熟年トレッキングツアー体験記3
(2004.5.23〜24)


■ 信州高山温泉郷 ゆっくりトレッキング ■
いつもお世話になっている旅行代理店が,毎年春と秋の2回行っている「熟年トレッキングツアー」に,今年も,参加させていただいた.今回の参加者は総勢40名.特別なPRをしなくても満員御礼になってしまう,支店の超人気ツアーである.今回のテーマは「新緑の松川渓谷と軽井沢・信濃路自然歩道ウォーキング」である.
★松川渓谷(舞の道遊歩道,雷滝)
コースチャート
露地門(ろじもん)
徒歩7分
中門(ちゅうもん)
徒歩6分
松楓庵【ここまで680m】
徒歩14分
つり橋【ここまで1.1km】
徒歩2分(上り勾配)
豊野南志賀高原線

 信州高山温泉郷の松川上流付近は,全国紅葉百選にも数えられているが,秋の景観はもとより,四季折々の渓谷美を楽しむことができる.松川沿いにはいくつものトレッキングコースが用意されているが,今日はこの中から「舞の道遊歩道」を歩く.山田温泉の入口,高井橋から薬師堂に至る全長約1.3kmのコースである.距離は短いが,数寄屋造りの露地門を起点に,なだらかな山道を歩くと,中門(ちゅうもん)や茅葺き屋根の松楓庵などの休憩所がある.路面は舗装路ではないので,足に優しく,雨に濡れた新緑は目に優しい.最後につり橋を渡って,30段ほどの石段を上ると,豊野南志賀高原線に出て,ここにバスが待っている.この最後の石段が熟年の参加者にはちょっときつかった様であった.所用時間は約30分(約3000歩).
 次いで,バスに乗って松川の上流にある雷滝へ向かう.急な階段を下りると,豪快な滝が目に飛び込んでくる.雷滝は別名裏見の滝といわれ,滝の裏側から流れ落ちる滝を見ることができる.滝の落差は28.5mあり,流れは白い塊となって一気に滝壷へ落ちていく.今は新緑が眩しいが,秋は紅葉,冬は神秘的な氷柱の造形美を見ることができる.その他に松川渓谷には八滝や七味大滝と名付けられた滝がある.これらの滝を全部見て歩くと約3時間,5.1kmの道のりになる.途中に温泉もあるので,のんびり温泉に浸かりながら歩くのも良いだろう.

いで湯とくだものの里・信州高山村

高山村のオフィシャルホームページ.

信州高山温泉郷観光協会

地図をクリックすると拡大します
舞の道遊歩道(つり橋) 雷滝(滝の裏側から) 雷滝
豪商の館・田中本家博物館
庭園
カルガモを撮るのを忘れました

★豪商の館・田中本家博物館

バスは昼食をとった須坂へ戻り,豪商の館・田中本家博物館へ立ち寄った.
田中本家は江戸時代に須坂藩御用達商で,北信濃で随一の財力を誇る豪商であった.数々の「お宝」が展示されているが,貧乏性の私は,今ひとつ興味がないので,足早に展示品を見て庭園に出た.すると,庭園にカルガモの親子が棲みついており,その動作を見ていると,とても可愛く,いつまでも飽きない.見ているだけで癒されてくる.博物館の人の話では,毎年渡ってきて,子を生み,7月頃に飛び立っていくそうだ.ひょっとすると,これが最高の「お宝」かもしれない.

田中本家博物館HP

こちらにはカルガモの写真も載っています

★あずまや高原ホテル

このツアーであずまや高原ホテルを利用するのは,今回で3回目になり,熟年トレッキングツアーの定宿となりつつある.このホテルは日本百名山のひとつ,四阿山の中腹,標高1500mにたたずむ高原のホテルで,天気が良ければ,日中は噴煙を吐く浅間山を,夜は満天の星空を望むことができる抜群のロケーションである.しかし,私たちがホテルに着いた時は,あいにくの雨空で,どちらも見ることができなかった.

 私は,いつもは一人で旅をすることが多いので,旅館で浴衣に着替えて,大きな温泉に浸かって,大勢で食事を味わうという経験はなかなかできない.だから,ツアーでの一夜は,楽しみの一つである.今回は,7人で参加のグループの方と一緒に食事をさせていただいた.この人達は,とにかくお酒のペースが速い.同席の好(よしみ)ということで,ただ酒を飲ませていただいた(感謝,感謝).一応,少し遠慮しながら?楽しませていただいた.

あずまや高原ホテル

日帰り入浴も可能.また,ホテルでのコンサートなどの企画もあります.

あずまや高原ホテル
夕食をご一緒させて頂いた方々

■ 白糸の滝から新緑の信濃路自然歩道トレッキング ■

 2日目は窓から差し込む朝日で目覚めた.昨日の雨で一段と緑が濃くなった感じがする.

 8時45分.ホテルをバスで出発し,鬼押出を車窓から眺め,途中浅間高原・浅間六里ヶ原休憩所に立ち寄る.きれいな成層火山の浅間山を間近にみることができるポイントである.浅間山をバックに記念写真を撮る.ここから10分ほどで白糸の滝入り口に着く.

浅間六里ヶ原休憩所前駐車場にて,浅間山をバックに記念撮影
(写真をクリックすると拡大します)
★信濃路自然歩道(白糸の滝〜小瀬温泉)

 バスを降りて,5分も歩けば白糸の滝である.豪快さは無いものの,弧を描くように幾筋もの水が流れ落ちる姿は,女性的な繊細さを感じる.この水は浅間山の伏流水で,湯川となってやがて千曲川に注ぐ.

 我々一行は,一旦,駐車場まで戻り,信濃路自然歩道に入る.入り口には「野生動物(クマ)生息地域」と熊のイラストの描かれた看板が建っている.添乗員さんは,この道を一人で下見をして歩いたのだろうか…と感心する.初めは登りの階段が続くが,後は全体的には下り坂である.しかし,自然道なので,適度なアップダウンはあり,ほとんどの人が杖をつきながら歩いている.しばらく,道は白糸ハイランドウェーに沿っているので,車道が見えるというのは,熊の看板があっても,安心感があるものである.私は,添乗員さんの指示で,列の最後尾から歩いていったが.急な下り坂では,ご主人が奥様の手を取りながら,睦まじく歩いていく後ろ姿を眺めて,ほほえましく思った.

途中,休憩をしながら,ゆっくり歩いて竜返しの滝まで約1時間40分.竜返しの滝から一旦碓氷峠方面への分岐点まで戻り,15分ほどでバスの待つ小瀬温泉に着いた(約7000歩).

コースチャート
白糸の滝前駐車場
徒歩5分
白糸の滝
徒歩5分
白糸の滝前駐車場
信濃路自然歩道入口
徒歩1時間40分
竜返しの滝
徒歩15分
小瀬温泉
(白糸の滝から4.2km)
白糸の滝 竜返しの滝

★小瀬温泉からホテル・ラ・メゾン軽井沢

 小瀬温泉からバスに乗り,昼食場所へ向かう.約2時間のウォーキングで小腹が空いたので,ガイドさんがよく冷えたキュウリを配給してくれた.適度な水分が,喉の渇きを潤してくれる.前回のツアーの時は高原の朝採りキャベツの配給であったが,どちらも新鮮な野菜なので,ほとんど調味料を使わなくても,美味しく食べることができる.途中,車窓から旧三笠ホテルの建物や旧軽銀座の賑わいを眺めながら,昼食場所のホテル・ラ・メゾン軽井沢に着いた.ここは結婚式やガーデンパーティなどもできるリゾートホテルである.

ホテルメゾン軽井沢

食事の他に宿泊やウェディング,ガーデンパーティもできます.

■ ぶらり軽井沢散歩 ■

★軽井沢フリータイム

 軽井沢で約2時間のフリータイムであった.私はどうしても行きたいところがあったので,とりあえず,旧軽銀座で職場へのお土産(会社を休んでツアーに参加しているので,少し後ろめたさがある)を買って,旧中山道,別名離山ロードを西へ向かった.六本辻を右折すると雲場池という1周20分ほどの小さな池に出る.別名,スワンレイクと呼ばれる池である.冬になると白鳥が訪れ,別荘の外国人達に親しまれてきた.
 実は,ここに来るのは2回目で,1回目は5年前,旧中山道を軽井沢宿から追分宿に向かって歩いていた途中に立ち寄った.池の畔のベンチに腰掛けて弁当を食べるつもりであった.が,しかぁ〜しっ,この目論見(もくろみ)は,あえなく崩れ去ることとなった.その日は休日であったため,池の周りはアベックに占拠されて,とても男一人がお弁当を広げられる雰囲気ではなかったので,あえなく退散してきた苦い思い出がある.
 しかし,今日は平日なので,池の周りは静かで,ベンチには初老のご夫婦らしき人が腰を下ろしている.なんとも,絵になる風景である.私はアベックに邪魔されることもなく,水面を泳ぐ水鳥の姿を眺めて,しばし,時を忘れていた.

 さて,このトレッキングツアーも次回は記念すべき第10回である.これほど続いたのも添乗員さんの人柄によるところが大きいと思う.添乗員さんは,とても明るい人で,一緒に話をしていて楽しく,それでいて細かなところまで気配りが利いて,支店にチケット1枚買いに行っただけでも,いつも長居をしてしまう.
次回はどんな旅になるか今から楽しみである.

軽井沢町役場

軽井沢町役場のホームページ.観光情報も充実しています.

たびネット信州シリーズ軽井沢

周辺のウォーキングコースの案内もあります.


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2004年 9月 22日 水曜日


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