3日目 月

7時起床。自転車で来た人が始発に乗っていった。
 
事前の天気予報で今日は雨予報だったが、晴れてる。夜中に降ってたみたいで路面は濡れてるが、青空が見えてる。ついてるな。
今日は朝から夜まで丸一日フリー!自由だ!なんとなく大阪方向に行けばいいだけで、予定は何も無し。こんな自由なの、何年振りだろ…

根尾川沿いに北上してたら吊り橋が見えて、あわてて止ってUターン。

木々の切れ目から入口を見つけて近づいてみたら、ボロボロだった。危ない、やめとこう。
 

駅近くにある根尾谷断層

今は草木が生え単なる段差に見えるが、もとは平面で地震でズレて高低差ができたところ。

天気が良く、暑くも寒くもなく快適な気温で、とても気持ちいい。


北上して、住民のいない大河原集落跡。
国道も県道もこの先の路面崩壊で通行止になっていて集落直前にバリケードがあるので、バイクを降りて歩いていく。
 
誰も住んでおらず、通行止めなので誰も来ず、周囲数キロにいる人間は俺だけだろう。
       
集落の最奥にある黒津小学校大河原分校跡。
  
教室らしき部屋は畳敷きで民家みたいな作りだけど、「清潔清掃」の標語や廊下の手洗い場が小学校らしさを出していた。

道は通行止なので南下して戻る。

途中の道はガードレールも無く、道の横が60度くらいの20m以上ある急斜面になってて、路肩に立って見下ろすと落ちたら確実に死ぬなとクラクラしてくる。
下の写真、水平に撮ってるんだぜ…横の斜面が急角度すぎて斜めに撮ったみたいだろ。そんで底が見えないくらい深いの。怖っ!


道の駅うすずみ桜の里。
 
道の駅内売店も、隣にある立派な建物の温泉も、ホテルも、ホテル併設のレストランも、周辺にある民営の売店・食堂や工芸体験館も、一帯の建物はすべて閉まってて、生きてる設備はトイレと自販機だけ。
客は他におらず、俺しかいない。
いくら月曜平日とはいえ、なんだこの寂しい道の駅は…
国道から奥まったところにあるから、目玉の温泉が営業休止したら誰も来なくなっちゃったんだろうな。

このあと徳山ダムに向かいたいが、最短の県道270号線は崩落で通行止めなので谷汲口まで南下してから西進する。

谷汲駅跡の近くにある水月亭で昼食。鮎と地元産キノコ(名前忘れた)の釜めしにした。
 
釜めしのご飯の味付けと炊き上がり具合がよく美味しかった。沖縄で美味い釜めしなんて食べられないからな。

すぐ近くの谷汲あられの里。こういう工場直売所大好き。(なんかふるさと銀河線の岡女堂駅となりの岡女堂を思い出す)
変わったあられがたくさんあって、フランボワーズチョコあられとか梅チーズあられとかどれも美味しそうで、妻と実家と職場のお土産と自分用に各種4000円分買ってしまった。(←どれも美味しかった)
下写真のビニール袋の中せんぶあられ。幸いパニアケースがまるまる空いてるので収納場所には困らない。(付けててよかったパニアケース!)
直売所の隣にある甘味処でぜんざいを食べる。お米を使うあられ工場だからきっとお餅も美味しいだろうと期待した。釜めしで腹7分目だったのでお餅3個でちょうどいい。美味しかった。

プリンと甘夏アイスバーも美味しそうなので追加で食べた。美味しかった。苺アイスバーも食べたかったが、もう腹いっぱいで諦めた。
いい処だった。ここはまた来よう。そして苺アイスバーを食うんだ。

南西に走ると茶畑があった。茶木は背が低く傾斜地にあるので眺めがよい。沖縄のパイナップル畑みたい。
 

「岐阜のマチュピチュ 天空の茶畑」に。
茶畑の中にあるキッチンカーで緑茶を買って飲む。渋冷たくて喉がさっぱりする。
 
学生のころはカフェで飲み食いなんてせず、地元民向けスーパーで安いパック飲料を買ってペットボトルに詰め替えて飲んでたが、もう社会人なので少しは旅先での経済に貢献しないとな。
下の直売所のおじいちゃんから実家の土産に新茶2袋買った。毎日淹れて飲んでるから茶葉はいくらあってもいい。

県道で北上する途中に久瀬温泉があり、昨日は風呂に入ってないので入りたかったが、このあと行きたい林道で日没になりそうなのであきらめた。予想より涼しくて全然汗をかいてないので、まあええやろ。

揖斐川沿いに北上する。川にへばりついた集落の家々が沖縄育ちの俺には珍しい。揖斐川の渓谷も美しい。
バス停の待合室が橋の出口にあって門みたいになってるのが面白いので、バイクを降りて集落を散策。
    

徳山ダム沿いに国道417を延々と北上して、眺めのよさそうな林道冠山線に。
国道から分岐してすぐのところで「冬季通行止」のバリケード。今6月中旬なんだけど冬季か…レンタルバイクで無茶は出来ないのであきらめて敗退。


途中の徳山ダムは、増山たづ子さんというおばあちゃんがダムに沈む前の徳山村の写真をたくさん撮ってて、その写真集を18年前に買って読んで感銘を受けてて、一度来てみたかった。
徳山ダムの各所にある展望台、誰一人いない。周囲に民家も一切無い。展望台の看板を見ると、水をたたえるダムの中にかつての集落があったらしく、写真集で見た人々の生活を想像してた。
  

旧徳山村の人達が営なむ徳山会館。月曜定休で閉まってて入れなかった。
屋上でダムを見ながら、夕食代わりに谷汲あられを食う。ボリボリ延々と食べ続け「おいしい味だぜ」とつぶやくと供えガイみたい。
 
徳山会館への道で鹿と5回遭遇した。国道417も車がほとんど通らず、とにかく人の気配がない。

日が傾いてきた。
もっと走ろうか、もう寝ようか、どうしよう。
ちょっと疲れてたので、徳山ダムに向かう途中で見た藤橋城の近くにあるらしい廃寺(善勝寺跡)に向かう。
ダム建設で寺が移転したけど、建物はそのまま残されて打ち捨てられた廃寺になってるらしい。
そこで休憩して、具合良さそうならそのまま朝まで寝ようかな。

藤橋城周辺は人が住んでそうな建物が1軒しかなく(「星降るオートキャンプ場」の管理棟だけ電気がついてた)、近くにある飲食施設は定休日なのか閉まっていて誰もおらず。


藤崎城周辺を探索。今営業してる民営オートキャンプ場とは別に、大規模な公設オートキャンプ場があったようだが、完全に打ち捨てられ炊事場の屋根も崩壊していた。
 

橋を渡って揖斐川を越えた先は民家が数軒あるがどれも人は住んでおらず、写真に写ってる家々は全て住人がおらず、完全な無人地帯。


その無人地帯の端にある善勝寺跡。床板が腐って抜け落ちてて、中に入るのは躊躇した。壁や屋根が壊れてるのはいいけど(そういう廃屋で寝たことあるし)、床が腐ってるのは寝返りして落ちたら困る。
   

寺よりさらに先、突き当りにある公園は芝が刈られ、池には大きな鯉がいて、手入れされているようだ。(しかしグーグルマップには公園表示が無い)


公園の池の傍にある休憩所で1時間ほど夕寝。
目を覚ますともう日は落ちて暗くなってきてる。今夜はこのままここで寝るか。
川向うを走る国道の街灯と信号機以外に明かりはなく、周囲は完全な闇。
夜になると雲が晴れて満点の星空になった。あたり真っ暗なので星がよく見えることよ。


「キョーン!」ガサガサッ
鹿が俺のバイクの近くにいて、荷物とりにいったら大声で鳴いて逃げていった。こっちもビビる。
休憩所横の池で大きな鯉がたまにバシャンと跳ねて水音でビビる。
そういや、公園奥のつり橋を渡った先にある体験小屋(窓と扉に板がうちつけられ廃屋になっていた)に「熊出没注意」と看板があったな…

ここで熊に襲われても周囲は無人だから気づいてもらえないな。
ちょっと怖くなってきた。それにだんだん冷えて寒くなってきた。

壁のない吹きさらしの屋根だけ休憩所で寝るのはやめて、近くにある廃トイレで寝ることにした。コンクリ建屋なのでここなら熊は来ないだろう。(まだ明るい時に撮った写真)

トイレの中は荒れておりそれはいいんだが、奥の個室の便器内に人糞があって(なんで残した状態で廃屋化しとるねん!もう水出ないから流せないぞ…)ウッとなったが、カピカピに乾いており臭いはしないので気にしないことにした。
汚れた床にレジャーシートとマットを敷いて寝る。
夜中に寒くて目が覚め、シュラフの中に潜り込んだ。


4日目 火

4時ごろ、シュラフの中で寒くて目が覚めた。トイレ出口から見える空はうっすら明るくなり始めてる。
しまった、念のため長袖シャツとタイツを持ってきてたが、要らんだろうとバイクのリヤバッグに入れたままだ。寒いからシュラフから出たくない。
寒い寒いと思ってるうちに2度寝して、起きたら5時。
ううう、寒いよーとシュラフを出て、がたがた震えながら半袖でバイクまで歩いて長袖シャツとタイツを取り出し急いで着込んで、もいちどシュラフに入る。温まってきた。

6時起床。昨日は晩飯を食っておらず、朝飯も用意してないので、谷汲あられをボリボリ延々と食べ続けてまた供えガイになる。美味いけどタンパク質が欲しいナー。
 
トイレの横には火の見櫓みたいなのがあったけど、立ち入り禁止になってた。

今日は最終日、夕方には飛行機に乗る。いくら寒くて汗をかいてないとはいえ、2日も風呂に入らず飛行機に乗ると悪臭公害になりそうなので、今日は体を洗わないといけない。
ここから西に50kmほど走った琵琶湖沿いの長浜に24時間営業の温泉センター(北近江の湯)があるので、そこに向かう。
寒いので長袖とタイツを着たまま、メッシュジャケットの上から防風のためカッパを着ると、メッシュジャケットが中綿代わりになり暖かい。カッパもってきてよかった。

途中にピカピカ銀色の施設があり寄ってみると、施設もトイレも閉鎖された廃屋だった。こんな立派な建物作ったのに勿体ない。


山中に車掌車があった。扉に鍵かかってて入れなかった。草のツタはどこからか中に入り込んでて強い。


長浜の「北近江の湯」。大きな施設だった。頭と体洗ってすっきり、お湯につかって野宿で冷えた体が暖まった。

食堂は昼から営業でまだ閉まっており、敷地内のパン屋も9時オープンでまだ準備中で食料供給ができない。(旅先でコンビニ飯はちょっと…)

今日は大阪でレンタルバイクを返す前に、舞鶴に行きたい。
もう亡くなったじいちゃんがいた母の実家周辺や、昔の東舞鶴駅舎を再現した模型が置いてある舞鶴引揚記念館に行きたい。
(俺もNゲージで旧東舞鶴駅周辺を再現する野望があり、その資料収集)

おなか空かせたまま木ノ本ICから高速入りして西進。
片側1車線なので追い抜けずゆっくり走る。(途中でトレーラーやタンクローリーが、片側1車線で追い抜けないときは80km/h以下の低速で走り、途中少しだけ2車線になる区間では途端に増速して90km/hくらいで走ってたの、何なんだろう?いやがらせ?)

舞鶴東ICから北上して舞鶴引揚記念館に。旧東舞鶴駅舎模型の写真を全角度から撮りまくった(ネットにある写真は表玄関側ばかりでホーム側の様子がわからんかったので、今回初めて把握できた)。
展示物を見てて、子を持った今だと岸壁の母の気持ちがよくわかる…悲しい。


大雲寺でじいちゃんばあちゃんに線香をあげ、元気に生きてます、俺の子(ひ孫)も元気ですと報告。


母の実家があった場所。借家だったのでじいちゃんがホームに移ったあと取り壊され新しい家に建て替わっていたが、隣の家はそのまま残ってて懐かしい。
その近くの公園も懐かしい。小学生のとき、この公園で雪遊びした楽しい記憶が残ってる。
 
生前のじいちゃんを訪れるたび連れていってもらった店で昼食を食べようと思ったが火曜定休。時間が押してきてるので高速入りして大阪に向かう。

大阪南部にある、拳で抵抗した聖地の鳴尾公園を一目見たかったが、時間が無いので諦めた。

池田ICで高速を降りて満タン給油して、レンタル819伊丹空港店に14:10着。10分遅れたが何も言われず助かった。
事故も立ちゴケもなかったので返却後チェックもパス。(追加料金を払って安心プランにしてたけど無駄金だったな)

走行距離997Km。
リヤバッグとヘルメットとあられ袋をもってモノレールに乗り、阪急・ポートライナーを乗り継いで神戸空港に。空港内で餃子を食べてチェックイン。

飛行機は出発遅延して19:40那覇空港着。
ひさしぶりの自由な野宿ツーリングで精神が解放されて、脳内は独身時代に戻ってた。
子はかわいいしバイクより優先順位は上なんだけど、たまにはね。

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Vストローム250感想(自前の通勤用VTR250と比較)
・車格が大きく安定性がある。
・ステップの位置が低く膝の曲がりが緩く、足が前寄りでオフ車・ビジネスバイク風ポジション。
・タンクが細くてニーグリップしやすい。
・1速がすごく低い。車重が重いので0発進時の加速力確保のためと思われる。
・低回転での鼓動がなく、高回転時の振動も非常に少ない。 ・大阪〜鳥羽、舞鶴〜大阪間を高速道路で移動したとき、6速で高回転を連続したが手の痺れは皆無だった。ただアクセルを思い切りひねらないといけない(登坂ではアクセル全開も多用)ので手首は疲れた。250なので仕方ないが、650と比べるとね。
・デジタルメーターは味気ないけど多機能で便利。
・燃費の良さとタンクの大きさで、給油は1日一回で済んだ。航続距離が長いのは気を使わず良い。
・997Km走って30.25L給油。燃費33Km/L。

田舎道やフラットダートをのんびり長距離走るロングツーリング用の道具として優秀。現代に蘇ったゼルビス。車格車重とエンジンが見合ってない(倍の排気量あったら完璧だな、と思うところ)もゼルビスと同じ。
加速が重ったるくエンジンの鼓動感が無く、操る楽しや刺激はほぼ無い。
俺の250は通勤用なので、VTR250の次にVストローム250無いな。ニンジャ250SLかジクサー250SFあたりの軽量シングルスポーツバイクだな。


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