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山本周五郎の小説は,『青べか物語』『さぶ』『寝ぼけ署長』『季節のない町』『赤ひげ診療譚』など・・・文庫本で十数冊読んだ。いずれも読みやすく,少し
昔の話であったり,江戸時代の話であっても「うーん,そうか」とか「この人これからどうなるの?」とか思いながら読んでしまう。なによりも読後感の気持ち
よさ!これにつきる。作者自身の人間を見る目の温かさを感じる。
この「酒みずく・・・」は,山本の文学についての考えなどを評論や講演の中から選んで載せたものである。彼の小説を読むのと違って「読みにくい」という感 じはあるが(正直言うと私も全部読めていない),『文学』とは何かなどを読んでいくと,『人間』と切り離すことのできないものなのか!とかいろいろと感心 してしまう箇所がある。 さすが,「あらゆる文学賞を辞退し,読者からの励まし以外になにがあるかと公言した」 山本ならではのエッセイ?集である。 もし山本周五郎の小説を読んだことのない人がいたら, このエッセイ集ではなく小説の方を,是非読んでみてくださいね。 わが家では,妻の方が読むスピードが断然速く, 彼女がまた「次はこうなって・・・最後は・・・」と言いたがる。妻より早く読む,これが私の課題です。 |
歴史と文学
「文学は人間性を追求する」
「歴史の中に文学はない」
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