ちょっと紹介!塗り壁隊作業工程

生石灰は石灰岩や貝殻から作られます。生石灰の粉を水で溶いたものを生石灰クリームと呼びます。この生石灰クリームをそのまま壁に塗ったり、山土と混ぜて土しっくいにするとどうなるか。ふしぎな力を持つ生石灰と土壁の世界を体験してみよう!!

 

 

 

1)材料作成工程

 


普通の漆喰と同じく、土、砂、それにスサを混ぜますが、塗り壁隊がつくる土しっくいには更に生石灰が入ります。

 


●練り工程 その1
土をバケツで計り、フネにあけます。



●練り工程 その2
バケツで砂を計ってフネにあけます。



●練り工程 その3
スコップを使って、土と砂をまんべんなく混ぜます。



●練り工程 その4
土と砂が混ざったら、生石灰を入れ、材料をまんべんなく混ぜます。



生石灰は強いアルカリ性なので、扱いには要注意。目に入れば、失明する可能性もあり。ゴーグルやゴム手袋は練り方には必需品です。



練り工程 その5
土、砂、生石灰を混ぜたところへ、水を加え、生石灰を沸化させます。
土の様子をみながら水を加え、混ぜ続ける。水を含んだ土の重さはかなりのもの。重労働です。



練り工程 その6
スサを入れ、スサがまんべんなく土全体に行き渡るように混ぜつづけます。


 

この時点で、フネの中身はかなりの重さに。練る人もヘとヘとになります。表情が険しくなり、口数も少なくなります。半分意地になりながら、練り続けることおよそ20分。沸化がおさまり、土から熱気が消え、練る人の目が疲労でうつろになったら、土しっくいの完成です。

 

2)壁塗り工程


練り上がった土の感触を確かめる為と、参加者に塗り方の見本を示す為、代表が試し塗りを行います。土が硬すぎたり緩すぎたりしたら、ここで調節します。


  

代表からゴーサインが出たら、いよいよ塗りの作業です。利き手にはコテ、反対の手にはコテ板を持って、参加者全員が一斉に塗りはじめます。最初は土がうまくのらなかったりします。グッと腕に力を入れて、しっかり土を壁にくっつけます。ミジミジと狭い面を塗るのではなく、ザザッと土を広げて広い面で塗るのがコツです。この時点で、きれいな面をつくるように塗る必要ありません。



塗りはじめると、土の感触がわかるようになってきます。その快感と、塗りの楽しさは唯一無二のもの。確実に病みつきになります。



現場の要望に応じて、土しっくいにタイルや貝殻などを埋込み、装飾を行うこともあります。



ざっくりと塗り付けた土が少し乾いてきたら『押さえ』を施します。腕の振りを利用し、コテで土を壁に押さえ付けます。押さえ付けながら、表面をならします。『押さえ』が終ったら、塗りの作業のおしまいです。道具などの後片付けをして、塗り壁隊の作業は終了です。お疲れさまでした。



塗り壁隊の作業現場のもう一つの楽しみといえば、休憩時間。肉体労働をしているのですから、エネルギー補給は大事です。

 

 

 

【Back To Top】