第4回目: 光の速さ
99年6月10日
 タイムマシンを作るためには、つまり未来に行くため、過去に行くためにはどうすればよいか! 第2回、第3回で長々と書きましたが、まとめてみます。

 まず、タイムマシンとは、速度、それも光速と関係があるのです。
 どんどん速く走る。とにかく速く、速く! そして、光の速さ(秒速30万km、1秒で地球を7周半)に近づく! 光速に近づくと【未来】へゆけるのです! 例えば、光速に近い速度のロケットで宇宙へ旅立ちます。ロケットで1年間過ごして地球に帰ってくる。すると地球では、20年の時間が経過しているのです。つまり未来の地球へゆけるのです。

 更に速度を上げてゆく!どんどんと。そして、禁断の領域、光速を越える! 光よりも速く進む! そうすると今度は過去に行ってしまうのです! 例えば、光速を越えた速さのロケットで旅立っていく。そして地球に帰ってくると、過去の地球に戻ってくるのです。

 これがタイムマシンの理論であります。高校の物理の授業の時に、於保先生が教えてくれた「お話」です。私にとって果てしなく魅力的なお話でした。於保先生が、この話をしてくれなかったら、タイムマシンにこれほど興味が湧かなかっただろう。そして物理の勉強もしなかったと思います。それほど、私にとっては魅力的な話でした。

 しかし、「光の速さに近づく」&「光の速さを越える」と言うのは並大抵の事じゃない! 現在の最先端技術を使っても、人類の乗り物の最高速度は光速の1%にも満たない!(最高速の宇宙探査機でも秒速100km。つまり「0.03%」)(ただし、ミクロな世界、つまり肉眼では見れない電子レベルでは、光速の99%以上の速度を実現している)

 更には、現在の物理学では「光速を越える速度を許していない!」のであります。「万物の速度は光速を越えない」。これがアインシュタインの導き出した答え。これは、何故か? 何故、光の速度を越えてはならないのか? 越えられないのならば「過去へは行けないのか?」。その謎を今回紹介します! と、言いたかったのですが、もう一つ気になることがあります。

 もう一つの気になる点。もう一つ疑問。それは、光の速さで進むとどうなるか? 光速に近づくと未来、越えると過去。では、光速ならばどうなるか? 想像してみて下さい! 答えはたった一言。それは【光速ならば時間は進まない!】。
 第3回のヤマトを考えてみましょう。もしヤマトが光速で移動したら、ヤマトの乗組員にとっては、一瞬たりとも時間が経過していないのであります。ヤマトが光速で1年間進むとします。つまり1光年の距離を移動します(1光年は光が1年かかって進む距離)。ヤマトの外にいる人にとって、この間の時間は、もちろん1年間であります。しかし、ヤマトの乗組員にとっては、無時間。一切、時間が経過していないのです。
 ヤマトの中の光源から発せられた光は、向いにある鏡を目指して進みます。しかし、その鏡は、ヤマトと同じく光速で移動している。つまり、光も光速、鏡も光速。ということから、光源から発せられた光は、永遠に鏡に追いつかないのであります!
 やや混乱してきたと思いますが、これが光速の正体なのです。

 さて、これで「光速に近い速さ」、「光速と同じ速さ」、「光速を越えた速さ」についての説明が出来たと思います。ということで、かなり前振りが長くなりましたが、第2回からずっと問題視している「光速を越えるための壁」を説明しようと思います。光速を越えるための大きな問題点とは何か?これがあるがために、タイムマシン設計が困難になってくるのです。

 あっ! しかし、しかし、この第4回目もかなり長くなってきました。ということで、その説明は次回の第5回目にしようと思います。今回の第4回目まではタイムマシンとしての理想を書いたのですが、次回からはタイムマシンを作るために問題となる現実問題を見て行こうと思います。それでは、次回を乞うご期待!

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