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人権「蔑視語−ことばと差別」 今野 敏彦 【明石書店】
蔑視語 この本には,様々な蔑視語=差別語が載っている。ここに書いているように決して差別の武器に用いることがあってはならない。
想像力を働かせ,「相手の心の痛み、その無念さ、悔しさ」を知り,差別をなくすための・・あなた!そのことばを言われた人はどう思う?・・日常的な行動に つなげねばなるまい。
「不幸な"付け"」が回ってくることのないように,人間性を失わないように。
ことばは人を生かすこともできるのだから,大事に大事に使っていきたいと思う。


(あとがきp196より抜粋)

 身体に関係した差別語で、さほど罪悪感なしに用いているものに、「チビ」と「ブス」ということばがある。背が低いこともその顔かたちと容貌も、自分の意 思=心がけ・努力では、いかんともしがたい、まさに不可抗カなのである。にもかかわらず、「チビ」「ブス」と口にする.悪質な差別語である。教育の場に、 職場に、生活の諸領域に、子どもの遊びの世界に、こうしたことはが氾濫している現実に、私たちは眼を注がなければなるまい。
 本書を、蔑視語に気づくことに役立てていただきたい。蔑視語に気づき、そうしたことばを浴びせかけられた相手の心の痛み、その無念さ、悔しさを理解して ほしいのである。もし、あなたが、数々の蔑視語を浴びせかけられる立場であるとすれば、あなたは、なにに怒りを覚え、どのような無念さを味わうであろう か。
 繰り返して指摘しておくが、ことばだけ残って、それを差別の武器に用いてはならない。ある種のテレビ番組では、蔑視語を乱発して用いることにより、視聴 者の笑いを誘っている。こうした現象は、蔑視語を乱発使用する立場の者と、それに同調して笑い転げる者たちに、たぶん不幸な"付け"が回ってくるで あろう。

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