2.スポーツと栄養「ジュニア期の望ましい食生活」
《勝利を目指す食生活》 ◎牛乳を飲みましょう ・ たんぱく質、カルシウム、ビタミンを多く含み、特にカルシウムの吸収率が良い食品です。 ・ 一日に600mlは飲みましょう。 ・ エネルギーや脂肪分の気になる人は、低脂肪牛乳やスキムミルクの利用をすすめます。 ・ 食事の時に飲みながら食べは、鉄分の吸収に影響するといわれます。できるだけ食事と食事の間に取り入れましょう。 ・ 夜、就寝前は、コップ一杯(200cc)程度にしておきましょう。
《バランスの良い食事》 ◎毎日そろえよう3つの皿を(主食・主菜・副菜) 〔主食をしっかり食べましょう!!〕 ・ご飯、食パン、うどん等の炭水化物の主食を一食に必ず取りましょう。(ご飯なら2杯) 練習が多くなればなるほど、おかわりをして食べましょう。ご飯の中に強化米を入れると、不足しがちなビタミン類が取れやすくなります。 〔たんぱく質のおかず(主菜)に気をつけよう!!〕 ・たんぱく質は体づくりのためには必要ですが、あまり脂肪はいりません。調理法(揚げる・炒める・煮る等)に気をつけ余分な脂肪の取り過ぎに気をつけましょう。 〔野菜料理(副菜)は意識して食べましょう!!〕 ・野菜は特に不足しがちです。できるだけたくさん食べるように意識しましょう。ほうれん草や人参、かぼちゃ等の緑黄色野菜は、毎日食べましょう。肉等のたんぱく質の主菜の2〜3倍の量です。付け合わせの他に、小鉢に野菜料理を一品つけましょう。
《試合直前の食事の取り方》 ◎試合で、練習の成果を発揮するために、食事を取るタイミングが重要です。 ・ 食べなれているものを食べる。 ・ 糖質の多い食品をしっかりとる。(ごぼう・うどん・もち・パン・カステラ・バナナなど) ・ 果汁や100%ジュースなどビタミンCを多く含むものを食べる。 ・ 刺身などの生もの、揚げ物や脂肪を多く含むもの(脂身の多い肉など)、繊維の多いもの、その他胃腸に負担のかかる食べ物は避ける。 ・ 試合時間にあわせてタイミングを調整する。 目安:試合開始約3時間前までに食事をすませる。 1時間前までに必要があれば軽食を取る。 ・ 試合までの時間があきすぎたり、試合が長引いておなかがすいたり、さらにエネルギー源を蓄えたい場合は、バナナや果汁100%ジュース、カステラなどを試合直前・途中に軽く取り入れましょう。
《試合後の食事はしっかり取って疲労回復を》 ◎連日試合が続くと、疲労で食欲が低下しがちです。食事や睡眠を十分取って、その日の疲れを十分に回復させ、次の日に疲れを持ちこさないことが大切です。 ・ ごはんやパン、めん類などをしっかり取ってエネルギー補充をしましょう。 ・ エネルギーづくりに消耗されたビタミンB群、運動のストレスで消費されたビタミンCを補充しましょう。 ・ 練習の成果、実力発揮のためのコンディションづくりには、朝・昼・夕の3回の食事と、おにぎりや果物、牛乳などの補食を取ることは欠かせません。食事内容・タイミングに気をつけベストコンディションで試合に臨みましょう。
《水も立派な栄養だ》 ◎スポーツ選手にとって通常の食事ではあまり考慮しなくていい「水」も重要な栄養素といえます。汗で水分を失うと血液が濃縮されてドロドロし、筋肉への酸素・栄養素の運搬がスムーズにいかなくなり、競技能力にも悪影響を及ぼすことになります。水は汗をかいた分だけとらなくてはなりません。 〔練習時〕 冷たい水、麦茶などを飲みましょう。 水分補給の目安は 練習前:300〜500ml 練習中:のどが渇く前に100〜150ml、10〜15分おきに 練習後:300〜500ml 〔試合時〕 冷たい水、スポーツドリンク、手作りレモン水などを飲みましょう。 水分補給の目安は 試合前:300〜500ml 試合中:のどが渇く前に100〜150ml 試合後:300〜500ml ※スポーツドリンクを飲む時は2倍に薄めましょう。 オレンジジュースの時は100%のものを4倍に薄めましょう。
長崎県スポーツ科学・栄養研究会 近 藤 昭 子 氏 |