第7回目: 大切なのは情報を伝える速さ!
99年7月18日
 イオン化した気体の中では、光は『光速を越えたスピード』で進む。 つまりタキオンが発見されたのだ!
 この光に何かしらの情報(*1)をのせることが出来れば、または、この光と一緒に人間が移動することが出来れば、タイムマシンも夢ではない!

(*1)光にのせる情報とは、別に特別なことを言っている訳じゃありません。TV電波、携帯の電波等にのっている情報と同じようなものですので、斬新な技術は不要です。
 ここで、光が運ぶ情報、つまり伝達される情報というのが重要であります。

 この「伝達される情報の速度」が光速を越えないと、タイムマシンには成り得ません。伝達される情報の速度が、光速を越えてこそ、過去や未来の情報を見る事が出来るのです!!!

 しかし、この「伝達される情報」こそがネックだったのだ!!!
 イオン化された気体を通過する光は、光速を越える。これは間違えがなかった!
 しかし、『光速を越えた光によって伝達される情報の速度は、光速を越えてなかった』!!

 何故? 一体どういうことなのだぁ??

 これらの事を、毛虫の動きを例にして説明します。
 まずは左図の「毛虫の背中」に注目します。毛虫が移動する時に、この背中は上下に波打って動きます。それも毛虫の移動速度よりも速く波打って動きます。

 逆を言うと、「毛虫の背中は、上下に速い速度で波運動をするが、毛虫自体は、その背中の【上下速度より遅い速度】で移動する」のであります。イメージできますか?
 つまり、どんなに速く背中を動かそうと、毛虫自体は、それほど速く移動していないのです。
 これを今回の光に当てはめてみます。
 毛虫の背中のように、上下に速い速度で波運動に当たるものが、イオン化された気体内を移動して光速を越えた光の速度。これを『位相速度』と言います。
 毛虫自体の速度に当たるものが、情報を伝える速度なのです。これを『群速度』と言います。

 タイムマシンを作る際の重要となる速度は、この場合でいうと、「光速を越える:位相速度」ではなく、「情報を伝える:群速度」なのです。この「群速度」が光速を越えないと、タイムマシンの実現には意味がないのです。伝達される情報が光速を越えないと過去を見る事が出来ない、または過去へは行けないのです。

 さて、イオン化された気体内を進む光の「群速度」は? 群速度のスピードは光速を越えているのか?  ここで残念な結果が出てきました。

 イオン化された気体内を進む光の『群速度は、決して光速を越える事が不可能』であると照明されたのです。つまり、このイオン化された気体内を光速以上で進む光も、タイムマシンには一切有効的ではなかったのです!
 あ〜、せっかくタイムマシンの実現に対して、明るい兆しが見えたのに、非常に残念な結果でありました。
 やっぱり、光速をこえたモノ、タキオンは発見できないのか? タキオンが存在しないと言うことは過去へは行けないのか! やっぱり完全なるタイムマシンはできないのか?

 いや、まだまだタイムマシンを諦めてはいけません!! そう。なんと、まだまだ、光速を突破する道が残されていたのです! その残された道。それは、運動を表す『方程式』にあったのです!! まだ、あきらめてはいけません!

 ということで、ますますの謎を残しながら、次回に続くのでした。

 最終回まで後、もう少しです。 意外な事実が隠された(?)最終回まで、あともう少しです。最後まで読んで下さいね!

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