黒部ダムから黒部湖を望む




 異動をして初めての文化祭も一段落し、秋のG.W.(?)がやってきました。
 昨年までは職場旅行が毎年あったのですが、勤務校にはそのような旅行は無いようなので、今年は自分で旅行することにしました。今の仕事を始めて、一人で旅行する機会が多くなったのですが、飛行機が苦手なのであまり遠くまでいけません。旅行雑誌を開いてどこに行こうかと考えていると、ふと前の職場の人が「修学旅行は黒部ダム…」と言っていたことを思い出したのです。黒部ダムは私が高校2年生の時、林間学校で行ったのですがあまり記憶にありません。そこでダム好きの私(?)としては、今回はっきりと記憶に残そうと思ったのです。そういえば昨年の夏に近くまで行ったのですが、時間の関係で行くことができなかったことも思い出しました(詳細は「大町・安曇野・松本」のページを見て下さい)。
 宿の予約はインターネットを使いました。JTBや日本旅行などのサイトを見てみたのですが一人で宿泊できる宿はなかなか見つかりませんでした。そんな時、近畿日本ツーリストのページに一人でも泊まれる宿の情報が載っていたので、黒部ダム周辺の旅館を探したところ、ダムの入口にある大町温泉の宿が見つかりました。本当に便利になりましたね〜。皆さんも使ってみてはどうでしょうか?

 11月3日(水)、朝はゆっくり自宅を出発して一路、大町温泉へと向かいました。祝日だったのですが、中央自動車道は渋滞もなくスムーズに走ることができました。最近は関越自動車道を使うことが多かったので、久しぶりというか何となく懐かしい感じがしました。あっ、よそ見運転はしていませんからね。
 途中、双葉SAに寄って焼きたてパンを食べて、再び大町温泉に向けて走り出しました。松本・長野方面へは、岡谷JCTで長野自動車道に乗り換えます。岡谷JCTから約30分ほど走り、豊科ICで高速を降りました。
 豊科ICから大町方面へは、国道147号線か北アルプスパノラマロードの2通りのルートがあります。今回はメインルートとして使われている、北アルプスパノラマロードを通りました。ほぼ直線なので初めて通る人にとってもわかりやすいと思います。大町温泉までは、だいたい1時間くらいかかるでしょうか? まだ宿の方に行くには早いと思ったので、国道147号線を白馬方面へ進み、木崎湖・青木湖へと行ってみることにしました。国道148号線(千国街道)沿いにある木崎湖・中綱湖・青木湖は、総称して仁科三湖と呼ばれており、キャンプ場などを湖畔ですることができます。

木崎湖
ボートで漕ぎ出すにはいい気天気かも
148号線を走っていると、風力発電機
を発見!
(マウスを近づけると写真が変わります)
青木湖
平日と言うこともあり静かでした。


 大町温泉には14時半くらいに到着しました。宿へチェックインするにはまだまだ早いので、昨年夏に行った「大町エネルギー博物館」へと行ってみることにしました。意外と授業で使える教材のヒントがあったりするのでもう一度来てみたいなと思っていたのです。祝日と言うこともあり、子供連れの家族がたくさん来ていました。一度来たことがあるので、昨年写真に収めることのできなかった展示品を写真に撮り、博物館を後にしました。宿の方へ戻る途中に高瀬川テプコ館(ここも昨年夏に発電所見学ツアーに参加するために来ました)があり、資料をもらうために立ち寄りました。博物館やテプコ館の詳細は「大町・安曇野・松本」のページを見て下さい。

黒部観光ホテルの外観
宿泊した部屋はこんな感じ
 そろそろ日も暮れてきたので、チェックインすることに。今回2泊した宿は「黒部観光ホテル」です。赤い三角屋根が目印になっています。ホテルと言っても旅館のように和室が基本になっているようで、館内は浴衣・スリッパでOKでした。食事は朝・夕食ともにバイキングで、地元の漬け物や蕎麦など何種類もでました。大広間にぽつんと一人と言うことはなく、好きなものを好きなだけ食べることができたので、私的には良かったです。


 11月4日(木)、目が覚めても部屋の中が真っ暗。まだ夜かと思っていましたが時間を見るとなんと7時半。何で?と思いカーテンを開けると日の光が部屋へ…。遮光カーテンを閉めていたので暗かっただけでした。カーテンを普段使わない(部屋に無い)ので、「朝=明るくなる」と言う感覚になっていました。
 朝食を食べ、いよいよ黒部ダムへ出発。宿からトロリーバス乗り場のある扇沢まで、車で行ったのですが、何だか天気が怪しくなってきたような気が…。
 車は扇沢に止め、ここからはバスに乗ってダムへと向かいます。駐車場はバス乗り場付近にあるのですが、有料と無料があるので行くときには注意して下さい。乗り場に近いところは有料(1日1000円)になるので、ズンズン進んでいってしまうと有料に入れざるおえなくなってしまいます。ちなみに私は、前の車について行ったら有料に…。天気は小雨になっていました。山の天気は変わりやすいと言いますから、ダムは天気がよいことを願いつつ、乗車券を買うことに。
 扇沢から黒部ダムまでは「トロリーバス」に乗っていきます。トロリーバスは電車のように電気で走るバスで、ここにしかありません。電車のようにと言っても線路はなく、屋根にある2本のポールから電気を取り入れて走ります。ほとんどトンネルの中を通るので、車窓の景色を堪能することはできません。16分ほど乗ると黒部ダムに到着します。天気は相変わらずの雨。日頃の行いがやはり悪いのでしょうか?傘を持ってくれば良かったとちょっと後悔しました。仕方ないのでダムの売店でビニル傘を購入して見学をすることに。 黒部ダムは昭和31年10月に大町トンネル(現在の関電トンネル)の掘削が始まって以来、7年の歳月と513億円(当時)の工費をかけ、昭和38年6月に完成しました。その高さは186mもあり、日本一を誇っています。ダムから下をのぞくと吸い込まれそうになります(かなり怖い…)。
 黒部ダム建設は世紀の大事業と言われ、その工事の模様は小説や、石原裕次郎主演の「黒部の太陽」という映画になるくらいです。最近ではプロジェクトXでも取り上げられDVDで発売されています。

扇沢にあるトロリーバス乗り場
架線との接合部を拡大
黒部ダム(高さ186mは日本一)

 せっかくここまで来たので、ケーブルカーで上へ行って見ることにしました。このケーブルカー、駅舎も含めて全線地下にあるのです。これも実は日本で唯一のもの。最大斜度は31度もありかなりの急勾配。800mの距離を5分で走ります。地下を走るので景色を残念ながら見ることができないのですが、これも景観の保護と雪害防止を考えてのことなので我慢しないと。その分、ケーブルカーの終点である黒部平からの景色はかなりきれいですから。ちなみに私はその景色を見ることができませんでしたが…(写真を見て貰えれば理由は分かりますよね)。標高1828mの黒部平はもう雪が降っていました。

 ここで雪が降っていると言うことは、もっと上は積もっているかも…との思いから、もう少し上に上がってみることにしました。次はロープウェイに乗って大観峰(だいかんぼう)へ。このロープウェイも日本唯一なんだそうです。「ロープウェイは日本国中どこにもあるじゃない」と言うでしょうが、実は支柱が全くないのです。これも景観保護を考えてのことだそうです。7分の乗車時間ではありますが、晴れているとかなり美しい景色を見ることができます。ちなみに私は、美しい景色を見ることはできず、上へと進むごとに霧に覆われ周りは白くガスっているような景色しか見ることができませんでした。
 終点の大観峰は予想通りの雪景色。私を含めて見学している人たちは皆さん寒そうでしたが、売店には暖かい食べ物や飲み物がそろっているので、凍えそうと言うまでは行かずに元気にはしゃぐ(?)姿を見ることができました。平日だというのにかなりの人(ツアー客がほとんど)だったのでこれは早めに降りた方が良いと思い、来た時と同じようにロープウェイ、ケーブルカー、トロリーバスで扇沢へと戻りました。

ケーブルカーで黒部平へ
ロープウェイから黒部湖を望む
大観峰は雪景色でした。

 宿に戻るにはまだ早いと思ったので、宿の近くにある「酒の博物館」に寄ってみたのですがなんと休館日。仕方ないので、少し走って「アルプス搗精(とうせい)工場」に行ってみることに。しかしここも休みでした。ドアには『11月1日〜3月31日まで閉館致します』との張り紙が…。かなりタイミングが悪いようです。遠くまで足を伸ばす時間もなかったので、大町ダムを見に行ったり、宿周辺を散策してから宿に帰ることにしました。今日一日、あまり良い日とは言えなかったです。


 11月5日(金)、昨日の教訓を生かして遮光カーテンを閉めずにいたので、日の光が部屋に入ってきてすがすがしい朝を迎えることができました。朝食は昨日と同じものでした。バイキングなので同じなのは仕方ないですよね。
 9時を過ぎたのでホテルをチェックアウトして、昨日休館日で行くことができなかった「酒の博物館」へ行ってみることにしました。
 この博物館は、酒造りの歴史や文化・道具などをはじめ、全国の酒1500点が展示されています。どのように日本酒ができるのかが丁寧に説明されたパネルや史料を見ながら知ることができます。もちろん1500点の中には、多摩自満や沢ノ井などの多摩地区で造られている日本酒も展示されていました。ここには試飲コーナーもあり、甘口から辛口まで5種類の地酒を飲み比べることができます。酒好きにはたまらないかも…。売店もあり、試飲した地酒などをおみやげに買って帰ることもできます。

日本中の銘柄が展示されています。
(マウスを近づけると写真が変わります)
米を蒸すために使われていた蒸し器
試飲コーナー
地酒5銘柄を飲み比べることができます。

 隣には大町郷土玩具博物館もあり、全国各地にある昔ながらのおもちゃが約1700点展示されています。今回は見学をしなかったのですが時間があれば見学してみて下さい。

 博物館の見学を終え、岐路につくことにしたのですがそのまま自宅に戻るのもどうかと思ったので、伊香保にある水沢うどんを買って帰ることにしました。
 豊科ICから長野自動車道を北上して、更埴JCTから上信越自動車道へ。上信越自動車道は、鹿教湯温泉へ行ったときに使ったので何となく道なりは覚えており、すぐに関越自動車道に接続するような気になってたのですが、実際に走ってみるとそんな甘いものではありませんでした。走っても走ってもなかなか「関越道」の標識は見えず、自分のカンの甘さにガッカリしました。関越自動車道の藤岡JCTについたのは出発してから3時間ほど経っていました。関越自動車道を自宅方向とは逆に北上し、渋川伊香保ICから一般道に降りて行きつけの水沢うどんのお店「万葉亭」へ。昼食も取らずに運転をしていたので食事をしてうどんをお土産に購入しました。年に何度も行くのですが、元々は職場の旅行で立ち寄ったのが最初です。水沢観音の周辺には何件もの水沢うどんのお店があるのですが、先輩の話によると「店の選択を誤ると、まずいうどんを食べることになる」と言われたのでこのお店以外はほとんど行きません。TBSラジオで有名な大沢悠里さんの実家も水沢うどん屋さんということで連日混雑しています。ちなみに「大澤屋」といいます。
 おなかも満たしたところで、帰路につくことに。渋川伊香保ICに向かって走っていたのですが、途中「おもちゃと人形自動車博物館」の看板が気になり、その場所へ行ってみることにしました。看板の道順にしたがって進んでみると、以前同級生と来たことのある場所に着きました。ここは、おもちゃやテディーベアが展示されており、当時は女性向きの施設のように感じました。また、同じ施設内にチョコレート博物館も併設されており、館内を進むに連れてチョコレートの甘い香りがしたことを覚えています。どうやらその場所に、この博物館の館長が所有する自動車が展示されたようです。自動車と聞いてどんな車が展示されているのか気になったので寄ってみたのですが、軽自動車やスポーツカーなど懐かしい車が何台も展示されており、自動車好きの私にとっては時間を忘れる位見入ってしまうほどでした。ついた時間が遅かったこともあり一通り見学をして帰ってきたのですが、もう一度ゆっくりと見学したいですね。

テディーベアがたくさんいますよ。
昔懐かしいおもちゃが展示されています
自動車博物館1階は軽自動車を展示
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自動車博物館2階は普通車を展示
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日産 ダットサン
1959(昭和34)年製
自動車博物館3階はスポーツカーを展示
(マウスを近づけると写真が変わります)


 平日と言うこともあり、3日間運転していても渋滞もなかったのでのんびりと移動することができてよかったです。黒部ダムは天気が悪かったので、もう一度ダムの放水をしている時期に行ってみたいです。放水は6月下旬から10月中旬までになっているので、黒部ダム観光情報のホームページ(http://www.kurobe-dam.com)などを見て、詳細を確認してみて下さい。