〜 ラストシーンで大感動! 〜

99年6月2日

 ゼルダの伝説はアクションRPGであった。そして、ドラクエは純粋なRPGであった。
 私がRPGを知った時に、ファミコン界では、いや私の頭の中では、ゼルダとドラクエが存在していた。その当時アクションゲーム主体であったために、アクションRPGであるゼルダは、すんなりと私の中で馴染んでいった。しかし、ドラクエは純粋なRPG。興味はあったのだが、なかなかやろうとしなかった。

 そんな、ドラクエの最初の興味は、私の大好きな鳥山明氏のモンスターデザインから始まった。鳥山明氏の漫画をほとんど揃えていた当時、鳥山明氏がゲームに進出するなら、そのゲームも我が物にしなければならない。そう思ったのであった。

 しかし、文字ばかりTV画面に出てくる純粋RPGに、なかなか馴染めそうになかった。やろうとしなかった。

 そんな時、高校2年生の春休み前に、ふとドラクエをする機会がやってきた。当時のサークルの後輩が「ドラクエ」を貸してくれたのであった。「最後はきっと感動しますよ!」と言って後輩は貸してくれたのだが、「ゲームで感動する? 何言っとるんだ」と信用するどころか「おかしな事を言う」とバカにしていたのだった。 

 そして、春休みに2週間、ドラクエにすっかりはまってしまった。始めてプレイする純粋RPG。しかし、意外とすんなり入り込めていった。
 今思うと、ゲームの操作性、取り説をあまり読まなくてもプレイできる親切設定など当時としてはすばらしいヒューマンインターフェイスを持っていた。

 新しい街に訪れて、人と話す楽しみ、お金を貯めてより強力な武器を買い揃える楽しみ、新しいモンスターに出会う楽しみ、じわじわと良さを感じるゲームミュージック。すっかりドラクエにはまっていった。しかし、「感動」なんて事は全然なく、後輩からの言葉すら忘れていた。

 そして、とうとうラストボス、竜王と対決することとなった。

 これがまた強い! 倒そうと数回チャレンジするがなかなか倒せない。仕方がなく主人公「とおいっ」のレベルを上げることとした。17だったレベルを18、19へと上げた(途中レベル18でチャレンジするも倒せなかった)。

 そして、レベル19で竜王との対決を挑むこととした。MP(マジックポイント)は戦闘中のベホイミに使うためセーブした。洞窟もタイマツ&これまでのカンを元に一切、MPを使わずに進んでいった。敵と遭遇しても戦わずに逃げる。HPが減った場合は、薬草&歩き(歩けば、その歩数だけHPが回復)、HPを上げていった。

 そして、再び竜王と対決。レベル19ではどうか?

 「たたかう」「まほう」の繰り返し。MPもだんだんとなくなってきた。そして、とうとう最後のベホイミ。もうMPが底をついてしまった。この最後のベホイミでHPを回復するも残り3回の相手からの攻撃でHPは0になってしまう。つまり、こちらも後、最大3回の攻撃しか出来ない!「後、3回の攻撃で倒れてくれぇ〜」そう願うしかなかった。いややっぱりレベル19でも無理なのか?そうも思った。

 そして、1回目の攻撃を受ける。HPが半分ちょいまで減った。こちらの攻撃!(残り2回)ビシッ! しかし竜王は倒れない!

 竜王の攻撃が来る。ビシッ! HPが残り1/3程度だ。次にこちらの攻撃(残り1回)。しかし、まだ倒れない。

 次に竜王の攻撃。もし、この攻撃が「会心の一撃」ならば、そこでおしまいだ。 ビシッ! 「ふう」、普通の攻撃だった。
 しかし、HPの残りはもう1桁に近い。次の攻撃で確実にやられてしまう。確実に。という事は、こちらの攻撃はこれから行なう1回のみ。後、1回で竜王を倒せるのか? いや、倒れそうな気配はない。やはりレベル19じゃ無理だった。

 そう思いながら「たたかう」を選択した。力強く、ボタンを押し「たたかう」と選んだ。ボタンを強く押しても何ら関係はないが、つい強く押してしまった。ビシッ! どうだ! 倒したか?

 そして「パラララララァン」 ん?聞いたことがない音楽だ?何?ん? 「おおぉ〜お!!!」 画面に「リュウオウ ヲ タオシタ」という文字が出ているではないか! なんとホントのホントの最後の一撃で竜王を倒したのだ!やったぜ!!!

 長かった、本当に長かった、やっと終わった。ふぅ〜う。

 あれ? あれ? まだ終わりじゃないの? あれ? なんと、竜王を倒した後、平和になったアレフガルドの世界を自由に歩き回ることが出来るではないか! それも今まで敵モンスターがいた世界が、今は一切モンスターがいない。自由に歩き回れる。

 更に街に訪れると、街の人がみんな、主人公である自分を褒め称えてくれる。更にお城では王様が褒め称えてくれる。うれしい。本当に嬉しい。
 ドラクエをスタートしてから数々の謎を解いて(謎が分からなくて友人に電話したこともあった。太陽の石などね)、そして敵を倒して、ここまで来たんだと、走馬灯に様にいろんな出来事が思い浮かんでいった。
 「はぁ〜、やったんだ、ドラクエをやり遂げたんだ」。そこにはドラクエにすっかり感動した自分がいた。これこそ、ゲームに感動するということなんだ!と感じてしまった。私がゲームで初めて感動した瞬間であった。

 これ以来、私はすっかりドラクエにはまってしまっている。ドラクエこそがゲームの王者だと思っている。

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