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人権「野宿生活者ら官邸前で抗議−首相こじき発言」朝日新聞7/28


「野宿を強いられている仲間の『痛み』に想像力をめぐらす姿勢のかけらすらない」と批判した抗議文を首相宛に準備していたが,警官らに阻止された。
 集まった野宿生活者らは,「小泉発言を許さないぞ」「こじきとはなんだ」口々に抗議の声をあげた。支援者の一人(39)は,「痛みをともなう改革と言うがこんな痛みはまっぴらだ。人を傷つけ侮辱する差別的な発言だ。『ホームレスでも』と引き合いに出すこと自体,小泉首相がホームレスをランクの低い人と見ている表れだと思う」と話した。

 この記事は,朝日新聞政治欄の「外相,成算ない『手形』」と言う記事の下に小さく出ていた。(ちなみに田中真紀子外相の記事は,東南アジア諸国連合の一連の会合を終え,帰国した外相が,靖国神社公式参拝を辞めるように小泉首相に相談する意向を示したというもの。これはこれで興味あるが。)
上の記事の抗議文や声にあるように,人の心の『痛み』を知ろうとしない姿勢は,とても悲しい。改革,改革と何百回叫んでも,いくらはでなパフォーマンスをくり返しても,日本を底辺で支えている人々の存在にすら気づこうとさない政治家の行う政治には,不安を抱かざるをえない。
 一体,政治家の人権感覚とはどんなレベルなのだろうか。諸外国から「人権後進国」と言われて久しい。小泉首相以外でも過去何人の人が差別的発言をくり返してきたことだろう。『痛み』を受けた人が抗議するのは至極当然のことである。
 要は人間として,その抗議をこれからどう受け止めるかだ。想像力と言う言葉を上の抗議文は使っている。一人の人間が,一生の間にすべての経験や体験をすることは,全く不可能である。しかし,この想像力を働かせることによって,いままで知らなかった人々の生活や心情というものが,見えてくる。分かってくる。
 これが学ぶということではないだろうか。自分にかえしてこの記事を受け止めたいと思う。  


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