遠山の目付けとはよく言ったものである。近眼であってもその構えや面の角度などからどこを見ているか見当がつく。目は口ほどに物を言う。相手の目を見て技を出すことを心がけてほしい。そうすると、逆に目の動きで相手を惑わすこともできるようになると思う。また、いい姿勢となる。

 

君子危うきに近寄らず

一度、家の近くで2人組みにかつあげされそうになったが、堂々とした態度(これはあまり関係ないかも)と隙のない視線で終始優位にたって、説教までしてしまった。相手の目の奥を見ることで相手の心の動きや、次の行動が手にとるようにわかった。

一番心強かったのは、雨の日だったので長い傘を持っていたことである。

 かつあげ歴が浅い子達だったのかもしれないが、ナイフを持ってるってしきりにポケットに手を入れていた。傘を持っている僕としては、出す瞬間を払い落とすつもりだった。頭の中にシミュレーションでの勝負が描き出されていた。自分の落ち着きにあとで自分が驚いていた。結局、彼はナイフを出すことはなかった(出せなかったとおもう)。

目の動き、相手の心までをも見透かす遠山の目付けの威力を知った。自分の力量や、伝えたいことを十二分に彼らに伝達できたとおもう。また、相手を傷つけずにその場を制することができたのが何よりうれしかった。

こんなにうまく勝負をつけれることは今後ありそうにないだろう。最近の治安を考えると生きてるだけでラッキーかも。こうなる前に危険から遠ざかるのが、一番賢い選択だとおもう。夜道には気をつけよう。

  あのときに逆に相手の目の奥が見えなくて、「まずい」と思ってたらどうなっていたか考えると今でもぞっとする。

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