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一本の難しさ 昨日できた打突が今日はできない。昨日までできていたことが今日はどうやっていたかも忘れているということがスポーツの世界ではざらにある。不変のものはないのである。できなくなっているのは成長しているからである。一日一日成長していて昨日精一杯であったことが今日は軽くできてしまうようになっているのに昨日と同じように精一杯してしまってその結果崩れていってしまうことが多い。絶えず客観的な目を養って剣道であれば当たる瞬間の感覚を毎日チェックするぐらいの鏡の前での素振りや踏込みの練習をしてほしい。 練習(稽古)への心構え 面をつけて稽古するのがすべてではない。外でのランニングや筋肉トレーニングなども重要だし、鏡の前の素振りも重要だし、試合などで強い相手の動きを研究するのも大事な稽古である。人の振り見て我が振り直せと良く言われたもので、コーチをしていると見ることによっていろいろわかることがある。 ランニング、筋トレや素振り 基礎筋力をやしなうため。ランニングの時に自分の腰(重心)の動きを考えながら走ると剣道の中でもいかせる。 一言・・・基礎筋力や体力がないと稽古についていけないし、そこで無理をして怪我や癖などがついてしまう。素振りでもいいから基礎体力は付けよう。 鏡を使った素振り 構えや自分の振りのチェック、踏込みのチェック、手と足のバランス、腰の位置の確認など基本動作の確認、注意されたことの確認(一度いわれたことは必ず治していかないとどんどん治さなければいけないところが増えていく)基本は「速く、大きく、美しく」。 一言・・・ここで自分の基本となるものを確立しよう。確立したものがあれば修正することができる。また、自分で修正したところを確認できる。また、打突が決まる瞬間の体の姿勢を目で見て確認することは一本のうちをわかるための最重要課題だ。一本の技ができているかは、「これは一本になりますか」という質問形式で聞いてくれ。「どうすれば一本取れますか」という質問よりは具体的な答えが出せるであろう。 面をつけての稽古 ここでは、基本打ちの確認、実際の相手に対しての打ち込み、間合い、自分の構えに対しての相手の動きなど、対人の諸問題を解決する。 一言・・・例えば、打ち込みでなぜ防がれるのだろうと疑問に思ったら実際鏡の前で試してみて原因を見つける。鏡の前で研究する。気がつかれない入り方など。その後、その打ち方で打突の時に一本取れる姿勢になるかもチェックする。この部では、早いが一本にならない打ちが多いのは面をつけたまま稽古するからである。
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