ツーリング14日目


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今日はツーリングの最終日。鹿児島港でバイクを預ける日。

いつもなら旅の終わりの日は「あー終わってしまったーーーはぁぁあ」て感じだけど、
今回は1週目が終わった折り返し時には「半分終わってしまったー」とへこんだが、
今日はぜんぜん落ち着いてるのは、2週間って期間がちょうどよかったせいかもしれん。

最初のころは何もない山村風景や山道が楽しくわくわくしてたけど、
2週目からはもう当たり前になってたからな。
続けようと思えば1年でも続けられそうだけど、わくわくを維持して旅を濃く楽しむには2週あればいいかな。
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鹿児島の手前、表木山駅で1時間ほど一休み。
有名な嘉例川駅ではなく表木山なのが俺らしい。
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駅の近くに廃商店があった。
周りに民家は点々としか見当たらない。

昔はもっと住民が多かったんだろうか。
それとも、昔はこの住民数でもやっていけたんだろうか。
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山道で小さなお茶屋があったので、家のお土産にお茶っ葉を買った。
四国でも買ったが、家族みんなお茶が好きですぐ無くなるので
いくら買っても買いすぎということはない。
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向かう先に桜島。

鹿児島市街で知覧茶の店があったので茶葉を買いに入ったら
店のおばさんが先月に沖縄旅行に行ったばかりとのことで話がはずみ、
抹茶ソフトを食べたら「喉かわくだろ」て冷たい番茶を入れてくれて、まったりしすぎて予定より遅れてしまった。
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鹿児島港でバイクを預けた。

これからバイクは貨物船で沖縄に。
俺は鉄道で福岡まで。途中で一泊する。


港でタクシーを拾って鹿児島中央駅についたら、知覧茶の店でゆっくりしすぎたせいで
予定の汽車は既に出てて1時間後の汽車になった。
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今回のきっぷ

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鉄道旅はダイヤに縛られるけど、好きだ。
ローカル線の車窓、ディーゼルエンジンのうなり、ガタンゴトンとレールのジョイント音・・・


吉松線に乗り換え、鶴丸駅で下車。
駅前の鶴丸温泉でひとっぷろ。

ここの黒いお湯、鶴丸駅のひなびた雰囲気、いい。
本当は吉松温泉ビジネスホテル(ここも黒いモール湯)のほうが寂れた雰囲気で好きなんだけど、
駅からちょい離れてるので時間に余裕がないと無理。
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1時間遅れたので乗る予定の汽車まで20分しかないが、急いで入れば大丈夫だろー
と思ったけど駄目だった。

浴室内で踏切の音が聞こえて「幻聴!?いや聞こえる・・でもまだ早いよな?通過列車?」
と思ったけど、それが乗るやつだった。吉都線に優等列車なんてないっての。
風呂でて体拭いて外に出たときにはもうさらに20分経過してて、ぜんぜん間に合うはずもなかった。
体洗わずに湯に漬かるだけじゃないとダメか。

番頭のじいちゃんに 「列車逃してしまって、タクシー呼んでもらえませんか」 とお願いして、
そんなら駅まで行く人いるから同乗させてもらったら、という人情味ある対応に
都合良く遭遇できるわけもなく、ふつーにタクシーで1050円払って吉松駅にきた。

駅についたらもう人吉行き発車10分前で、駅近くで牛乳を買うつもりだったけどそんな暇もなく、
駅前の自販機でミルクティーを買って慌てて汽車にかけこんだ。
うーんだめだ、バイク旅を長くしてたから鉄道旅の感覚を忘れてる・・
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今日の寝床、矢岳駅で降りた。4年ぶり。
乗る人はおらず、降りたのは俺だけ。
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あっ!駅前SL館に自販機が置かれてるぅううう! びっくり。
吉松駅であわててミルクティーを買わなくてもよかったな。
あとホームに水飲み場ができて、トイレも新しくきれいになってる。
そんなけ駅を訪れる人が増えたってことか。

駅や路線の存続にとっては人が多くなるのはいいことだけど、
肥薩線は人がいないゆえに好きだったので、複雑な気持ち。
このへん、地下アイドルのファンの心理に近いのかもしれない。


今回、田舎にある民宿が廃業してしまってる事態に遭遇して、気づいたことがある。
俺は秘境駅が好きなのは鉄道が好きだからというだけじゃなくて(それもあるけど)、無くなって行くものへの郷愁、
消える前に楽しみ記録しておこうという収集癖が大きいんだ。

きれいなホテルよりも、お年寄りが経営してる民宿のほうが、ずっとそそる。泊まりたい。
民宿だけじゃなく、食堂もそう。きれいなレストランよりもばあちゃんが経営してるような木造の寂れた食堂に入りたい!って
今回の旅で思ったもの。(タイミングが悪くて入れなかったが・・)

いつ消えるかわからない秘境駅を写真に収めているように、おとしよりの後継者がなく次々と廃業していく田舎の民宿や食堂も
無くなる前に利用しつくしたいという気持ちが今回の旅で沸いたが、沖縄住まいの俺には到底無理だ。
本土に住んでたらその制覇に燃えてたかもしれない。
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  いろいろ新しくできてるけど、駅舎や駅前集落は相変わらず雰囲気のいいままで良かった。
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木のベンチに座って晩御飯。
駅前集落は人の気配がなく静かだ。

矢岳駅は肥薩線最高所というだけあって、風が涼しく心地よい。
8時27分の終発が去ったら、寝よう。
旅の最後の晩をぐっすりと。


ツーリング15日目


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寝る道具はバイクに積んであるので着の身着のままで寝たが、快適な一晩だった。
やっぱり最後の日になるとへこむな。知らない場所で寝るのがこれで最後だなんて・・


6時すぎにおじさんがやってきてSL館を開けたので、挨拶して見学。
SLの横で物産販売してて、一勝地梨が3つ400円であって買おうと千円を出したら、まだ早いから釣り銭もってきてないと。
自販機でジュース買っておつりで払った。

買ったついに矢岳について聞いた。(地元の人にあったら話しないともったいない)
矢岳近辺に住んでるのは駅から見える範囲なら5人くらいだが、シモやカミなど家がばらけてて、30世帯70人くらい住んでる。
SL館は毎日開けている。最近は肥薩線がテレビで取り上げられることもあって来る人も多く、一日200人くらい。
矢岳はSLがあるので大きい。昼の列車で8分しか止まらないけども。
等々

買い物をしてるうちに一人の若い女性が駅に来てて、一緒に汽車に乗った。
ちゃんと地元のお客さんがいて駅の将来は安心ね。
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大畑駅改札前のベンチで、昨日同じ汽車に乗ってたおっちゃんが寝てた。
そうか、おっちゃんは大畑を選んだんね。矢岳もよかったぜ。

あーやって寝てるのを傍から見ると、なんかいかにも「旅人」でかっこいいな。
俺は自分が野宿してるときは「毎日移動してるだけの浮浪者みたいなもん」て思ってたけど
俺も人から見たらあーいうふうに見えるんだろうか・・・
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普通列車を乗り継いで博多に来た。
バスで天神まで来てぶらぶら歩いて、行列のできてるラーメン屋に入ったけど、まあ味は普通・・

その後地下鉄で福岡空港に。飛行機に乗り沖縄に帰った。


ということで、今回のツーリング日記はおしまい。

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