三宅:「ヨーロッパGP、今スタートが切られました。 さぁ、プロストのスタートはどうか? プロスト、ヒル。 さぁ、プロストは真ん中を通って、そしてややアウトに変えていく。 おぉ〜っと、セナが、セナが後ろに下がった。 セナ、5番手。 そして、(セナがシューマッハの)インをつく。外からシューマッハ。 さぁ〜、そして、どうやらこの(プロスト、ヒルの)ワンツー体制は変わらない。 このワンツー体制は変わらない。 第1コーナー、どうやら各マシン、無事にクリアーしていっているようであります。 プロストもいいスタート・・・、 そして、さぁ、 セナが(ヴェンドリンガーの)外から行くがどうか!!! さぁ〜、セナが行く、セナが行く! セナ、3番手を取り返した! セナが3番手を取り返しました。 ヴェンドリンガーをかわして、セナ、3番手に上がった。 さぁ、前はヒル。前はヒル!! さぁ、ヒルを攻める! アイルトン・セナ。 すぐさま、すぐさま、ヒルを攻めて、つく! インをつく! どうか? どうか? さぁ、このオープニングラップからすごい! セナの鬼神のような走りです! セナ、早くも2番手に上がった! スタートではわずかに後手を踏んだアイルトン・セナでありますが、 この、オープニングラップ、早くも2番手を取り返した・・・ぁ、 さぁ、セナが(プロストを)つくっっ! なんとぉ、セナがトップに立つか?? サイド・バイ・サイド、ホイール・ツー・ホイール。 ここで(プロストを)かわした! メルボルンヘアピンで、セナ、かわした! オープニングラップのリーダーは、何とアイルトン・セナか? 最終コーナーに入ってくる! 最終コーナーに入ってくる! さぁ、これでアイルトン・セナがオープニング・ラップをとります! 何という走りか! 何という走りか!!」 |
セナ:「レーサーはいつも危険と隣り合わせだと、肝に命じておかなくてはいけないんだ。 レースではそう思うことによってのみ、救われるんだ。 そうでないと、最悪の結果を引き起こすことになる。 経験を積めば積むほど、危険な状況の中で、的確な判断が下せるようになるんだ。 そして、限界を少しだけ超えて運転する必要がある時、そうしては行けない時、 その差を知ることが出来るんだ。 僕は、マシンの載る時、自分の健康と生命に対しての恐怖をおぼえるよ。 マシンは、メカニックが調整した完成されたものだとわかっているけど、 実際、マシンの調子が良くない時もあるんだ。 そんな時は、死か、ドライバー生命を断たれる事故に遭うかもしれない。 でも逆に、そんな時こそ、一種魅せられる瞬間といえるよね。 というのも、何が起こるかわからないから、 経験、ドライビングの欲、そんな資質を全て生かして本能に頼るしかないしね。 自分の力でコントロールしなくてはならない様々な感情が入り混じるけど、 それらを、正しいバランスに保たなければならない。 だからこそやりがいもあるし、同時に直面している危険を察知しなくてはならない。 僕はいつも注意深く考えて、物事を理解している。それにシャープだ。 判断は敏速で的確でなければならないからね。 大切なのは自分の命なんだから、そこに妥協はないんだ。 僕がいつも持っている難しい目標とは、勝利への執念なんだ。 そして、レースを始めた10年前と変わらず、ベストを尽くすこと。 10年前と変わったのは、勝てるという自信がついたことだね。 マクラーレンで3度のワールドチャンピオンになったし、たくさん勝ってきたからね。 そして、レースでは積極的に闘ってきたから、勝てると信じているんだ。」 |