2011夏 北海道ツーリング 8日目

写真

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ツーリング8日目

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 寝るときはあまりに暑くて寝苦しく、入口の2重扉の間でパンツ&シャツで寝てたが、夜中に起きると涼しくなってたので室内に移動。
 あとは朝までぐっすりだった。
 (夜中に誰も来なくてよかった・・・まあこの駅は昼間も人来ないけど)

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 屈斜路湖のコタン温泉。朝早いので誰もいない。
  湖を眺めながらゆったり入ってさっぱり。
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 この温泉は無料で、バイクの後ろに見える工芸品店の方が維持管理されている。
 そのまま立ち去るのもなんなので、お店を見ていこう。

 店に入り管理人のおじさんに挨拶し、壁にあるプロフィールを見て「渥美町出身なんですか、私の父も渥美出身なんですよ」と話してたら、俺の叔母さん(父の姉)と中学の同級生だと判明しびっくり!
 不思議な縁だなぁ。
 店の奥に招かれ盛り上がり、一時間くらい話してきた。
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 叔母さんに渡してくれと自作の本(シマフクロウからのメッセージ)を頂いた。
 右ページに書いてあるのが叔母さんへのメッセージ。

 「○○さんへ
  本日(2011.7.30)
  ○○君と不思議な出会いがありました。
  君の様子も聞きました。
  私は屈斜路コタンで自由に元気で生きています。 小川充洋」

 あまり観光客のカメラが好きではないようなので(撮るより自分の目で見るべき、と言っていた)店内ではカメラを出さなかった。
 旅が終わったあとに渥美のおばさんに電話して、郵送で本を送りました。

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 絶景と聞いてやってきた900草原牧場。
 3日前に行った豊富の大規模草地牧場のほうが景色よかったな。

 売店でエゾシカバーガーを買い、屋上で牛たちを眺めながら食う。
 お、クセがなくておいしいぞ。

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 弟子屈のお菓子屋さん摩周二丁目で職場への土産を買い、店の人に聞かれ沖縄から来たと言ったら
  「去年に社員旅行で沖縄行ったばかりだ、いいとこだった」と盛り上がり、クッキーをおまけにもらった。
   枝幸の海産物屋でも似たことあったなー

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 斜里の直線道。

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 来たいと思ってたウトロのボンズホーム。正月の鉄旅では正月休みで閉まってて悔しい思いをしたんだ。
 栗じゃが芋グラタンおいしくて来た甲斐があった。カレーも食べたいけどもうお腹いっぱいなので持ち帰りで。

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 知床峠を越えて、ヒカリゴケの洞窟に。写真中央でわずかに光ってるように見える。

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 通りかかりで休憩した売店。
 入口横に名前札と新聞が並んでるのが面白いと思った。(小並感)


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 薫別温泉に入ろうと滝の沢林道を走ってきたら、あらら、ゲートが閉まってる。
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 突破できるかなと覗いてみたが、ゲートから先は雑草がおい茂って廃道状態。
 ここから温泉まで3〜4kmあるので、草かきわけて歩くのは嫌だ。
 ダメだ、あきらめよう。
 南にある川北温泉に行こう。

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 走ってたらエゾシカの群れが草原を駆け抜けてた。ワイルドライフな光景におお!と思いあわてて撮った。


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 薫別温泉に入れなかった俺は、川北温泉に向かうべく林道を走っていた。
  牧場の中、そして森の中を10kmほど・・このバイクにとっては少し長めのダートを走る。
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 林道の出口直前のところで突然ゲートが現れた。道が封鎖されてる。
「ええええ、うっそー!」

 ゲートは鋼鉄製で、頑丈な鎖と南京錠で開かないようにしてある。
 ゲートの両脇に通れる隙間はない。
 バイクを倒して下から引きずれば通せそうだが、新車で買ってまだ半年もしてない大事なバイクを傷だらけにしたくない。

 もう日は沈んで暗くなりかけている。
 ここからまたダートを10kmも戻りたくない。川北温泉への入り口はすぐ近くだ。
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 通行止めの表示はバイクと反対側、出口のほうを向いている。
 このゲートは俺が通ってきた林道に入れさせないためのモノってことだ。
 俺は知らずに通行止めの林道を走破してきて、出口でゲートにじゃまされたのである。
 (俺にとっては出口だが、一般的には入口なんだろう)

 看板には「無断で車両を進入させた場合は、警察に通報する場合もあります」なんて物騒なことが書いてあるが、俺が走ってきた道中に「立入禁止」や「通行止」や「通行不可」の看板は無かった。
 ヘルメットにビデオカメラをつけて一部始終を撮ってたので見返したが、天地神明に誓って何も表示はなかった。
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 知恵の輪のごとく鍵を開けずに鎖を外せないか試すが、できるわけがない。
 南京錠を解除しようとバイクに積んでた針金でガチャガチャやるが、俺はまじめに生きてきたのでピッキングの技術などもっていない。

 カギや鎖を壊して開けようかとも思ったが、看板に「ゲートや錠前を壊すと、器物損壊罪が適用されます」と警告があるし、そもそもそんな工具は持ってない。
 駄目だ、開けられない。

 でも戻りたくない。
 だいたい、林道が危険て理由で通行止めにしてるのに、出口ギリギリで追い返してまた走らせるなんて、本末転倒じゃないか。
 繰り返すが、俺は通行止めだと知らずに走ってきた善意の被害者なんだ。
 ゲートの看板に管理者の連絡先が書いてあるのでケータイで電話。
  根釧東部森林管理署の羅臼現場事務所、誰も出ない。土曜日だからな。
   森林管理署の本署、ダメかと諦めかけるほど長い呼び出しのあとに男性が出た。
    声が遠い・・・ひどく遠い。
 「今バイクで金山薫別林道を走ってきたのですが、国道244号に出る直前のところで鍵のかかったゲートに通せんぼされてます。牧場の中の道から入ってきましたが、通行止め等の表示はありませんでした。鍵を開けられませんか?それとも戻るしかないでしょうか。」
 『すい・・せん・・よく聞こえ・・』 プツッ
   切れた。
 ここはトワイライト・ゾーンか?全てが俺に不都合に進む理不尽な世界に迷い込んだのか?
   携帯のアンテナ見ると1本も立ってない、圏外ギリギリ。
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 歩いてゲートをくぐって前の広場に出るとアンテナ2本になった。
  金山スキー場の廃ロッジ前。人の気配は無い。もう一度電話をかけて同じ内容を伝える。
 『今日は休日なもので職員がいなくて、転送で受けてるんですよ。担当がいないので林道の状況もわからなくて・・』
   「じゃあ戻るしかないですかね(もう一度走るのは本末転倒でよけい危ないと思うけど)」
 『今からそちらまで鍵を届けるのもだいぶ時間がかかりますし、すいませんがそうしてもらえますか』
   「わかりました、それじゃあ戻ります」
     と電話を切ったが、やっぱり戻るのイヤだ。電話してる間にまわりが暗くなってきたし。
 もう岩で錠をガンガン叩いて破壊しちゃおうかとも思ったが、ケータイで電話してしまったから着信履歴で犯人はすぐわかるだろう。
  緊急避難とはいえ器物損壊で摘発されるおそれがある。
   鍵や鎖を開けるのは無理だ。他に方法はないか。門扉全体を観察すると・・・あっ

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 20分後・・・
 無事バイクがゲートの前に出た。

 バイクを倒して下の隙間から引きずったり、ゲートの横から通したのではない。
 錠も鎖も門も壊してはいない。
 鍵を開けたわけでもない。
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 写真のとおり、バイクはゲートの向こうにあるのに錠も鎖もそのまま。
 まるでマジックである。
 イリュージョン・マジックが汗だくになり手に豆を作り成功したのである。
 力を要するマジックだった。

 種明かしはのちほど。
 クイズということで、どうやったのか想像してみてほしい。
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 この”バールのようなもの”がヒント。
 決してこれを使って錠をこじ開けたり壊したんではない。

 これは門扉のある部品なのである。
 ふつうならカシメられてるところを、常識にとらわれず観察したのが勝利のポイントである。
 あとは火事場の糞力もポイント。
 もし俺が普段どおり非力だったら、後日に器物損壊に問われたかもしれない。

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 答え・・・蝶番の軸棒を引き抜いて、門を柱から外したのでした。
 蝶番軸は上下ともカシメられてて外せないと思い込んでたので、外せると気づいたときには「ナイス!」て思ったよ。

 ちゃんと門扉を元に戻し原状復帰したので、器物損壊にはあたらんはず。
 鉄製の重い門を持ちあげて元どおり嵌め込むのには苦労したぜ。
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 ゲート前を走り出したときの車載動画からの切り出し画像。
 これはファ○クではない。
 共に闘ったよきライバルに対する敬礼である。

 門の前に止まってから門の前を走り出すまで、実に30分近くかかったのであった。
 でも終わってしまえば良い思い出なのだった。


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 ゲート突破で時間を食ってしまい、
 川北温泉に向かう途中で日が沈んで暗くなりけり。      
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 温泉でゲートとの闘いでかいた汗を洗い流す。
 硫黄たっぷりでいい湯だった。

 温泉横の休憩所で休んでると、車で来てた老夫婦から晩御飯にどう?と弁当をいただいて、いろいろ話しながら食べた。
 ごちそうさまでした。

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 どっか寝られるとこないかなーとウロウロ探しながら走ってたら、標津の牧場地帯の中にバス停を見つけた。
  扉が壊れて外れかけてるけど、蚊はいないし大丈夫だろう。周辺に民家はなく気兼ねせず寝られそうだ。

 普通なら開洋台でキャンプだろーけど、人が多いとこは好かんでな。
  だから羅臼の熊の湯もカムイワッカ湯の滝もスルーしてきたんだ。

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