世間で一番人気があるシリーズが、多分、このドラクエ3だと思う。
難易度も2に比べれば低いし、 マップが世界地図に類似しているのが面白いし、 バラモスを倒した!と思ったら その後は意外な展開になるし、 父親オルテガの存在は偉大だし、 初めて空を飛べるし、 空を飛んでいると敵に遭遇しないし、 ジパングに訪れる時はドキドキしたし、 商人が作った街はどんどん成長してゆくし、 ゾーマとの対決の音楽がいいし、 それになんて言ったって転職はよかったし、 とにかくゲームバランスもよかったしね。 しかし、私は、ドラクエシリーズで1番よかった! って、ほどじゃなかった。なぜなら...、 |
なぜなら、ドラクエ3発売の87年12月は、大学受験の真っ最中でゲームが遊べなかったのである!
ドラクエで遊べないが、私の周りの友人(後輩)はドラクエで遊んでいる。だから、いろんな情報が入ってくる! 「マップの半分は、もう、まわったね!」 「賢者に、やっとなれたよ!」 「伝説って一体なんなの? 噂のアレフガルドって名前すら出てこんよ!」 等など、聞きたくもない情報が耳に入ってくる。 |
ゲームで遊んでいる友人のから、いろいろと話を聞くから、仕方無しに、ゲーム内容を想像してしまうのだ! 例えば、
「もう少しでバラモスに会える」と言っていた友人が、それから数日たっても最後まで終わらないと言っている! 「アレフガルドの話がちっとも出てこん!」って不満を言っていたのだが、急に不満を言わなくなった! この友人の態度から、ある程度のゲームの方向性を想像することができた。 「バラモスを倒す前は、サブタイトルの伝説、そしてアレフガルドには一切関係ない展開。 さらにバラモスを倒した後もゲームが続く。 それもバラモス以外のもっと強力な敵が存在する! そして、その敵こそ、アレフガルドに関係する。 また、バラモス崩壊後は、世界地図のマップとは異なるアレフガルドに関係のあるマップを旅するのでは!」 |
そして、受験が終わったその日からドラクエ3を始めた(なんと、母親が知り合いのオモチャ屋で買ってくれていたのだ)。今まで遊べなかった分、一気にドラクエ3をした。
急ぎ過ぎず、じっくりと、洞窟などは迷路の隅々まで歩き回って、たっぷりと楽しんだ。 事前の想像というか、予想が当たっているのでは?と思いながらゲームを進めていった。 |
「アリアハン」。実存の世界地図のどこにも位置しない大陸。つまりムーン大陸をイメージした大地。
主人公である自分は、アリアハンから旅を始める。悪玉バラモス退治のために。尊敬する父、オルテガのような勇者を目指した旅でもあった。 このオルテガ、数年前にバラモス退治に出発している。この主人公の旅、実は、オルテガを後を追う様にして進められるのだ。 そして、ドラクエ3は、2と異なり最初からパーティを組んでゲームする。それも4人。途中の出会いの喜びはない。更に他のキャラは一切話し掛けないし、ドラマもない。だから思い入れもない。 これは、このドラクエ3の欠点だとも思った。 ちなみに4人の職業は、主人公以外に、【武闘家】【魔法使い】【僧呂】。戦士にせず、武闘家にしたのは、素早く先に攻撃してくれる、装備にお金がかからないという2つの利点から。 |
アリアハンでのイベントを終了して、この大陸とサヨナラする時が来た。「旅の扉」から、一気にロマリアに移動するのだ。ロマリアは、イタリアに位置する城。
この「旅の扉」がドラクエ3の最初の感動の場面であった。 アリアハンの「旅の扉」を使った。 画面がくねくねと捻じ曲がってゆく。なんだなんだ? 段々と捻じ曲がりが大きくなる。画面の原形がなくなり、どこにいるのかわからない。今、主人公である自分は、ワープのような空間にいるようだ。 そして、バックに流れる音楽がフェードアウトする。そして、新しい音楽がフェードインしてくる。ちょっと何故か悲しげな音楽が徐々に聞こえてくる。この音楽が良い!! そして捻じ曲がった画面も、徐々に元に戻っている。そして、画面には見たこともない祠(ほこら)が現れてくる。この祠こそ、次なる旅の場所、ロマリアであるのだ! この10秒から20秒の間の出来事。音楽のよさ、新しい旅の場所が徐々に現れる期待感、新しい場所へ訪れる感激。これらがマッチして素晴らしい演出だったと思った。 ドラクエ3の今後の展開へ、期待感が一気に増した瞬間でもあった。 |
ロマリアの地で、ユニークな敵キャラ、【カンダタ】に出会う! 盗みを働く悪玉なのだが、カンダタのセリフがかわいくて、憎めない。だが、憎めないが強い! 何度か全滅を食らったものだ!
このカンダタ、この先でも数回登場するキャラ。 ドラクエ6でも「カンダタ」というキャラが登場する。ただし、ドラクエ3のカンダタとは無縁だけど。 |
イシスに訪れた時、近くにピラミッドが見えた。個人的にピラミッドに憧れていたので、ドキドキした。「人食い箱」には、てこずった!
ジパングに訪れる時も、ドキドキした。だって、日本を元にした街だからね。ここで対決するヤマタノオロチはなかなか強かった。 |
バシルーラは、今回の新しい呪文である。これを食らうと、味方の一人がある場所に飛ばされてしまう。「ルイーダの酒場」に飛ばされてしまう。致命的な呪文ではないが、アリアハンの「ルイーダの酒場」まで戻らないといけないのが面倒。
そして、そして、このバシルーラ。後で更にやっかいな事となる。 |
不死鳥ラーミアを手に入れて、とうとう悪のボス、バラモスと対決することとなった!
しかし、ちょいと疑問点。ここでバラモスを倒したとする。そうするとゲーム終了。しかし、まだまだ、ゲームの謎が残っているのだ。 バラモス城の隣の島に大きな穴(ギアガの大穴)、ロシア近くには岩で囲まれた城がある。この大穴も城もまだ完全に探検できていない。 更に何と言っても、サブタイトルの「そして伝説へ」の「伝説」となるべく、アレフガルドとロトの名前が一切出てない。 この3つの謎が残ったままゲームが終了するはずもない。やっぱり、最初の予想通りバラモスを倒した後も、ゲームは続くのか? といろいろ考えながらバラモスと対決した! バラモスは、とんでもない呪文を使ってきた! なんと「バシルーラ」を使うのだ! そして味方のパーティの一人が飛ばされてしまうことがあるのだ! まいったまいった。3人で対決することも、しばしばあった! そんな訳で、バラモスは手強かった! そして、何度、全滅を食らっただろうか? バラモスとの対決にはパーティの誰かが「ベホマ」を覚えていないと倒すのは無理だと思った。ということで、レベル上げをしてベホマを覚えさせたくらいだった(更に「魔人の斧」を持つ戦士をパーティに使った人は、会心の一撃が多い分、空振りが多くて困ったはず! 私は武闘家だったから、問題なかったが)。 そして、やっと、やっとバラモスを倒した。 |
しかし、これで終わりじゃないはずだ! きっとまた別の親玉が出てくるはず! 予想通りなら、まだ終わりじゃないはずだ。
< br> これで終わりじゃないという、決定的な証拠がある! それはバラモスと対決した時に流れる音楽である! その音楽は、他のザコモンスターと戦闘の音楽と同じだった! ラストボスと戦う時の音楽は、新しい音楽を用意するのが定番である。と言うことは、まだ別のラスト・ボスがいるはずだ!!! しかし、しかし、何も起こらない。 そのまま、何も起こらずアリアハンの城まで帰る事ができた。そして、城や街のみんな、更には王様が祝福してくれる。 あれれ? 本当にこれでおしまい? まだ幾つか謎が残っているのに! 何かあっけなかったドラクエ3。ゲーム前の予想である「バラモスを倒した後、更に強力な敵がでる!」は、予想外れかな? 何かつまらない。これでドラクエ3はおしまい?? そんな時、変化があった! みんなからの祝福の後、「後はエンディングが流れて、おしまい」と思った時...。 その時、画面が変化した! 衝撃波と共に、城内の床に穴ができる。1つ、2つ、3つ。どんどん穴が空く! そして闇から聞こえし声。やはり、バラモスを倒しただけじゃ、ドラクエ3は終わりじゃなかった! 更に強力なボスがいる。そのボスの声が聞こえてくる。このままでは世界は闇に飲み込まれていくらしい! とにかく、ストーリーは終わってない!まだまだ続く!! まだドラクエを味わえる!と思えば、嬉しさがこみ上げて来た! しかし、この展開をゲームを始める前から程度予想していた私には、それほど驚きはなかった。 もしも、もしも何も予想しないまま、この展開を迎えたら。もしもゲームを進めながら、ゲーム進行の雰囲気でこの展開を予想できたなら。それは、きっと驚きまくっていただろう。 あ〜、なんか損をした気分だった。もっと驚きたかったものだ!!! 受験の為になかなかゲームを出来なかったことが悔しかった! |
次なる展開を求めて、「ギアガの大穴」に飛び込んだ。そして、その先の世界は? その先の世界こそ、アレフガルドであった! 「広野をゆく」の音楽が流れる! ここは、間違いなくドラクエ1の舞台であったアレフガルド! これから本当の伝説に向けて旅が始まるのだ!
伝説に向けてどんな展開が待っているのかドキドキした! |
アレフガルドでも数々のイベントをクリアして、とうとう竜王の城にたどり着いた。この城にラスト・ボスがいる!
ラスト・ボスを捜し求めて城の中の迷路を進んだ。 その時、意外な人と出会った! 死んだと思っていた人だった。その人は、その人は、主人公の父親、オルテガであった! オルテガは、ヒドラのようなモンスターと戦闘している。「オルテガのこうげき!」「ビシッ!」「ヒドラのこうげき!」「ビシッ!」...。オルテガの戦闘が続く! オルテガがんばれ! 自分が参加しない戦闘。ドラクエシリーズで最初の出来事だったと思う。新鮮だった。とにかく、オルテガを応援する!(何も出来ない自分が、もどかしかったが) オルテガが勝てば、オルテガと一緒にラストボス退治が出来る! きっと心強い仲間になる。更にオルテガと一緒に自分の家に帰って母親を喜ばせる事が出来る。 いろいろな想像をしてしまった! しかし、事はそんなに上手くいかなかった! オルテガがやられた! ヒドラが勝った。 すかさずオルテガの側に行った。そして「話す」を実行。しかし、しかし、悲しい一言が帰って来た。 「へんじがない。ただのしかばねのようだ」......。 もう一度「話す」......。しかし、同じ返事だ...。何度、話し掛けても、同じ返事...。 本当に、オルテガは死んだのか? 旅の最中にオルテガの旅の形跡が幾つかあり、そしてやっと出会えたと思ったのに。残念だった。悲しかった。 さらば、オルテガ! |
最後のボス、「ゾーマ」と対決することとなった! やっとここまで来た。受験の為に我慢してきた数ヶ月。受験も終わり、そしてドラクエも終わりに近づいている。感情的になる。
ゾーマとの戦闘。音楽がかっこいい! ラストボスとの戦闘では、ドラクエシリーズ中、この音楽が一番好きであった! 音楽の良さとは裏腹に、ゾーマは強い! 全然かなわない! こちらの攻撃がほとんどきかない! 勝てそうにない? 何か忘れたことないか?と思ってしまう。 そんな時、思い出した! 「光の玉」だ! ドラクエ1の時に伝説となっていた「光の玉」を使うのだ! さっそく、光の玉を使った! 画面が輝いた! ゾーマの闇の衣がはがされた! これで、やっと、こちらの攻撃もヒットし始めた! しかし、まだだった。次の関門。「凍てつく波動」だ。この呪文の効果を気にせずに戦いを進めていた為、なかなか思うように戦闘が進まない。 この「凍てつく波動」。バイキルト、ルカニ、スカラ、ピオリムの効果を無にするのだ。そんな事に気が付かなかった。気付かないまま戦闘を続けていたから、ゾーマを倒せない! そんな時、飲み会に誘われて若戸渡船に乗った。そして若戸大橋を見ている時に、ふと気が付いた!!! 凍てつく波動の効果を気付いた!! 「凍てつく波動」の効果を知ってから、再度、バイキルト、スクルト、ルカニ等の呪文をかけて戦った! そして、やっと倒した。あ〜、やっと倒した! 長い対決だった。つかれた! なかなか強力な敵だった。 |
エンディング曲が流れている時、これまで訪れたマップ上の街、城、洞窟の入口、塔が登場して来た。
それらを見る度に、これまでのいろいろな苦労の記憶が蘇ってきたのであった。 こうしてドラクエ3は終了した。一番の思い出は、バラモス崩壊後の展開を事前に予測出来た為に、新鮮味に欠けたこと。これさえなければ、もっと素晴らしいゲームとして、心の中に刻まれいただろうと思う。悔しかった。 それともう一つ気になる点がある。サブタイトルの「そして伝説へ」だ。 どうやってドラクエ1に繋がる伝説になるのか? ドラクエ1で登場した「古より伝わるロトの称号の発祥」とは? この謎がとけると思ったドラクエ3。しかし、その謎解きはつまらなかった。 ドラクエ3でも「ロトの称号」は古より伝えられた勇者の証しなのだ。どのように発生した称号なのかは、謎のままだった。 と言う訳で、面白い、しかし、しかし多少不満も残るドラクエ3でした。 おしまい。 ちゃんちゃん。 |