2002年伊勢神宮初詣

　毎年恒例の伊勢神宮初詣．今年は正月３日に行うことにした．…というより大晦日に友人からの一方的な通告があった．
　明けて１月３日，東海地方は４０年ぶりの大雪．朝目覚めて，まずインターネットでＪＲと近鉄の運行情報を確認する．ＪＲ関西線は運転見合わせ．近鉄は４０分前後の遅れがあるものの動いているようであった．

　現地（近鉄宇治山田駅）で合流する大阪の友人にTELして，現在の状況を連絡すると「とにかく宇治山田までは行く」との返事．こちらの状況を全く理解していないのでは…，と思ったが，とにかく家を出ることにした．
さて，どうやって大垣駅まで行くか？最初の難問である．
自転車は危なくて乗れない．車は雪から掘り出さないと乗れない．バスはいつ来るかわからない…．ということで結局，駅まで約２kmの雪道を歩くことに．
歩道は全く除雪されていないので車道を歩く．途中で新聞が散乱している現場に出合った．配達の自転車かバイクが転倒したのか？
　駅前の商店街にはアーケードがあるので，とにかくそこを目指した．

　９時頃に大垣駅に着いたが，駅の案内は８時台の列車を表示していた．軌道には雪が積もってレールの頭しか見えない．しばらくすると米原からの上り金山行きの電車が到着したが，「大垣で運転を打ち切る」との放送があった．続けて「現在，東海道線は運転を見合わせています．運転再開の目処は立っていません」．コンコースに戻って待つこと約１時間．名古屋方面からの下り列車が着き，それが折り返し上り電車になるとの放送があった．ホームに降りて何とか電車に乗ったが，このまま伊勢まで行って，はたして大垣まで帰ってこれるのか…との不安がよぎった．
　いざ列車が走り出すと，いつもと変わらない所要時間で名古屋に着いたが，すでに時計は１１時に近い．大阪からの友人は１１時５１分に宇治山田に着く．間に合わない．携帯のメールで現状を連絡する．

　近鉄名古屋駅の切符売り場へ急ぐ，窓口には長蛇の列．こんな大雪の日に，みんな初詣に行くのか？．
とにかく一番早い特急を…と窓口で告げ，１１時２５分発の賢島行き特急の切符を手に入れた．宇治山田までノンストップなので約１時間１５分で着く．
　ところが，地下のホームに降りると，まだ１時間前の特急さえ出ておらず，ホームは電車を待つ人であふれていた．１０時１０分発の特急が，屋根にどっさり雪を乗せて１時間半ほど遅れて駅に入ってきた．ホームに歓声と，これなら（遅れても）仕方がない…という声が広がる．
「ただいま伊勢方面の特急券の発売を見合わせております．特急券は車内で購入してください．尚，大阪方面の特急券はひきつづき発売しています」との放送があった．大阪行きと伊勢方面行きの列車は，名古屋－伊勢中川間は同じレールの上を走るのに，なんで違うのか？と疑問に思う．
ということで，ホームに入ってきた１０時２５分発（名古屋を出たのは１２時頃）の特急に乗り，宇治山田に向かった．

　電車は名古屋駅から地上に出ると，しばらくは一面の銀世界の中を，軌道に積もった雪を舞い上げながら走る．三重県に入ると車窓の雪は少しづつ減り，今度は屋根に積もった雪を撒き散らしながら伊勢を目指した．通過駅や踏切待ちの人が，屋根の雪を見てびっくりしている様子が見える．
１３時２０分頃に宇治山田駅に着いて友人と合流．駅構内は例年より人が少ないようであった．名古屋方面からの参拝客が少ないためだろう．

　駅からバスで内宮へ向かう，例年なら渋滞でかなり時間を要するところだが，今年はすんなりと内宮前まで行けた．参道の人も少なく，正殿まで立ち止まらなかった．参拝後はおはらい町で伊勢うどんを食べる．太い麺と少ないつゆが特徴である．寺社に参詣し，そのあと門前で一杯…というのは日本の文化の一つだと思う．
　今年はいつもより早く参拝を済ませることができたので，鳥羽まで足を延ばすことにした．駅前の「鳥羽一番街」で海の幸を肴に一杯やった．サークルの次の旅行の計画や，どこか鄙びた温泉へ行きたい…，といった話をして杯を傾けた．

　午後５時半頃鳥羽駅で友人と別れ，帰路に着いた．帰りの電車も遅れてはいたが，大垣まで順調に帰ることができた．
　新年早々，大雪に見舞われながらも，幾多の困難（？）を乗り越えて伊勢神宮参拝を果たし，今年は良いことがあるかもしれない，そんな予感がする新年初詣であった．


近鉄名古屋駅へ到着した特急電車		近鉄名古屋駅（1月3日 11時40分頃）


	大垣駅へ行く途中の様子