声(気迫、気合、いろいろ)

剣道では、姿勢を保ちいつでも打ちかかれる状態を創らなければならない。そのためには腰(重心)の動きをしっかり腹筋と背筋でコントロールして上半身と下半身の統制を取らなければいけない。下腹に力をいれて声を出すと腹筋と背筋に力が入り、自然にいい形ができてくる。初心者に声を出せというのは、この感覚を養うためである。うまくなりたかったら声を出せばいい。

 また、声の出し方で上達の度合いがわかる。声は大きさではない。質である。歯切れのいい、音圧を感じるような声を出すには相当の腹筋や背筋の筋力が必要だ。ただ、声を出す時には肩に力を入れないでほしい。練習練習。

コントロールするため

  やる気のでないときはできるだけ発声練習をしてほしい。気合ともいうと思うが、体の状態を唯一コントロールできるのが声ではないかと思う。体のすみずみまで気合が行き渡るころには十分やる気が出ていると思う。体もコントロールできて軽くなると思う。そのかわり、次の日は全身筋肉痛となると思うが。一本一本精一杯声をだしてから打つという風に心がけると、一本の質が変わってくる。最初の切り返しの時にすると効果的だ。

力比べ

  声は自分のやる気や相手のやる気を出すこともできるし、圧倒的な力を相手に対して誇示することもできる。気勢だけで相手を後退させることができるのは、試合でもときどき見られるであろう。あれはけっして声の大きさにびびっているわけではないと思う。大きな声を出すためにも筋力は必要だが、それだけではなく声の質で力の差を見せつけることができるからである。逆に相手のほうが上をいっていて自分が下がって失敗することもあると思うが。

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