最悪、最高につまらなかった映画

メジャーな映画は前評判が高いだけ、
どうしても面白いと期待して映画を見てしまいます。

その結果、決して駄作と言うわけではないのだけど、
その期待ととギャップの大きさにその映画に失望してしまう。
そんな映画について書きました。


[1] アルマゲドン
ARMAGEDDON /98年米  (99年4月26日)

 この映画に感動する人の気持ちがよくわからない! 確かにCG、アクションシーンは一流であった。その作り込みは素晴らしかった。しかし、それ以外が最悪であった!

 半年ほど前に「ディープ・インパクト」と言う映画が公開された。
 アルマゲドンと同様に隕石が落ちるというストーリーであったが、こちらの方が何倍も面白いものであった。隕石による地球滅亡、地下都市、宇宙船が隕石にぶつかる等、「宇宙戦艦ヤマト」のパクリかと思う映画ではあったが、「ディープ・インパクト」は面白かった。

 だが、面白かった「ディープインパクト」に類似している「アルマゲドン」は、最悪であった。

 まず、陳腐なストーリー。ストーリーを思い出してみると、隕石が地球に落ちてくる、だから落ちる前に隕石の爆発を試みる、しかし失敗したので主人公が犠牲になって爆発させる。たったこれだけである。

 更に3時間という長い映画だったが、不要なシーンが多かった。
 宇宙に出て最初にロシアの宇宙ステーションに燃料補給をするが、この際に失敗して宇宙ステーションが爆発してしまう。さて、このシーンは必要なのであろうか? 今後のストーリーに大して関係ないのではっきりいって邪魔なだけである。3時間も無駄に時間を使いすぎているだけ本当に邪魔! 最後の感動を狙ったシーンなんか見栄見栄の展開である。このシーンで泣いた人がいるとは、私には考えられない。

 そして何と言ってもリアリズムの貧弱さ! 映画と言うのは、架空でかつ、非現実的なストーリーが多い。しかし、非現実的であるからこそ、「もしもこのストーリーが現実のものとなったならば、きっとこうなるだろう」というリアリズムが必要と思う。
 リアリズムがないと映画にのめり込めない、つまり感情移入が出来ない。ターミネーター2は、この点が優れていたと思う。液体金属のロボットを最新CG技術を使うことにより、現実感あるロボットに仕上られていたと思う。

 しかし、アルマゲドンは違う。現実感が全然なかった!

 まず、隕石に降り立った主人公達への重力はどうなったのであろうか?
 隕石は月よりも小さいのでその重力は地球の1/6以下のはず。しかし、この隕石上にいる主人公らの行動には、この小さな重力を感じさせるシーンはなかった。隕石にいる事を忠実に再現していないのだ。
 そのくせ、隕石の上を車で移動する際に、重力が弱いという理由からクレーターをジャンプするシーンがあった。都合のいい時にだけ、重力を意識している。なんという適当なストーリー展開か!

 また、スペースシャトルが隕石の上に降り立つこと事態に無理がある。さらに、その直前に隕石から降ってくる小さな石を避けながら宇宙を飛ぶ事がおかしい! 宇宙は空気も無いので、石を避けながら細かく進路を変えて飛ぶなんて芸当は出来ないはず!
 更に隕石から飛び立つシーンにも疑問があり。隕石爆発まであと10秒をきった時、「あ〜、もう間に合わない。全員死んでしまうのか?」と思ったら、ものの5秒程度の準備で飛び立っていった! 地球から飛び立つ時は、細かな操作、そしてカウントダウンが必要なのに、隕石からのテイクオフには5秒でいいの?

 そして、ブルース・ウィリスら全くの素人が短期間の訓練で、だれも脱落すること無く宇宙に飛び立つこと事態がおかしい。
 アポロ13の映画を見てわかると思うが、ちょっとした体調の変化で宇宙には出られないことがあるのに、このアルマゲドンでは素人数人が全員宇宙に行くこと事態おかしい。
 更に、最後の方で、気が狂った人、お前は何も働いていないじゃないか! 映画の登場人物と言うのは必ずなにか影響を与えるはずであるが、この狂人は最後まで一切何もしなかった。映画に登場した意味は一体なんだったの?(素人がいきなり宇宙に行くと発狂するかもしれないと言う事を表現しているの?)

 このようにアルマゲドンには、リアリズムのないシーンがたくさんある。このリアリズムの無さが、私をこの映画へ集中させる壁になってしまい、全然感情移入ができず、面白さを感じなかった。

 ということで、この映画のどこに感動するのか理解できない。
 巨額な費用で作られた映画であり、前評判も高かったため、かなり期待をしていた。しかし、上記のような内容。期待とのギャップが大きく、とても受け入れられない映画であった(ダイハード3から、B.ウィルスは大していい映画には登場していないと思う)。


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