Formula 1  1998

20世紀。
人類が自動車を手に入れた世紀。
100年。
歳月は生活の速度を速め、技術を磨き、公準な生産物を世に送った。
レーシングカーはその最たるもの。
日常生活には役立たないが、技術力の象徴であり、今世紀最高の作品。
その作品を走らせるために、何百人、何千人の英知と情熱が注ぎ込まれてきた。
目指すは最速。
歴史と伝統の色を身にまとい、100年の豊潤を奏でる日。
それらは見事に、1998年のアートとして完成し、時空を越えるため世に出た。
戦いの時は刻々と迫った。

69年、ドイツに生まれた天才は、29歳の春を妻と楽しむ。
同世代。フィンランドの貴公子は故郷にてその時を待つ。

決戦、Fomula 1。
激しかるべき1998年。今始まる。

フジテレビ 1998年 F1総集編 オープニングより
● ドライバーズ・チャンピオン:    ミカ・ハッキネン ●
● コンストラクターズ・チャンピオン: マクラーレン・メルセデス ●

虎之介、F1参戦。グルーブドタイヤ導入。マシン幅などレギュレーションが大幅に変更。

【優勝回数】
1:M・ハッキネン   8回
2:M・シューマッハ  6回
3:D・クルサード   1回
3:D・ヒル       1回
【ポールポジション回数】
1: M・ハッキネン   9回
2: M・シューマッハ  3回
2: D・クルサード   3回
4: G・フィジケラ    1回
【ファステスト・ラップ】
1: M・ハッキネン   6回
1: M・シューマッハ  6回
3: D・クルサード   3回
4: A・ヴルツ      1回

第1戦 オーストラリア :アルバートパーク  メルボルン  決勝 3/8

 マクラーレン、フリー走行から圧倒的な速さ。
 予選。91年アデレード以来のマクラーレン、フロントロー独占。ブリヂストン、初のポール。
 スタート。オープニングラップはハッキネン、クルサードの順。
 シューマッハ、トラブルでリタイア。わずか5周。
 36周目、トップのハッキネンが不可解なピットイン。ストップすることなくピットレーンを素通り。2位に落ちる。
 マクラーレン、他のマシンを全て周回遅れとし圧倒的な速さ。
 ハッキネン、クルサードに追いつく。残り3周、クルサードがハッキネンにトップを譲る。スタートの1コーナーを先にとった方が先にゴールするという約束があったのだ。ハッキネン優勝。表彰台で涙。
 ブリヂストンの初優勝。
【決勝】
1: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
2: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
3: H・H・フレンツェン(ウィリアムズ・メカクローム)
5: E・アーバイン(フェラーリ)
4: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
6: J・ハーバート(ザウバー・ペトロナス)
 FL: M・ハッキネン
【予選】
1: M・ハッキネン
2: D・クルサード
3: M・シューマッハ
4: J・ヴィルヌーブ
5: J・ハーバート
6: H・H・フレンツェン

第2戦 ブラジル :ホセ・カルロス・パーチェ  インテルラゴス  決勝 3/29

 3月9日、HONDA、2000年からF1復帰が正式発表。
 マクラーレンに他チームから横やり。フェラーリなど5チームからの抗議。ハンドルの角度によって左右のブレーキバランスの効きを変えるシステムに対する抗議。マクラーレン、ブラジルGPからこのシステムを排除。
 それでも予選、レースでもマクラーレンが圧倒的に速い。マクラーレン超特急。
 シューマッハ、2回目のピットストップでエンスト。だが3位を守った。
 マクラーレンは連続ワンツー。
【決勝】
1: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
2: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
3: M・シューマッハ(フェラーリ)
4: A・ヴルツ(ベネトン・プレイライフ)
5: H・H・フレンツェン(ウィリアムズ・メカクローム)
6: G・フィジケラ(ベネトン・プレイライフ)
 FL: M・ハッキネン
【予選】
1: M・ハッキネン
2: D・クルサード
3: H・H・フレンツェン
4: M・シューマッハ
5: A・ヴルツ
6: E・アーバイン

第3戦 アルゼンチン :ホセ・オスカル・ガルベス  ブエノスアイレス  決勝 4/12

 グッドイヤー、ブリヂストンに対抗してワイド・フロントタイヤ投入。
 スタート。ハッキネンがシューマッハを抜き、マクラーレンのワンツー。だがシューマッハがハッキネンを抜き返す。
 シューマッハ、クルサードを抜く際に接触。クルサードはスピン。シューマッハがトップ。
 レース終盤。小雨。シューマッハ、コースアウトするが何とかコースに復帰。そして優勝。
【決勝】
1: M・シューマッハ(フェラーリ)
2: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
3: E・アーバイン(フェラーリ)
4: A・ヴルツ(ベネトン・プレイライフ)
5: J・アレジ(ザウバー・ペトロナス)
6: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
 FL: A・ヴルツ
【予選】
1: D・クルサード
2: M・シューマッハ
3: M・ハッキネン
4: E・アーバイン
5: R・シューマッハ
6: H・H・フレンツェン

第4戦 サンマリノ :エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ  イモラ  決勝 4/26

 フェラーリまでサイド・ウィング投入。
 クルサード、スタートからトップを快調。ハッキネンはトラブルでリタイア。
 クルサード、圧勝。
【決勝】
1: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
2: M・シューマッハ(フェラーリ)
3: E・アーバイン(フェラーリ)
4: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
5: H・H・フレンツェン(ウィリアムズ・メカクローム)
6: J・アレジ(ザウバー・ペトロナス)
 FL: M・シューマッハ
【予選】
1: D・クルサード
2: M・ハッキネン
3: M・シューマッハ
4: E・アーバイン
5: A・ヴルツ
6: J・ヴィルヌーブ

第5戦 スペイン :カタロニア  バルセロナ  決勝 5/10

 サイドウィング、危険なパーツとして使用禁止。
 フェラーリ、上方排気システム投入。
 スタートからハッキネンがトップを快走。一人旅。
 アロウズは2台が同時にエンジンブロー。
 フィジケラとアーバイン、序盤からのバトルの決着は接触、コースアウト。お陰でシューマッハは3位にポジションアップ。
 マクラーレン、非の打ち所のない勝利。
【決勝】
1: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
2: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
3: M・シューマッハ(フェラーリ)
4: A・ヴルツ(ベネトン・プレイライフ)
5: R・バリチェロ(スチュワート・フォード)
6: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
 FL: M・ハッキネン
【予選】
1: M・ハッキネン
2: D・クルサード
3: M・シューマッハ
4: G・フィジケラ
5: A・ヴルツ
6: E・アーバイン

第6戦 モナコ :モンテカルロ  決勝 5/24

 スタートからハッキネンがトップを快走。
 2位のクルサードがトラブルでリタイア。2位フィジケラ。3位シューマッハ。だがタイヤ交換でポジションチェンジ。
 シューマッハはヴルツの後ろ。ヘアピンでシューマッハはヴルツのインに入るが、すぐさまヴルツが抜き返す!
 このバトルでシューマッハはマシンにダメージ。ピットインするが3周遅れとなる。
 ハッキネン、モナコ初優勝。
【決勝】
1: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
2: G・フィジケラ(ベネトン・プレイライフ)
3: E・アーバイン(フェラーリ)
4: M・サロ(アロウズ)
5: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
6: P・ディニス(アロウズ)
 FL: M・ハッキネン
【予選】
1: M・ハッキネン
2: D・クルサード
3: G・フィジケラ
4: M・シューマッハ
5: H・H・フレンツェン
6: A・ヴルツ

総合ランキング
 ハッキネン6戦4勝、シューマッハに22ポイント・リード。
【ドライバーズ・ランキング】
1: M・ハッキネン    (46)
2: D・クルサード    (29)
3: M・シューマッハ   (24)
4: E・アーバイン    (15)
【コンストラクターズ・ランキング】
1: マクラーレン・メルセデス (75)
2: フェラーリ           (39)
3: ウィリアムズ・メカクローム(16)
4: ベネトン・プレイライフ    (16)

第7戦 カナダ :ジル・ヴィルヌーブ  モントリオール  決勝 6/7

 1周目。ヴルツが基点となり複数クラッシュ。赤旗。
 再スタート。ハッキネン失速。シフトアップできない。その煽りで後方で複数台クラッシュ。セーフティーカー導入。
 クルサードとシューマッハのトップバトル。
 ディニスがコースアウトしてマシンに芝をつけたままコースイン。お陰でコース上のあらゆるところに芝をまき散らす。再度、セーフティーカー導入。
 クルサード、トラブルでリタイア。トップはシューマッハ。
 シューマッハ、ピットアウト時にフレンツェンに幅寄せしてフレンツェンをコースに追い出す。この行為に対して10秒ストップペナルティ。
 その隙にフィジケラがトップ。だがタイヤ交換を利用してシューマッハがフィジケラを抜いてトップへ。そして優勝。
【決勝】
1: M・シューマッハ(フェラーリ)
2: G・フィジケラ(ベネトン・プレイライフ)
3: E・アーバイン(フェラーリ)
4: A・ヴルツ(ベネトン・プレイライフ)
5: R・バリチェロ(スチュワート・フォード)
6: J・マグヌッセン(スチュワート・フォード)
 FL: M・シューマッハ
【予選】
1: D・クルサード
2: M・ハッキネン
3: M・シューマッハ
4: G・フィジケラ
5: R・シューマッハ
6: J・ヴィルヌーブ

第8戦 フランス :マニクール  決勝 6/28

 6月22日。フィンランド、ヘルシンキ。ハッキネン結婚。
 6月9日、フランスでW杯サッカー開幕。
 スタート。フェルスタッペンがスタートできずに赤旗。再スタート。シューマッハ、アーバイン、ハッキネンの順。
 アーバインはマクラーレンの2台を押さえて走る。シューマッハはトップを快走。
 ハッキネンはスピン。クルサードは給油口が合わず給油できない。マクラーレンの不運。
 レース終盤、ハッキネンがアーバインの背後に迫るもアーバインのブロックで抜けない。
 フェラーリ、8年ぶりのワンツー。シューマッハ30勝目。
【決勝】
1: M・シューマッハ(フェラーリ)
2: E・アーバイン(フェラーリ)
3: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
4: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
5: A・ヴルツ(ベネトン・プレイライフ)
6: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
 FL: D・クルサード
【予選】
1: M・ハッキネン
2: M・シューマッハ
3: D・クルサード
4: E・アーバイン
5: J・ヴィルヌーブ
6: R・シューマッハ

第9戦 イギリス :シルバーストーン  決勝 7/12

 レースで小雨。ドライセッティングのフェラーリ失敗。
 5周目、2位シューマッハをクルサードが抜く。ハッキネン、クルサードのマクラーレン、ワンツー。
 雨が激しくなった。
 ハッキネンはフルウェットタイヤに交換。逆にクルサードにはインターミディエイト。チームからの指示。クルサード、雨でスピン。クルサード、チームの指示に怒りを示す。
 45周目、セーフティーカー導入。トップ、ハッキネンと2位シューマッハの38秒の差が無くなる。
 51周目、ハッキネンがベケッツでコースアウト。シューマッハ逆転トップ。だがシューマッハ、黄旗追い越しでラストラップで10秒ストップペナルティ。シューマッハのゴールタイムに10秒加算したが優勝はシューマッハ。
【決勝】
1: M・シューマッハ(フェラーリ)
2: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
3: E・アーバイン(フェラーリ)
4: A・ヴルツ(ベネトン・プレイライフ)
5: G・フィジケラ(ベネトン・プレイライフ)
6: R・シューマッハ(ジョーダン・無限)
 FL: M・シューマッハ
【予選】
1: M・ハッキネン
2: M・シューマッハ
3: J・ヴィルヌーブ
4: D・クルサード
5: E・アーバイン
6: H・H・フレンツェン

総合ランキング
 シューマッハ、3連勝でハッキネンに2ポイント差に迫る。
【ドライバーズ・ランキング】
1: M・ハッキネン    (56)
2: M・シューマッハ   (54)
3: D・クルサード    (30)
4: E・アーバイン    (29)
【コンストラクターズ・ランキング】
1: マクラーレン・メルセデス (86)
2: フェラーリ           (83)
3: ベネトン・プレイライフ    (32)
4: ウィリアムズ・メカクローム(19)

第10戦 オーストリア :A1リンク  ツェルトベグ  決勝 7/26

 シューマッハ、2002年までフェラーリと契約。推定年俸42億円。
 ヴィルヌーブ、来季はウィリアムズと契約せず、新規チームBARと契約。
 予選。雨を利用してフィジケラ、35戦目の初ポール。マクラーレンのポール連続は9でストップ。
 スタート。ハッキネンがトップ。1コーナー、2コーナーでクラッシュの山。セーフティーカー導入。
 ハッキネンの車が重い。シューマッハ、ハッキネンに仕掛けるが抜けない。逆にフィジケラに抜かれる。
 シューマッハ、フィジケラを抜いて再度ハッキネンに仕掛ける。激しいバトル。
 そしてシューマッハ、コースアウト。フロントウィング破損。ピットで交換して最後尾まで落ちる。
 クルサード、最初の事故からFLで2位まで浮上。シューマッハも最後尾から3位まで浮上。優勝はハッキネン。
【決勝】
1: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
2: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
3: M・シューマッハ(フェラーリ)
4: E・アーバイン(フェラーリ)
5: R・シューマッハ(ジョーダン・無限)
6: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
 FL: D・クルサード
【予選】
1: G・フィジケラ
2: J・アレジ
3: M・ハッキネン
4: M・シューマッハ
5: R・バリチェロ
6: M・サロ

第11戦 ドイツ :ホッケンハイム  決勝 8/1

 ハッキネン、クルサードの来季残留発表。アーバインも残留決定。
 フェラーリ、ロングホイールをトライ。だが不発。ノーマルに戻す。シューマッハ、今季最悪の予選9位。
 レース。マクラーレンの見事なランデブー走行。
 メルセデス、44年ぶりの地元優勝。
【決勝】
1: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
2: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
3: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
4: D・ヒル(ジョーダン・無限)
5: M・シューマッハ(フェラーリ)
6: R・シューマッハ(ジョーダン・無限)
 FL: D・クルサード
【予選】
1: M・ハッキネン
2: D・クルサード
3: J・ヴィルヌーブ
4: R・シューマッハ
5: D・ヒル
6: E・アーバイン

総合ランキング
 ハッキネン、2連勝でシューマッハとの差を16ポイントと広げる。
【ドライバーズ・ランキング】
1: M・ハッキネン    (76)
2: M・シューマッハ   (60)
3: D・クルサード    (42)
4: E・アーバイン    (32)
【コンストラクターズ・ランキング】
1: マクラーレン・メルセデス(116)
2: フェラーリ           (92)
3: ベネトン・プレイライフ    (32)
4: ウィリアムズ・メカクローム(24)

第12戦 ハンガリー :ハンガロリンク  ブタペスト  決勝 8/16

 ブリヂストン、このサーキットに合わせてフロントタイヤをワイドに。
 レース序盤、ハッキネン、クルサード、シューマッハの順。マクラーレンが2ストップ作戦だが、シューマッハは3ストップ作戦。そしてシューマッハ、マクラーレンの2台を抜く。
 シューマッハ、一度コースアウトするが無事に復帰。トップのまま。
 ハッキネンはトラブルで順位を落としていく。更にシューマッハに周回遅れにまでされる。
 シューマッハ、32勝目。マンセルを抜いて単独3位。
【決勝】
1: M・シューマッハ(フェラーリ)
2: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
3: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
4: D・ヒル(ジョーダン・無限)
5: H・H・フレンツェン(ウィリアムズ・メカクローム)
6: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
 FL: M・シューマッハ
【予選】
1: M・ハッキネン
2: D・クルサード
3: M・シューマッハ
4: D・ヒル
5: E・アーバイン
6: J・ヴィルヌーブ

第13戦 ベルギー :スパ・フランコルシャン  決勝 8/30

 「l'eau rouge」(オールージュ)。
 レースは雨。スタート。クルサードのスピンが発端になって多重大量クラッシュ。12台のクラッシュ。
 再スタート。ヒルがトップ。ハッキネンは1コーナーでシューマッハと絡みスピン。そこへハーバートが接触し、ハッキネンはリタイア。
 シューマッハ、ヒルを抜いてトップ。このままシューマッハが優勝と思われた。しかし!
 シューマッハ、クルサードをパスして、周回遅れにしようとしていた。だが雨。ウォータースクリーンで前が見えないシューマッハがクルサードに追突。両者リタイア。
 「クルサードがわざとスピードを落とした」そう思ったシューマッハはクルサードに文句。
 優勝はヒル。ジョーダンのワンツー。ジョーダンは参戦8年目、127戦目の初優勝。
 レース後、マクラーレンのFIAは無線テープを調査し、クルサードとシューマッハの事故に意図的な要素はないと判断した。
【決勝】
1: D・ヒル(ジョーダン・無限)
2: R・シューマッハ(ジョーダン・無限)
3: J・アレジ(ザウバー・ペトロナス)
4: H・H・フレンツェン(ウィリアムズ・メカクローム)
5: P・ディニス(アロウズ)
6: J・トゥルーリ(プロスト・プジョー)
 FL: M・シューマッハ
【予選】
1: M・ハッキネン
2: D・クルサード
3: D・ヒル
4: M・シューマッハ
5: E・アーバイン
6: J・ヴィルヌーブ

第14戦 イタリア :モンツァ  決勝 9/13

 シューマッハ、クルサードが和解。
 シューマッハ今季初のポール。
 スタート。ハッキネン、クルサードが1、2。フェラーリはスタート失敗。
 ハッキネンはペースが上がらない。8周目にクルサードにトップを譲る。17周目、クルサードのエンジンブロー。クルサードの背後にいたハッキネンにオイルがかかる。その隙にシューマッハがハッキネンを抜く。シューマッハがトップ。
 レース終盤、2位ハッキネンのペースが上がってきた。シューマッハとハッキネンとの差が縮まってきた。その時、ハッキネン、コースアウト。コースに復帰するがマシンにダメージ。その後、ペースが上がらずアーバイン、ラルフにも抜かれる。
 フェラーリのモンツァでのワンツー。88年以来の快挙。
【決勝】
1: M・シューマッハ(フェラーリ)
2: E・アーバイン(フェラーリ)
3: R・シューマッハ(ジョーダン・無限)
4: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
5: J・アレジ(ザウバー・ペトロナス)
6: D・ヒル(ジョーダン・無限)
 FL: M・ハッキネン
【予選】
1: M・シューマッハ
2: J・ヴィルヌーブ
3: M・ハッキネン
4: D・クルサード
5: E・アーバイン
6: R・シューマッハ

総合ランキング
 ハッキネン、シューマッハが同ポイント!
【ドライバーズ・ランキング】
1: M・ハッキネン    (80)
1: M・シューマッハ   (80)
3: D・クルサード    (48)
4: E・アーバイン    (38)
【コンストラクターズ・ランキング】
1: マクラーレン・メルセデス(128)
2: フェラーリ          (118)
3: ウィリアムズ・メカクローム(33)
4: ベネトン・プレイライフ    (32)

第15戦 ルクセンブルク :ニュルブルクリンク  決勝 9/27

 フェラーリ、フロントロー独占。流れはフェラーリにある。
 スタート。シューマッハ、アーバイン、ハッキネンの順。アーバインはハッキネンを押さえる。だが14周目、ハッキネンがアーバンをパス。ハッキネンはFLでシューマッハに迫る。
 ピットストップでハッキネンがギリギリにシューマッハの前。ハッキネンがトップ。
 マクラーレン、戦略でフェラーリに勝つ。
【決勝】
1: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
2: M・シューマッハ(フェラーリ)
3: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
4: E・アーバイン(フェラーリ)
5: H・H・フレンツェン(ウィリアムズ・メカクローム)
6: G・フィジケラ(ベネトン・プレイライフ)
 FL: M・ハッキネン
【予選】
1: M・シューマッハ
2: E・アーバイン
3: M・ハッキネン
4: G・フィジケラ
5: D・クルサード
6: R・シューマッハ

総合ランキング
 ハッキネン、シューマッハを4ポイント差と引き離す。
【ドライバーズ・ランキング】
1: M・ハッキネン    (90)
1: M・シューマッハ   (86)
3: D・クルサード    (52)
4: E・アーバイン    (41)
【コンストラクターズ・ランキング】
1: マクラーレン・メルセデス(142)
2: フェラーリ          (127)
3: ウィリアムズ・メカクローム(35)
4: ベネトン・プレイライフ    (32)

第16戦 日本 :鈴鹿  決勝 11/1

チャンピオン決定戦である。
12年目の鈴鹿。
セナ、プロスト時代から一世代若くなった観客達。14万8千人。
必勝、シューマッハ。なんとしてでも勝つのだ。
ハッキネン。確実なレースをする。チャンピオンを獲ることが最大の目的。

決勝に向けてやるべき事は全てはやった。人事を尽くして天命を待つ。
グリッドで二人のチャンピオン候補は、フェアプレーを誓うのであった。固い握手。

チャンピオン争いをする二人がフロントローからスタートする舞台が整った。

しかし!


 チャンピオン獲得のため、マクラーレンは9日間、フェラーリは17日間もテストを行ってきた。
 予選。ハッキネンがミス。シューマッハが1番手。
 スタート直前。イエローフラッグ。トゥルーリがエンスト。
 再度スタート準備。
 スタート直前。なんとシューマッハがストール! シューマッハ最後尾からスタート。
 スタート。ハッキネン、アーバイン、クルサードの順。シューマッハは最後尾からロケットスタート。
 シューマッハ、16周目に5位。ハッキネンはトップを快走。
 そしてシューマッハの悲劇。ホームストレートで右リアタイヤ・バースト。リタイア。
 この瞬間、ハッキネンのワールドチャンピオン決定。
【決勝】
1: M・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)
2: E・アーバイン(フェラーリ)
3: D・クルサード(マクラーレン・メルセデス)
4: D・ヒル(ジョーダン・無限)
5: H・H・フレンツェン(ウィリアムズ・メカクローム)
6: J・ヴィルヌーブ(ウィリアムズ・メカクローム)
 FL: M・シューマッハ
【予選】
1: M・シューマッハ
2: M・ハッキネン
3: D・クルサード
4: E・アーバイン
5: H・H・フレンツェン
6: J・ヴィルヌーブ

総合ランキング最終結果 【ドライバーズ・ランキング】
1: M・ハッキネン   (100)
2: M・シューマッハ   (86)
3: D・クルサード    (56)
4: E・アーバイン    (47)
5: J・ヴィルヌーブ   (21)
6: D・ヒル        (20)
7: H・H・フレンツェン  (17)
7: A・ヴルツ       (17)
9: G・フィジケラ     (16)
10: R・シューマッハ  (14)
11: J・アレジ       (9)
12: R・バリチェロ     (4)
13: M・サロ        (3)
13: P・ディニス      (3)
15: J・トゥルーリ      (1)
15: J・ハーバート     (1)
15: J・マグヌッセン    (1)
【コンストラクターズ・ランキング】
1: マクラーレン・メルセデス (156)
2: フェラーリ          (133)
3: ウィリアムズ・メカクローム(38)
4: ジョーダン・無限       (34)
5: ベネトン・プレイライフ    (33)
6: ザウバー・ペトロナス    (10)
7: アロウズ            (6)
8: スチュワート・フォード    (5)
9: プロスト・プジョー       (1)

マクラーレン、ハッキネン。
今、カーナンバーが変わった。
国境を越え人種を越え、良き製品、良き人々が織り上げた世界一。
チームの故郷、イギリス・ウォーキングの街。
F1というインダストリーを誇りに思う人々の高き品性。
全身全霊を傾けて掴み取ったチャンピオンの実感。
未来を切り開く文化。

エンジンを造る人の夢。ブレーキを造る人の理想。風を取り込む人の頭脳。勇気と魂の発露。
運も実力のうち。若さ故の反乱。あと一歩の悔しさ。
次に続く人。速さと若さ。日本の力。
あらゆる人々の夢と欲望を乗せ、突き進むF1。

シューマッハ
もうサイボーグとは呼ばせない。血の通った一人の男。
ミスをすれば、怒りに身を震わせることもある。
今年はよく笑った。

ハッキネン。
不安と焦りと涙の日々は去った。
あの日から自信と幸福の時代は来た。

F1。
人類最高のテクノロジーを使う人間のスポーツ。
未来へ、この子達の未来へ。
夢を大切に、今を大切に、走り続けるよF1。

フジテレビ 1998年 F1総集編より

HOMEへ