仲良くな!」
ついにセナがプロストを迎えた。握手。
形だけかもしれない。
ベタベタした友情を望むものでもない。
だが、ファンの多くが、パドックの人々が、この瞬間を望んでいたのは事実である。
表彰台。
セナ、プロスト。握手。スクラムを組む。
シャンパンをかけあう、セナとプロスト。
プロスト、笑っているが、瞳には熱いものがこみ上げてきた。
メルシー アラン。
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