3. リフティングとは
●リフティングとは
サッカーをやっている子なら誰でも知っている「リフティング」。手以外のあらゆる体の部分を使い、地面にボールをつけないようにコントロールする。ただそれだけのものであり、「この練習が何に役立つの?」と疑問を持っている父兄の方・子供達もたくさんみえると思います。しかし、サッカーの上手な子はリフティングも上手なことは我がチームの中を見ても事実。グランパスカップの時、グラ育成の子供達が1年生ながら上手にリフティングしている姿をみてビビったことも思い出されます。リフティングにはいったいどんな効果があるのか?色々調べてみましたので、興味がございましたら、一読してみてください。
●リフティングの効果
−その1− 正確にボールを捕らえるキックが身につく
リフティングをやってみると判りますが、ボールの中芯を正確に蹴らないと、ボールがとんでもない方向に飛んでいってしまいます。リフティングの回数を増やすには、先ずこの中芯を蹴ることを体に染み込ませることが大事になります。強いボールを蹴るにせよ、コントロールしたボールを蹴るにせよ、中芯を蹴ることが基本です。最初は特にインステップを意識してやると良いです。野球で言えばティーバッティングの効果に相当すると思います。
うちの息子は・・・「ボールの中芯ってどこ??」(わからない子もいると思いますので教えてやって下さい)
−その2− 機敏なフットワークが身につく
上記の様にリフティングはボールの中芯を捕らえることが基本ですが、何十回・何百回も連続で中芯をとらえることはなかなか困難です。リフティングの回数を増やすには、右へ行ったり・左へ行ったりするボールに追いつき、再度ボールの中芯を蹴る必要があります。リフティングが出来ない子供達に共通しているのが、足だけを伸ばしてボールを捕らえ様とする事です。仮にこのような体勢でボールを捕らえることができたとしても、次にはなかなかつながりません。要はフットワーク(ボールに体を寄せる一歩)を使って、逸れたボールに追い付く必要があるのです。中芯をまだ上手に捕らえられない状態、この時こそ機敏なフットワークを身に付ける絶好の機会です。
うちの息子は・・・最初は蹴り足をちゃんと着地せずに、次の蹴る動作をしようとして失敗してばかりいましたが、これでは絶対にフットワークは使えません。このような状態の時はまず足をしっかり着地することを教えましょう。
−その3− サッカーに対するモチベーションを高める
リフティングは回数がはっきりするため、個人の能力を数値的に評価しにくいサッカーにおいて、非常に明確に他の人との比較ができる練習です。しかし、技術的にもまだ未熟な子供達が一人で工夫しながらやっても、なかなか上手くいきませんし、結果長続きもしません。そこで必要になるのは目標の設定と親のフォローです。親が子供のレベルにあった目標を的確に把握(もしくは設定)し、時間が取れる時は一緒になって見てあげて、うまくできたらほめてあげる。めげそうになったら励ましてやる。これを繰り返しせば、かならず良い結果がでるはずです。そして結果を得ることによりサッカーに取り組む姿勢がきっと変わります。
うちの息子は・・・目標をクリアすると、次の目標を自分で立て、一生懸命やってます。記録の壁を破るのが結構楽しいようです。2・30回できる様になると、何も言わなくても勝手にやるようになりました。
−その4− プレーに自信が持てる
試合でうまくプレイできない子も、リフティングの目標を達成したと言う自信が強力な後ろ盾になるはずです。「絶対うまくできるはず」「自信をもってやろう」という励ましも、自信と言う言葉の意味を身をもって理解している子供達にこそ有効な励ましであり、励ましにより精神的にタフな状態を作ることができます。サッカーに限らず自信を持って本番に望めることほど、心強いことはないですよね!
うちの息子は・・・あまり効果が見られませんねぇ。(まだしかりすぎかな?)
●まとめ
リフティングによって得られるものはたくさんありますが、結局のところ努力することにより、目標を達成することができるということを学ぶのが一番のメリットでしょう。
ただし、回数を積み重ねるだけのリフティングは、ボールを正確に捉える練習でなく、持久力をつける練習になってしまうという見解もあります。これは回数を積み重ねることを目標にすると、自分のやりやすい所(利き足やもも)でのリフティングに偏ってしまうところに欠点があると思います。ある程度リフティングができるようになったら、部所を限定(例えば左右交互にとかもも禁止とか)した目標に切り替えた方が良いかもしれません。これは考え方次第なのでなんとも言えませんが...
あるHPのコラムによると、「リフティングによってボールコントロールをより完璧なものへと磨くことにより、精神的タフネスな状態に入りやすくなり、それがプレーを安定させ、更なる精神面の良化を促し、――つまり、いい気分になって、調子に乗ってきて、何でもできるという気持ちになれること――これが、信じられないようなスーパープレーを生み出す。」とあります。これを目指しましょう!
●ご参考
学年別のリフティング回数の目安です。ご参考までに。
★1年生の目標★
インステップでのワンバウンドリフティングを連続20回。
ボールの捕らえ方、けり方、足首の力の入れ方を確認しながら、正確な場所で蹴れるように。
上体の使い方、フットワークもこの段階で覚えよう。
★2年生の目標★
好きな部所を使って50回。利き足だけでも充分できます。
ボールを高く上げない(胸くらいまで)ようにして、足首をきっちり固定できるように。
50回クリアできたら、できるだけ両方の足を交互に使い、100回を目標にしよう。
★3年生の目標★
両足を交互に使って200回。
できるだけ低い位置で、足首をまげて足首でボールコントロールしながら。
ボールを上げる高さはなるべく低く(腰以下)してリズム良く。
リフティングしながら落とさず歩けるように。
300回を超えたら、色々な位置でリフティングきるように練習しよう。
★4年生の目標★
ここまで順調にきたら500回以上はできるはず。
リフティングをしながら落とさずに走ったり、技(ボールを足に乗せる、首に乗せるなど)にもチャレンジ!
★5年生以上★
ここまでくると、回数は関係ないかな。
CMの中村俊輔みたいに、遊び要素を取り入れ、ボールを自在に扱えるようにしよう。
●あとがき
リフティングが少しできるようになるとコーチが子供達にひっぱりだこ。人気の秘密は2人リフティング。子供達はコーチと「勝負」をするのが楽しいようです。最近(昔からか?)の子供は遊びに「勝負」の要素が入っていることを好みます。サッカーの自主練習にも勝負の要素をいれると良いかもしれませんね。親子でサッカーの練習をする時、「こんな勝負をしてるよ」という練習方法がありましたら、是非教えてくださいね。
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