〜 一番のお気に入り!!! 〜
 

99年6月7日

ストーリー展開にはすっかり感動してしまった。
ストーリー展開はシリーズNo.1だと思う。

一般的には「ドラクエ3 そして伝説へ」が一番人気だと思うが、
私にとってはストーリーを含めあらゆる点でこの5作目が一番だっ。

主人公の幼年期、青年期、結婚、出産、子供、
と言った部分が描かれたストーリーに感激してしまった。

【旅のはじまり】
 92年10月、ドラクエ5をやっと手に入れた。発売は9月だった。でも大学の前期試験のため、我慢して10月からのスタート。今でもスーファミの電源を入れる時に胸が高鳴ったのを覚えている。

 今回の主人公は、どーも強い勇者タイプじゃない。更にはスタート時は、まだ子供だ。一人で旅が出来ない。なわけで父親パパスと一緒の旅が始まった。これからどんなイベントが仕組まれているのか?どんな謎が待っているのかワクワクした。

【パパスの死】
 パパスとの旅は楽しかった。なんて言ったってパパスは強い! 襲ってくるモンスターを簡単にやっつける。そんなパパスの旅の目的は「伝説の勇者」。最強の人を求めた旅である。

 しかし、そんなパパスとお別れの時が来た。

 サンタローズの街から、ちょいと出かけた洞窟(古代の遺跡)で、狂暴なモンスター軍団に会ってしまった。しかし、強いパパスの敵ではない!パパス強し! のはずだった。だが主人公TO-Y(自分)が人質として囚われた!

 パパスとそのモンスター軍団の戦闘が始まった。

 モンスターの攻撃、ビシッ! パパスがダメージを受ける。次はパパスの攻撃! しかしパパスの攻撃はない。「パパスはたえている」。あれ? そうだパパスは攻撃できない! 主人公TO-Yが人質になっているからだ。

 またモンスターの攻撃、ビシッ! パパスがダメージを受ける。「パパスはたえている」。またまたモンスターの攻撃、ビシッ! パパスがダメージを受ける。「パパスはたえている」...。

 このままではパパスがやられる。どうにかしないと! また、ビシッ! 「パパスは力をためている!」。
 えっ、「力をためている」?、という事は、次こそパパスの攻撃が炸裂する? しかし、パパスは攻撃しなかった。攻撃を受けるだけだ。

 パパスは、ベホイミを使って傷を少しばかり癒す。パパスの出来る事は、それだけであった。
 しかし、ビシッ!ビシッ!ビシッ!攻撃が続く。

 そして、敵の攻撃を何回受けただろうか。だがパパスは耐えた...。
 しかし限界があった。そして、とうとう最後がやってきた。

 「ぐうぉぉぉぉぉ」。パパスの断末魔。倒れるパパス。もう二度と起き上がってこない...。自分が人質に囚われたばかりに...。

 パパスは死んでしまった。何もできないまま。もし、人質にとらわれていなかったら。しかし、「もし」はない。 

 そして、残った主人公TO-Yは...。 モンスターに連れられて闇の彼方へ消えてゆく...。 あぁ〜、パパスはもう帰ってこない...。

 それから数年の歳月が流れた。再び、画面に主人公が現れた。主人公は青年になっていた。奴隷収容所にいた。奴隷として働かされていた。

 しかし、もうここでの生活は限界だ。脱走しなくては! 「きっと復讐してやる!」そう思って、数年間いた収容所を脱走した...。ラインハットの王子、ヘンリーと共に脱走した...。

【結婚と子供】
 収容所を脱出した。そしてあてのない旅が始まった。旅...、以前は隣にいたパパスはもういない。一人の旅が始まった。 

 旅の途中、アルカパの街で幼なじみのビアンカに会った。子供の頃、ビアンカと一緒に冒険をした事を思い出した。

 お化けの出るレヌール城だった。

 あの城で拾ったゴールドオーブ。あのオーブは一体なんだったんだ? しかし、そのオーブはパパスと一緒に砕けた。もう、どうでもよい事だ。

 そして、なんとビアンカと結婚する事となった(フローラと選んだ末に)。たかがゲームで結婚? このゲームはまるで人生だ。面白い。

 ビアンカと、そして途中で仲間となったモンスター達と旅を続けた。グランバニア城を目指して! 山を登った。山の頂上のチゾットの街から、下方に目的のグランバニア城が見えた。

 あともう少しだ。
 この城こそ、主人公TO-Yの故郷。パパスと一緒に旅を始めた場所。もう少しだ。 

 そんな時、ビアンカが倒れた! 敵モンスターにやられたのではない。何故だ?緊急事態だ! しかし、違った。

 なんとビアンカは妊娠していたのだ。

 TO-Yとビアンカの間に子供が出来たのだ。故郷の城にパパスと戻る事は出来なかった。しかし、新しい命がここにある。城のみんなも喜んでくれるだろう。

 しかし、このゲーム。子供の誕生まであるとは。大河ドラマのようだ。

【勇者の血、まさか自分の子供が伝説の勇者とは...】
 グランバニア城に到着した。ビアンカが無事出産した。双子だった。TO-Yはパパになった。そして城下町ではお祝いの宴が始まった。みんなが自分とビアンカを明るく迎え入れてくれた。宴は楽しかった。

 しかし、宴の後の深夜に事件があった。この時は小さな事件に思えた。それは間違えだった事を後で知る。

 モンスターが城に入り込んで盗んでいった(何を盗んだか忘れた)。

 TO-Yはモンスターを追いかけた。

 そしてデモンズタワーに到着した。このタワーの最上階にモンスターがいる。最上階を目指した。このタワーで何が起こるか知る術もなく、最上階を目指した。そして、モンスターに追いついた。

 んっ?見覚えのあるモンスターではないか!忘れもしない。父親パパスの復讐の相手の一匹であった。

 迷いはない。ただ倒すのみ!剣をふる。魔法を仕掛ける! しかし、如何なる攻撃も通用しない!何故だ?そこにはバリアがあった。成す術なし。敵に一撃も与えられない。このまま死ぬのか?

 そんな時だった。 ビアンカが捨て身の攻撃に出た。

 ビアンカから光が放たれた。

 今まで見た事のない激しい光だった。敵はうろたえた。バリアが砕けたのだ。よし、バリアがなければこっちのものだ!
 しかし、ビアンカは? 気を失っている。 しかし、命には問題ないようだ。大丈夫。バリアが砕けたのだ。さぁ、攻撃開始!

 モンスターは完全にうろたえている。

 だが、バリアが砕けた事にうろたえているのではない。ビアンカの放った光に驚愕している。

 何故だ?モンスターが口を開いた。「この、ひ、光は...。バリアが砕かれるとは...。このバリアを砕く事が出来る者は、で、で、伝説の勇者だけのはず。

 も、もしや、伝説の勇者とは...。いや、そんなはずはない!」と、モンスターが叫んだ。

 モンスターは簡単に倒れた。しかし意外な展開であった。隣で気を失っているビアンカが伝説の勇者の血を引く者?まさか。 そうすると、ついさっき産まれた双子、TO-Yの子供こそが、「伝説の勇者」?パパスが捜し求めていた伝説の勇者が、TO-Yの子供?信じられない。

 とにかく、ビアンカを連れて帰ろう。はやく子供達に会いたい。伝説の勇者かもしれない子供達に...。

 しかし、事件は終わったわけでなかった。まだ、モンスターは生きていたのだ。モンスターの最後の一撃が放たれた。それは最悪であった。気がつくとTO-Yとビアンカは石になっていた。石になった二人は、世界の果てに捨てられた。子供達に会えぬまま。

 そして、春が来て花が咲いた。夏になって葉が緑になる。次は紅葉。そして雪。

 1年がたった。

 また花が咲き、緑、紅葉、雪。何回繰り返されただろう。悲壮な音楽が流れる中、石のまま7年が過ぎた。子供達は無事なのだろうか? いやその前に石のまま一生を終えるのだろうか?

 そんな時、石の側に二人の子供がやってきた。二人の子供は呪文を唱えた。

 いとも簡単にTO-Yとビアンカの石化を解いた。やっと動けた。

 しかし、この子供の正体は? はて?もしや。いや、まさか。

 なんと自分達の双子の子供、伝説の勇者であった。

 パパスが捜し求めた伝説の勇者。やっと再会したのだ、子供達に(しかし、この石化の演出のおかげで、成長した子供達と共にこれから戦えるとは、なんとも憎らしい設定だ)。

 しかし、あの敵モンスターの正体は一体?謎であった。

【子供の頃に訪れた街に、大人になって訪れた時の感情】
 ちょっとストーリーから外れる。

 子供の頃、パパスと一緒に訪れたサンタローズの街。

 その街に成長して再び訪れた。
 サンタローズの街はすっかり変わっていた。廃虚となっていたのだ。邪悪なモンスターに襲われたらしい。
 しかし、何か違和感がある。何?廃虚だから?いや違うぞ。なんだ?ふん? なんだかこの街、小さくなってないか?気のせいか?

 現実世界で、子供の頃によく遊んだ公園に、大人になって数年ぶりに訪れると公園が何故か小さく見えることがある。これに似た感情のような気がした。

 これは全くの私個人の解釈だ!と思った。だが違った。ある雑誌にドラクエのシナリオライターで有名な堀井雄二氏のインタビューが掲載された。そして氏のコメントに驚いた。

 あの街は、わざとに小さくしたらしいのだ。「子供の頃によく遊んでいた場所を、しばらくぶりに大人になって訪れると小さく見えるでしょう。あれを演出したかったんですよ。

 しかし、これに気がつく人はいるかな?気が付かなくてもそれを何となく感じる人がいてくれればいいなぁっていう、ただの自己満足レベルの演出ですよ」というような事を堀井氏が答えていたのである。

 これには、堀井氏のゲームセンスにすっかり脱帽、そして感激だ! こんな細かな事までも演出している。こんなゲームクリエーターは他にいるだろうか? こんな人と一緒に仕事ができたら、どんなにすばらしいだろうか?
 今でもそう思っている。 

【天空城】
 さて、TO-Y、ビアンカ、伝説の勇者の双子と共に旅は続く。

 敵モンスターの謎を追って。

 どうやら、モンスターには巨大なるボスがいて、この世界を滅ぼうとしている。
 先のモンスターはその部下である。パパスの復讐の相手も、そのボスの部下にすぎないようだ。
 パパスはモンスター達のそんな気配をうっすらと感じて、モンスターを倒すべく、伝説の勇者を探していたのだった。

 旅の途中、ある城にたどり着いた。
 水没してしまった城だ。流れる音楽が素晴らしい。
 しかし、この城、見覚えがある。折れた柱、砕けた壁、老朽化が激しいが、この城、どこかで見た事がある。それも昔に。
 どこだ? そして流れる音楽もどことなく聞き覚えがある。

 どこだ? あっ! もしや。

 この城はドラクエ4で登場した「天空城」?まさか!

 4の時の天空城は優雅で華やかな城だった。
 しかし、今は優雅の欠けらもない。老朽化が激しい。しかし、この城は紛れもなく天空城。流れる音楽も4の天空城の音楽に似ている。
 間違いない。ドラクエ5は4の続編なのだ。

 あ〜、しかし、ドラクエ4を思い出す。
 ピサロが復讐の一心で変わり果てた姿、エスターク、ヒャダルコを連発した4章の敵、そしてライアン、トルネコといった仲間。主人公の夢のシーンも思い出した。懐かしい。ドラクエ4をプレイした者だけが味わえる想いである。

 こんなに前作が思い出されるとは、ドラクエこそ、王者。そう思えてしまった。

【タイムスリップして、子供の頃の自分に会って...】
 旅の途中でいくつか手に入れたオーブ。このオーブを全て集めなければいけない(理由は忘れた)。

 そこで思い出した。

 幼年期の頃、パパスが殺された時、持っていたゴールドオーブを砕かれてしまった事を。

 砕け散ったオーブは元には戻らない。どうすべきか?そんな時に過去へ戻るタイムスリップの方法が見つかった!過去に戻って、砕かれる前のオーブを手に入れるのだ!

 そして、過去に戻った。TO-Yとパパスがよく訪れたサンタローズの街だ。この街で幼年期のTO-Yに会う。そしてオーブを偽者とすりかえる。これが目的。

 その時、ある事を思い出した。幼年期の時、この街で「怪しい人物」を見かけた事を思い出した。
 その人物、TO-Yの青年期、つまり今と同一のデザインであった(箱の裏にデザインが掲載)。幼年期の頃、「何故、青年期の自分がここにいるのか?」と思った。ただ同じデザインの人なのか? つい、悩んだ。

 そして、TO-Yが青年となって過去に戻った。再びこの街に訪れた。そして怪しい人物の正体が判明した。

 怪しい人物とは、なんと自分である。成長して青年になったTO-Yである。タイムスリップしてやってきたTO-Yだ。つまり、今、こうやってタイムスリップしてきた自分である。

 そして、幼年期のTO-Yがいた。子供のTO-Y、青年のTO-Yの出会い。幼年期にこういうシーンが確かにあった。

 それが数年の歳月を経て、また再現されている。時は巡るのである。あの時にこのような展開になると、一体誰が想像したか! このような伏線を張っていたとは! まったく凝ったストーリーだ!

 そして、目的通りオーブを取り替えた。目的は達成された。さて、現世に戻るか。いや、まだしなければいけない事がある。そう、パパスを助けるのだ。

 この時代なら、パパスが生きている。

 パパスが城、洞窟に行くのを止める! そうすれば敵に遭わない。そして死なない。そうだ、パパスに会おう!会って止めるのだ。パパスのいるはずの自分の家に走った。
 パパスは家にいた。そして言った。出かけるのを止めるように言った。

 しかし、パパスは城、洞窟へどうしても行くという。運命の洞窟に行くと言う。青年のTO-Yが何を言っても無駄だった...(銀河鉄道999の一場面を思い出す)。そして、パパスは子供のTO-Yを連れて、運命の洞窟へ出発した。

 やはりパパスを救えなかった。空しかった。

 タイムスリップによる、謎を解いた満足感、そしてパパスを救えないという悔しい思い。複雑な気分のまま現世に戻っていった。

【最後にパパスに再会】
 長い旅だった。パパスの復讐相手のモンスターも倒した。後は、モンスターのボス・ミルドラースを倒すのみ。
 そして、ボスのいる洞窟を進んだ。長い洞窟である。ボスを探して進む。

 その途中、パパスに再会したのだ。しかし、パパスは実存しない。パパスは自分の母親ママスと共に天国から自分達を見守っていたのだ。その時に流れた音楽が最高だった。

 そして、最後のボスとの対決が始まった。
 この敵はデス・ピサロより強いのだろうか? そしてボスを倒した。デス・ピサロより弱かった。

 何もかもが終わった。クリアした満足感もあるが、もうドラクエ5とお別れかと思うと寂しかった。次のドラクエYはいつ発売されるのか?3年以上は先だろう。長い。

 エンディング、またパパス&ママスが出てきた。感動のフィナーレ。

 長かった。

 パパスの死、ビアンカとの結婚、出産。そして伝説の勇者が自分の子供だった。数々のイベントに感動した。よかった。まさにRPGの王者たるゲームであった。



と以上のように、
私がシリーズ中、一番気に入っている5について長々と書いた。

これほど長くなるだけ、5には感動してしまった。

おしまい

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