第11話  やっぱりこれは夢なんだろうか…

私は自分の目を疑った…何回も何回も見直した…でも…そんなあたしの行動を見ていた一人の女性があたしのほうにやってきた…ああ…やっぱり見間違いじゃなかったんだ。
「…こんなところで逢うなんて…kaochan…大きな声だから吃驚して見てみたら…」
「あたしだって驚くわ…なんで香港になんているのよ…それも…それも…なんで吾朗くんと…」
「…ナイショよ…('-')フフ…あたし今度結婚するんだ…彼と…それの打合せとか色々…日本じゃなかなか出来ないでしょ。だからお休みを利用してこっちに着たんだ(^^ゞ」
「え?ええええ??結婚て!!陽子ちゃん!ほんとに結婚するの??吾朗くんと!!!」
…彼女はあたしのお友達で昔から大の吾朗君ファンだったんだけど…でもどうして結婚なんか…どうやって知り合ったんだろう…だって今までそんなこと一言もいってなかったのに…
「どうして結婚するかって??('-')フフそれは言えないわ。でも吾朗君があたしのこと大切にしてくれてることに嘘はないのよ(^ー^)ノ…ふふkaochanはどうなの??え〜〜っと誰だっけ?武ちゃんじゃなくて…アーロンだっけ??」
「や・やめてよ陽子ちゃん!!こんなとこで言わないでw(☆o◎)wドヒャ-」
「ん?小香…小香てアーロンのことすきなの??」
「や・や〜〜ね違うわよ学友…もう気にしないで…」 真っ赤になってる自分の顔が自分でもわかっていた。
「ね…小香…本当にアーロンの事好き??それとも別に好きじゃない?」
…?…学友が神妙に話すのであたしも陽子ちゃんも顔を見合わせてしまった。…どうしたんだろう…
「ん?あたしがアーロンのこと気に入ってると何か問題があるの???…学友…」
「え?…いや…そういうわけじゃ…」
学友はそれっきり言葉をなくし、ただうつむいているだけだった。
…おかしい…なんだかおかしい…あたしは腑に落ちないまま、陽子ちゃんとの会話に戻り吾朗ちゃんとも仲良くなった。
しかし…このことが、大事件を起こそうとは夢にも思わなかった…

第12話  黒い影…

食事を終えた私は、学友に連れられて香港見物をすることになった。
吾朗君も陽子ちゃんもいつもは外出も出来ずに部屋に居たらしく、一緒に付いてくることになった。
私も陽子ちゃんも吾朗君もはっきり言ってただのおのぼりさん状態(爆爆)
特に吾朗君は私の知る…そう…TVで見かけるクールな彼とは全く違う…とっても元気で、楽しい人だった。
「…ねえ陽子ちゃん…吾朗くんてこんなに明るい人だったの?」
「そうよ(^o^)…知らないもんね!本当の彼の姿なんて…TVとは全然違うでしょ?…私はそんな誰も知らない彼が好きなんだ('-')エヘ」
「ん〜〜そうなんだ〜…でもさ〜どうして吾朗ちゃんと知り合いになれたの??それも結婚だなんて…教えてほしいわ!!」
「え?それはね…やっぱりいえない…これは言っちゃうとダメなんだ…彼との約束だもん!」
「なんでよ!!教えてよ!!あたしも参考にしたいじゃない!!アーロンと……っとっとっと…イケナイイケナイ…ここではナイショだったわ(^^ゞ」
「('-')エヘそうね…で?ここで逢えたのアーロンと…でもどうしてナイショなの??アーロンのこと大好きなのに」
「いや〜〜ね〜〜こんなところで!!大きな声で言わないでよ…学友にはまだ言ってないのよ(^^ゞ」
「どうして??ん〜〜早く白状してとっとと逢わせてもらえばいいのに〜」
「ん〜〜それもそうなんだけど…ね〜こればっかりは…緊張しちゃうしね…」
「そういうものなのね…私はね〜〜…ふふふ…」

私達はここが香港だと言うこともわすれて二人の会話に入り込んでいた。…そのとき…
「うわ!!!」
大声と共に吾朗君の体が宙を舞った…
「吾朗君!!大丈夫??どうしたの!!」
ドスンッ!!…大きな音と共に石畳の地面にたたきつけられた。
「(>_<)イタッ!…な・なんだ?誰だ!!」
バタバタバタ・・・・・・走り去る一人の男・・・なんだかまだ若そうに見えた・・・。
「大丈夫か?吾朗君!!怪我は?」
学友の顔は真っ青になっていた。あたしはとても不安を感じた・・・何かある・・・
「いや・・・別に、たいしたことは・・・普段鍛えていたことが役に立ちましたよ。芸能人もやっておくと便利なことがあるんですね(^^ゞ」
「そんなのんきなこといって・・・ほんとに大丈夫・・・」陽子ちゃんは泣きそうになりながら吾朗君のそばに走っていった。
「なんだかすごい勢いでぶつかられちゃったよ・・・すごく急いでいたのかな?」
「それにしても、普通は謝るよね…もう!!」
2人とも何も疑った様子はなく、とおりすがりの出来事と思っているらしかった。しかしそのときあたしは、きっとすごいことが動き出したと思った。帰ったら早速、学友に何もかもを聞き出さなければ…そう思った。

第13話  意外な事実・・・

予定を変更して、吾朗君たちをホテルに送り返し、あたしは学友と一緒にあたしの部屋に帰ってきた。
「ねえ…今日のこと偶然じゃないよね…吾朗君のこと…」
「うん…実は今回が初めてじゃないんだ・・・前は狙われてる本人が同じような目にあっているんだ…でも彼は反射神経がとても優れているから…大事には到らなかったんだけど…」
「そう…怪我がなかったから報道もされなかったのね…でも…なぜ、吾朗ちゃんが狙われるの?」
「きっと本人に背格好が似ていたからだろう…それか、僕が動いているのがばれていて、いい加減犯人探しから手を引け…って言うことの見せしめなんだろうか…」
「と言うことは…吾朗君と背格好も似てる人って…」
「小香…やっぱり不安だよね…自分の身になにが起こるかわからないからね・・・」
「…うん、不安がないと言えばうそになるけど…でも今回のことが又起こらないとはいえないわ…もうそろそろ本当のこと教えてもらっても…いけない??」
「……小香…きみに嘘をつき通すのは…きみの為にもよくないよね…だけど解っておくれ…本当にこのことは僕と有有と本人しかしり得ないことなんだ…」
「解ってる…約束するわ…もう軽はずみな事はしないから…」
「実は有有は彼の…狙われている彼の妹なんだ…」
「へ??妹?彼?ねらられてるのは男の人なのね…」
「そう…有有はきみの大好きな城城の妹だよ…そして狙われてるのがその城城なんだよ」
「……うそ…アーロンが狙われてるの?うそ!!どうして!!どうしてアーロンが狙われるの??…へ??有有が妹?…余計なこと言ってなかったかなあたし…」
「本当に狙われているのがアーロンだとわかると小香が心配して余計迷惑がかかると思ったんだ…でも一緒だったね…とにかくこれが真実なんだ…」
「…あたし…アーロンのためだったらもっと本気で犯人探しに力を入れるわ!!心配しないで学友!!絶対助けてみせる!」
「…ごめんなさい小香…」
いつのまにか有有があたしの部屋にやってきていた…相変わらず美しい姿で…
「隠していたつもりはなかったのよ…でも…兄のことが心配で..」
「大丈夫!あたしがばれないように何とかするから…だから明日からは学友とも離れて自分で調査に乗りだすわ…」
真実を知って私は決意を新たにした…。

第14話   新事件勃発!

真実をしって私は前にまして本気で探偵家業に乗り出すことになった。
しかし香港のことをよく知らない日本人がひとりでうろうろするほうがきっと、目立つだろうと思って陽子ちゃんに助けを求めることにした…
…しかし…昨日のホテルに陽子ちゃんの姿はなかった…
「すいません…昨日までここに泊まっていた彼たち…吾朗君と陽子ちゃん…どうしちゃったんですか??」
「はあ…お客様は昨日夜中に外出されたまま戻ってこられず…そのままチェックアウトなさいました…お荷物は着払いで日本へ送って欲しいと…」
「ええ??どういうこと??夜中に外出って…で??どこへ行くと言ってました??」
「いえ..それは申し上げられません…」
「どうして!!あたしは彼女の親友よ!彼女のことが心配であたりまえでしょ!」
「…あの〜…失礼ですがお名前は??」
「は??あたしの名前?..小香よ!kaochanとも言うわ!それがどうしたの!」
「あ!あなた様が…わかりました…では、こちらにお越しください」
…??なぜか私はホテルの1室に通され1通の手紙を受け取った…

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親愛なるkaochanへ…

今日は本当に久しぶりにあえて嬉しかったわ…
本当は日本を出る前に会って置きたかったんだけどなかなか時間がなくて黙って飛び出してきたのに、ここに来て逢えたから…きっと神様があわせてくれたのね…

実は、私と吾朗くんは結婚できないのです…
いえ、しようと思えば幾らでも出来ます。でも彼はやっぱり芸能人でとっても人気のある人だから…周りからものすごく反対されているのです。無理に回りを押し切って結婚しても今後の彼の仕事に影響が出ないとはいえないのです…
それで今回も香港に来たのは回りから逃れるために…かっこよく言うと…駆け落ち…みたいなものなんです。
でも、今日公園でみんなでいるときに吾朗君が誰かにぶつかられて…実はこの香港に来て何度も同じようなことがありました。きっと日本からの使いかも知れません。
私たちは今、ここから動かないともう逃げられないのです…

kaochan…折角逢えたのにもうお別れしなくてはいけないのはとても淋しいことですが、私たち2人、手に手を取って新しいところへ旅立ちたいと思います。
だから私たちを探さないで下さい…行き先は決めていません。でも きっと又逢えると信じてます。
...それが世界のどこであっても…


                                                陽子

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どうなってるの〜!!どういうこと!!あたしの頭は変になりそうだった。
駆け落ち??結婚するんじゃなかったの??
へ??公園でのこと…香港に来てからずっと…と言うことはずっと間違えられてたの?
それがきっかけでここを離れなくちゃいけないなんて!!
アーロンを脅し、痛めつけて、吾朗ちゃんや陽子ちゃんまで窮地に追い込んだ犯人!絶対許さない!あたしが絶対捕まえてやる!

しかしこの1週間後、日本の新聞は吾朗ちゃんの失踪事件を大々的に報道することとなった。

第15話  あたらしいパートナー?探し…

とりあえず私は一人でできることからやることにした。やっぱり女の一人歩きはかなりやばそうだわ…
ここ最近の香港や台湾での賞レースについて受賞者やノミネートされなかった人…色々資料を調べて不信な人物が出てこないか探ってみたりした。資料集めはいとも簡単、学友と有有に頼めばほんの一瞬で全部揃った。
「だめだ…これだけじゃ何にも前には進まないわ…(´ヘ`;)ハァ」
「小香…私ができることって他には?」
「…うん…有有はみんなに知れてるから、反対にどこにも行かないほうがいいわね…」
「そうね…わたしって何にもお役に立てないのね…」
「い・いいぇ…そ・そ・そう言う意味じゃなくって…今度有有にまで何か問題が起こると大変だと思って…」
「ありがとう…小香は優しいのね…きっと兄もこのことを知ったら…とても喜ぶわ…」
「…ん???へ?…もしかして…アーロンは私が動いてることを知らない?????」
「…あ…そうだわ…ほんとに…まだ言ってなかったわ…それに、小香のこと紹介もしてないのね。わたしったら…早速兄に連絡を…」
「へ?ぎゃ〜〜〜〜!!ちょっと、ちょっと待って!!まだいい…まだいいわ…逢わせて貰わなくても…」
「どうして??早くあってお話をしたほうが…」
「い・いいぇ…今は勘弁してください…お願いだから…」
…今?今会っちゃだめなのよ…今アーロンと逢ったりしたら、あたしは只のおせっかいな押し付けがましい女になっちゃう!!<あなたをいじめる犯人を見つけてあげるわ!心配しないで思いっきりお仕事して頂戴!!>なんていえるもんですかーー;
あたしの夢は、この夢の町香港で…偶然に街中でアーロンと出会って恋に落ちるのよ…
そう..人ごみでぶつかってよろめく私をアーロンが助ける…そして目と目が合って…二人は…あ〜ロマンスだわ〜・・……
「…小香??小香?・・どうしたの??何かおかしい??」
「へ??あ…(^^ゞ し・しまった…すっかり妄想モードにはいっちゃったわ…と・とりあえずこのことはアーロンには言わないで!それと学友にもちゃんと伝えておいてね!」
「わかったわ…必ず…」

私はこの先どうするかを考え出したとき…
「あ!!そうだ!!いい人がいるじゃない!有有!学友に連絡して呉 奇隆くん夫婦をこの間のレストランに連れてきてもらって!!あたし今からそこに行くから!」
「え?呉 奇隆ご夫婦?」
「そう!!紗和さん!奥さんに用があるのよ!」
あたしは日本人奥様…紗和さんに手伝ってもらうことにしようと思った…

第16話   迷探偵コンビ??

…相変わらずこのお店は心を和ませてくれる…音楽も電灯も雰囲気も…みんなが来るのが分かる気がする…
だけど私の目はここに来ている誰よりも鋭く、そしてすばやく見つめていたかもしれない。私は先に来て、ここに来る明星の一人一人までを見逃さないつもりでいた…
運良くドアマンが学友と来たことを覚えてくれていたので今日も彼と待ち合わせだといえばすんなり中に入れてくれた…さすが学友は待遇が違うらしい…
今はまだ開店したばかりでそれほど客も多くなく私にはいい環境だった。
私はドアマンに頼んで今日来店したお客の順番を紙に書き留めて欲しいと頼んでおいた。
彼はかなり訝しがったが、学友の演唱會の1列目のチケットをペアであげるよ!って言ったらニコニコしながら引き受けてくれた…流石神様学友様…ドアマンのおじさん!何があっても絶対1列目GETするから待っててね!
そうこうしていると学友本人が現れた。おじさんはこちらをみてニコニコしてる…あたしもニコニコ微笑み返した(^ー^)ノ
「ん??もうお友達になったの??」
「そう♪その代わりあなたの演唱會のチケット…最前列ペアで予約しておいてね…」
「はあ?…そんなこと簡単だけど…ん〜よくわかんないけど、マネージャーに言っておくよ…」

時間を空けずして、先日と同じように赤いアウディと赤いBMWで別々に呉 奇隆は到着した。
「ごめんなさい…忙しいのに急にお呼びだてして…」
「おや!小香…学友にすぐにって言われたんで来たんだけど…」
「小香の御用だったの??でも私はどちらのお呼びたてでも嬉しいわよ♪」
「ニッキーごめんよ…どうしても…お願い事があったから…」
先に来ていた学友には私の考えていたことを話しておいた…
 2人には本当のことは言えずになかなか口はぼったい言い訳をしながら、とりあえず人探しをしているのだが、あたしが一人でうろうろするには危険が多すぎるから、紗和さんを頼って遊びに来た日本の友達と言うことにして、呉 奇隆くんのいる撮影現場やスタジオなどを見学させてもらうことにした。勿論学友のスタッフとして紹介されたこともあるのでここは話をあわせるべく何度も4人で打合せをしておいた。
 納得がいかないような雰囲気もあったが、でも2人は何も聞かず最後は笑って協力を約束してくれた。なんて優しいご夫妻なんでしょ。そのうちあたしと紗和さんはめちゃくちゃ気が合ってすっかり日本の話題で盛り上がり、やっぱり彼たちも電影や歌の話で盛り上がりすっかり和んだ夕食を楽しんだ
「それじゃ〜明日からしっかり小香のお手伝いをするんだよ..紗和♪」
「ハイ♪ 頑張るわ だ〜りん♪」
「…………」
私と学友は返す言葉が見つからなかったが、それでも明日からの行動が見えてきて私は熱い闘志がメラメラと燃え上がってくるのがわかった…
こうして迷コンビが誕生したのだった。

第17話   偶然の出会い

熱い闘志…メラメラと…燃え上がってくるのが分かったわ…そう…メラメラと…
熱くなってるのは闘志だけでなく、あたしの頭も熱くなってた…40度…発熱だーー;…
このところ何にも考えずに爆走していたから疲れがたまったのかも知れない。
有有は最近はほとんど私の部屋で生活しているような感じで、自分の仕事と外からの連絡を待つ時だけ部屋に戻り、常に私に情報を提供してくれている。だから今朝も有有がいてくれて本当に助かった。
「少しはゆっくり休んだほうがいいわ…。そんなに急に何も変わらないと思うから…」
「でもそうもいってられないわ…この何週間かは吾朗ちゃんには悪いけど、身代わりになってくれてた人がいたから、アーロンには直接被害はなかったけど…でも今はまた元の状況に戻ってるの…だから急がないと…今日ももうすぐ紗和さんが迎えに来てくれるはずだから…」
「…でも…」
ピンポ〜ン♪…紗和さんがやって来た…
「じゃ〜あたし行って来るわ…」
「…本当に無理しないでね…小香」
「大丈夫よ。紗和さんもいるし…頑張ってれば私にもそのうちきっといいことがあるわ…そう思ってるd(^-^)ネ!…有有」

紗和さんは赤のアウディでお迎えに来てくれた。
「小香大丈夫??熱があるんだって??無理しないでもいいのに〜」
「いいぇいいぇ大丈夫…このくらいは何てことないよ…さあ〜初の歌番組舞台裏に参上だ〜!!」
今日の現場は呉 奇隆くんが出演する歌番組の収録現場にお邪魔することになった。
ここは学友にはまだ連れてきてもらってないので本当に初めてだ。
「うっわ〜すっごい人!!これってみんなスタッフなの??出演者が誰かなんて全然わかんないわ…(^。^;)フウ頭がくらくら、目がクルクルしちゃいますぅ〜…」
「でしょ〜香港は結構ファンでも勝手に入っちゃうからね〜スタジオ見学なんかも多いから大変よ〜…気をつけてd(^-^)ネ!…知らない人に付いて行ったりしないでよ(爆爆)」
「う・うん…がむばる…」
「あ!!そろそろダーリン♪の出番だわ!近くまで見に行かなくちゃ!!さ!小香、前に走るわよ!」
「へ?走るの?うそ〜ひえ〜…で・でも…きょ・今日は…だめかも…走れないかも…紗和さん…紗和さ〜ん…まって〜・…」
ああああ…なんだかふわふわするわ…天上クルクル回ってるし…なんだか足も地に着いてないような気がするな〜…ん〜とっても気持ちよくなってきちゃった…あれ〜前がかすんでく…紗和さ〜ん置いてかないで〜…あ…

「おい!!小姐!!小姐!!大丈夫??どうしたの!!誰か知り合いはいないの??しっかりして!誰かお水を!」誰か私を支えてくれているみたい…

……どうやら私はここで気を失ってしまったらしい…目立ってはいけない私が思いっきり騒ぎを起こしてしまったようだ。…しかし…今の声…どこかで聞いたことが…でもそんな事はどうでもいいくらい私は眠り込んでしまった。

「…小香…小香…大丈夫??聞こえる??」
「ん〜…紗和さん??呉 奇隆くんも??」
「(´ヘ`;)ハァ…よかった〜気がついた??あ〜もうどうしようかと思ったわ…過労だって…お医者様が…少し休みなさいね…」
「学友に連絡は??」
「したわ…でも心配しないでって言っておいたわ。それとここにはこないでってd(^-^)ネ!」
「あ〜さすが!!ありがと。…でもここは?」
「ここは出演者の控え室よ…さっき小香をここまで運んで来てくれた人の..ね…」
「あっそう…じゃここは呉 奇隆くんの控え室じゃないんだ…でもすっごくきれいなところね…この部屋…」
「そりゃそうよ…ここは……あ!!ほら!!本人が帰ってきたわ…出番が終わったのね」
「??」
「おおお!!小姐!!元気になった??大丈夫??もう!さっきはビックリしたよ〜目の前でいきなり倒れるんだもん!!とっさに抱きかかえたんだけど…あ!なんにもしてないよ!…はっはっは〜そんなことできないよね,みんな周りにもいたし…でも誰も倒れるときに気がつかなくて…ぼくナイスキャッチだったんだよ〜結構上手に受け止められたんだ〜(^o^)…あ?うるさいーー;??ごめんごめん…はっは〜でも元気になってよかったよかった(^o^)」
……………私は言葉をなくした……この天然の会話、他人を気にせず機関銃のようにしゃべり倒して、そしておめめクリクリ…この満面の笑み…そう…この人こそ…郭 富城その人だった…

…私はこのまま…また気を失った…

第18話   2人の夕ご飯

…どのくらい時間が経ったのだろう…ぼんやり世間が見えてきた。
…私は何があったんだろう…なんだか頭がはっきりしない…ん??夢??現実??まだはっきり把握できないでいた…

「うわ〜(^o^) 起きた??どう?大丈夫??('-')フフまた気を失っちゃう??」
……やっぱり本物……夢じゃなかった…本当にまた気を失いそうになった…
「あの〜…あなたは…あの〜…あ・アーロン??」
「わお〜o(^o^)oワオ! 僕のこと知ってるの??やっほ〜♪嬉しいな〜(^o^)」
…間違いなく…本人だわーー; 知ってるも何も…ん〜今、あなたの為に私が動いてるなんていったらきっとビックリするでしょうね…でもなんてご陽気な人なんでしょ(爆爆)
「あの〜…紗和さん…あ、呉 奇隆ご夫妻は??」
「ん?ニコラス?へ?ご夫妻?あ!そうなんだ〜♪彼女が噂の奥様だったんだ(^o^) はじめて見ちゃった〜…え〜っとニコラス達はね〜次の撮影があるからそっちに行っちゃったよ〜。あとよろしくd(^-^)ネ!って言って行っちゃったよ〜」
「へ???…行っちゃった??よろしく??…\(◎o◎)/!うっそ〜!んっじゃ〜あたしはどうしたらいいの??」
「大丈夫だよ♪僕ね、今日は仕事がおしまいなんだ〜だからおうちまで送ってあげるよ♪…あ!大丈夫だよ!何にもしないから!!へ?心配??ほんとに僕何にもしないよ!!」
…−−;そんなこと分かってるわよ…あなたが何にもしないことなんて…そうじゃなくって...あたしが緊張しちゃうのよ〜〜〜〜!!
「だからね〜ご飯でも一緒に食べて帰ろうよ!!僕、すご〜くおなかが空いちゃってさ〜…ね・ね…ご飯食べて帰ろうよ♪…あ!!大丈夫だよ!本当に何もしないから!!」
…だから…わかってるって!!アーロンが何もしないことは分かってるって!!そうじゃなくって〜〜〜〜〜!!
…でも…待って…これって…きゃ〜〜〜〜〜〜〜!!2人でご飯??いや〜〜〜〜〜ん!!どうしましょ!!あたしってめちゃくちゃラッキー?? ヽ(´▽`)/へへっ
うれしくてまた気を失いそうだわ〜♪♪

「…ところで小姐…名前…聞いてもいい??」

====================================
一方…呉 奇隆ご夫妻といえば…
「ダーリン♪今日もとってもよかったわよ♪お疲れ様〜」
「うん(^_^) 紗和が見てるから頑張ったよ! あ!そうだ…小香…大丈夫かな??アーロンがちゃんと送り届けてくれてるかな??」
「そうだわ!小香…忘れてたわ(爆爆)('-')フフ大丈夫よ♪だって天下のアーロン様がご一緒なんですもの…それに、やっぱり今日は熱もあったし…ゆっくりしなさいってことなのよ(^o^)」
「そうだね…人探しは明日からでも、元気になってからまた頑張ればいいよ!紗和もしっかりお手伝いしてあげるんだよ。」
「うん(^_^)!もちろん!!頑張るわ♪…でも…小香…なんだか吃驚したように気を失ってなかった??控え室で…気のせいかな??」
「ん?気のせいだよ…あ!それかアーロンをはじめてみておどろいたとか(爆爆)」
「そうね〜ちょっと吃驚したのかな♪だって元気だもんねアーロン」
「それより…今日はなに食べて帰る??紗和の好きなもの選んでいいよ♪」
「('-')フフどうしよっかな〜ダーリンの好きなものでいいわよ〜」
「紗和がきめたら?」
「え〜ダーリンが…」
……相変わらず…ずっとこの調子であった…

====================================

私はアーロンと一緒に夕ご飯を食べにレストランに向かっていた。向かった先はなんといつものレストラン?!!だめだよそこは!!
「あ!アーロン!あ・あの!わ・わがまま言ってもいいかな??」
「ん?何??いいよ〜♪何か食べたい物が有る?どこ行きたい??」
「あのね!あたし香港で一番香港らしいレストランに行きたいんだけど」
「へ??香港らしいレストラン??ん〜難しいな〜」
…あたしは必死だった…どこでもいいからとりあえずこの近くを離れたかった。だってあのレストランに行けばお友達になったドアマンのおじさんがあたしのこと覚えてて学友のこと話したりしたら大変だもん!!
当分の間はあのレストランは我慢しなくっちゃ!
「…ね!ね!そうしようよ小香!!そこに行こうよ!」
「へ??あ!ご・ごめんなさい!!ぼけ〜としちゃって……で?どこ行くの?」
「あっれ〜?聞いてなかった??(^o^)だからね♪海の見える船にしよう!ものすごく香港らしいでしょ(^ー^)ノ」
…(゚O゚;)う・海??!!!!はあああああ…あなたって人は…
「へ??海の見える??ふ・船??」
「うん(^_^)そうだよ〜♪気持ちいいよ〜」
「…………」
あたしはまたまた言葉をなくした…予想もしないことが次々起こって私の頭は全然ついていけなかった…
でも…本当にこんなに幸せなことがあってもいいのだろうか…

しかし…私はこのあとのもっと恐ろしい事態になろうとは…浮かれた頭では全く思いもしなかった…。

第19話  意外な方向に…

…私は今まで生きてきた中でこんな贅沢な食事をしたことがあっただろうか…
香港百万ドルの夜景をバックにこんな豪華な客船に乗って…今まで観たことのないような美味しそうなお料理が並んでる…それに目の前には…目の前には大好きな人がいる…
きゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!本当に本当にこんな幸せがあっていいのかしら!!ヽ(´▽`)/へへっ
…が、しかし…
「ね・ね・小香!!食べないの??美味しいよ〜♪これなんて最高に美味しいんだ〜(^o^) 僕の大好物!え??要らない?そう?じゃ〜僕食べるね♪(^ー^)ん〜おいしい♪…ね・ね・・これは??これも美味しいよ〜 ほら〜食べないとなくなっちゃうよ〜……」
……色気もへったくれも有ったもんじゃない…−−;
機関銃のようにしゃべるばかりか、こんなのどうやって2人で食べきるのよ!!って言うくらいお皿が並んでる…でも彼はほとんど猛獣???の如く食べ尽くしていく…あたしはただ唖然と見てるだけでおなかが一杯だ(´ヘ`;)ハァ…
「あれ?小香?少食なんだね〜僕はちょっと落ち着いたよ(^o^)」
…ゲゲ(゚_゚;)こ・これでちょっとなの??…あらまあ〜
「ん〜後はデザートだね♪何食べたい??僕はね〜ん〜と…」
……何でも好きなもの選んで頂戴…(-_-;) あたしは何でもいいです…
あなたを見てるだけでもう、お腹は一杯よ…お腹の幸せも…私の心の幸せも…満腹満腹(^○^)…ふふ…やっぱり素敵よ♪アーロン♪

ひと通りお腹を満たした時アーロンはあたしのほうに目を向けて聞いてきた…
「ねえ…小香??聞いてもいい?」
「ん?なあに?」
「どうしてそんなに熱があったのにTV局なんかにいたの??…ニコラスのステージ見て興奮しちゃった?(^○^)」
「え?ま・まあそんなところかな…(^^ゞ」
「…嘘だ…ねえ小香…何か隠してるでしょ…ほらほらちゃんと教えてよ…♪」
え?え?…なんで??そう思うわけ?お願いだからそんな目で見ないで頂戴…本当の事を言っちゃいそうだから〜!!
「え〜…あ〜…ま〜…そうですね…えっと〜_(^^;)ゞイヤー」
……だから…だめだって!…そんなクルクルかわいい瞳で私を見ないで…そうやって何人の女の子がその瞳でぶっ倒れてきたと思うのよ…ああああああ!!だから!!…うが〜〜〜〜…だめだ(x_x)…負けたわ…
「ん〜なんと言いましょうか…え〜っと…」
「うん(^_^)!なになに??教えて!僕誰にも言わないからさ!ね!」
「え〜っと…実は…ある人を探してるの…それは誰かはいえないんだけど…だけどこの香港芸能界の中にいることは間違いないと思うの…だからちょっと呉 奇隆夫妻に協力してもらって…」
「え?そうなの??どうしてその人を探してるの?」
「うん…ちょっとね…私の大切な人を辛いめにあわせたの…だからどうしても私がこの手で探し出して…決着をつけたいの!」
「え?小香の大切な人が?…そうなんだ…うん(^_^)わかった!僕はこれでも結構友達も仲間も多いんだよ(^○^) だから小香!!僕、何か協力できるかも♪」
…ーー;は???何ですと??今…いまなんとおっしゃった???
「へ?協力?」
「うん(^_^)!そうだよ!僕、小香の犯人探しに力を貸すよ!」
はああああ???何いってんの!!あたしはあなたの…アーロンの脅迫犯人を探すために頑張ってるんじゃない!!そこにあなたが参加してどうするのよ!!ぎゃ〜〜〜!全然自分の立場がわかってないわ!アーロンてば!!
「いや〜そ・そ・そんな恐れ多いことはできないわ!アーロンあなたは本当に忙しいのよ…お仕事が…だからそんな私ごときの人探しにはお手伝いしてもらわなくても…」
「何言ってるの?小香…小香が困ってるのに僕がほったらかしにすると思う?それに香港芸能界のことなら僕のほうが断然よく知ってるよ♪ もちは餅屋って言うでしょ♪」
…そりゃ〜そうだけど…ほっとくとは思えないけど…だけど…餅屋って…あなたどこの人なのーー;?
「アーロン…あなたの気持ちは嬉しいけど…ヤッパリ私一人で…」
「え?だめだよ!あ!そっか僕が仕事場で動くと目立って仕方がないから?そうなんだね?」
「そ・そうなのよ〜あなたが動くと目立つから…」
そうなのよ!目立ちすぎるのよ!!本当に脅迫犯人に気付かれるとまずいのよ!何もかも…全部水の泡になっちゃうのよ!
「…ね!そうしたら大丈夫でしょ♪d(^-^)ネ!小香!」
「はい??何?」
「だから〜…目立たないように僕のうちにきて打合せをすれば良いんだよ!(^○^)」
………ええええええええ??アーロンの家?ぎゃ〜〜〜〜〜!!どうしよう!…行きたい(爆爆)あああ…学友と有有の約束を取るべきか…アーロンへの愛??(いや…これはどう考えてもあたしの不埒な気持ちだな…(^^ゞ)をとるべきか…うううう…難しい…が…

「そっか〜そうすれば良いんだね。アーロン♪(☆o☆)」
…私の顔が少女漫画のように瞳キラキラお星様が飛び交っていたことは言うまでもない(爆爆)

…学友…有有…こんな私をばかなやつだと思って頂戴…(~_~メ)
しかし2人にはなんと説明しようかな…ん〜〜〜〜困ったな…(-_-;)
またひとつ…違う意味での問題を増やしてしまった私…自業自得とはこのことか…
しかし心とは裏腹になぜか足取り軽やかな私であった…

第20話  LIVE ON STAGE

私はここ、香港に来て以来人生が…と言うのか私の取り巻く環境は一変した。そう…本当に一変したわ!!だってあの有名な学友さんとも呉 奇隆くん夫妻にまで逢うことが出来たし…本当に吃驚しちゃう!
そして何よりアーロンと知り合いになってしまった…そう…ある意味で知り合いになってしまったわーー; ん〜本当なら喜んでいいんだけど、、、デモね〜本当のことがいえないのは結構辛いこともあるんだもんね…
でもそんなこと関係なくアーロンが私のことを知ってくれただけでも本当に嬉しいわ♪感謝しなくっちゃね♪
そうそう…今香港ではアーロンが2年ぶりの演唱會を開催中で街にはアーロンを一目見ようと駆けつけた世界中の??(…大げさかしらーー;) ファンが詰め掛けて…それはもう活気溢れる香港をより一層引き立ててるわ♪折りしも今はクリスマス…街のイルミネーションもアーロン迷を歓迎しているようで…

「ねえ小香♪ 今度の土曜日ってあいてる??」
ちょうどアーロンのレストランのスタジオで、レッスンの合間をぬってお食事中だったアーロンとご一緒していた私…
「え?土曜日?ん〜今のところは何も…お友達とクリスマスパーティって言う計画もあるけど…でもまだ決定じゃないから…どうして??」
有有との約束はあるけど…まだ何も決めてなかった私は何気に返事してみたけれど…
この間のアーロンとの出会いから何度か彼と一緒にお食事する機会があったの…でもまだアーロンのおうちにお邪魔するような事はなかったわ…まだダメよ…そう、まだだめなのよ!!!心の準備が出来てないから!<(x_x) ☆\(^^;) ぽかっ!何考えてんのよ!!…失礼しましたm(._.)m ペコッ
「大丈夫なんだ?('-')フフそうなんだ〜じゃ〜これ…あげるよ♪」
「何??え??ええええええ???これって!!アーロンの演唱會チケット??うっそ!!だってこれ…皆手に入らないって大騒ぎしてるチケットでしょ??あたし全然取れなかったんだもん!!」
「そうなんだってね?いつも沢山の人が来てくれてるから…だから追加も沢山決まったし…本当は小香には最初の方で見せたかったんだけど僕もチケットが取れなかったんだ(^^ゞ…だから追加の分で先に小香の分は取って置いたんだよ♪…(^ー^)へへ…本当は小香の為に追加公演決めたようなもんなんだから♪」
「えええええ??うっそ!!!!!」
「はっは〜うっそ〜(爆爆)」
ーー; やっぱりね…でも。。でも!!!嘘でもそんなことを言ってくれる貴方が好き!!
「ああああああ!!有り難う!!嬉しいよ!!嬉しすぎるよアーロン!!あたし感激で涙か出ちゃうわ(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)」
「まだ泣かないで…演唱會をみればもっと泣かせてあげるよ」
…アーロンーー;くさいこと言いすぎだよ…でも…でも本当に泣いちゃいそうなくらい感激!!ああああああアーロン有り難う!!
あたしは感激のあまり食事もそこそこにスタジオにアーロンを残し、大切なチケットだけを握り締め有有のところに飛んでいった。
「ねえ!有有!!聞いて!!聞いて!!」
「あら?小香?どうしたの??私も話があったんだけど…」
「え?何?はなしって??」
「いえ。。いいのよ(^。^) 小香の方からどうぞ♪」
「そう??いや〜なんと言おうか…あの〜えっと〜…」
「どうしたの??…何か悪いこと??」
「違うの…よすぎて…なんとアーロンの演唱會のチケットが手に入ったの!!」
「えええええ!!うっそ!すごい!!どうして??誰に取ってもらったの??私も取れなかったのに!」
「そ・そ・それはいえないの…言わない約束だから(~_~メ)…」…本人から貰ったなんて言える訳ないわーー;
「そうなの?でもよかったね♪で?いつの分なの?」
「今度の土曜日なの♪」
「あら?その日は…クリスマスパーティが…('-')フフでもいいわ♪小香の楽しい姿をみれたほうがいいものね♪」
「うん(^_^)有り難う♪で?有有の話は?」
「('-')フフ私も土曜日…と言うかほとんど日曜日のことなんだけど…キット小香が演唱會から帰ってきてからでも間に合うからクリスマスパーティしましょうよ♪d(^-^)ネ!いいことがあるわよキット♪」
「うんうん(^-^)そうしよう♪うれしいな〜♪パーティーだ! ( ^^)/\(^^ )」
私は浮かれたまま週末を待つこととなった。

そして…LIVEの日はやってきた。街も天気も私の心を映してくれているようだわ...
12月クリスマス...否が応でもにぎやかに、そして12月というのにこの暖かさ…本当に私の気持ちははやるばかりだったわ。
「ここが噂の香港体育館…ホンハムなのね…本当に武道館と似てるわね〜おっきいな〜!ここで今夜やっとアーティストアーロンと出会えるんだわ…あああああ嬉しい!!」
会場の回りにはどこでも一緒ね♪演唱會グッズが沢山並んでるわ(^。^)
「きゃ〜!!あたしも買わなくっちゃ!!いや〜ん♪どれもかっこいい!!あ!これだ!今回皆の話題集中のフィギア!('-')フフこの吾朗ちゃん似のこれが人気なんだね(爆爆)あたしも買っちゃォ〜っと!」
「小姐!それかい??それは人気だよ〜!あと少ししか残ってないから早めにかっちゃいなよ・…あれ??」
「(・_・)......ン?あれ?おじさん…」
「あ!ああ!!小姐!なんだ!小姐も来てたのかい?そうかいそうかい…じゃ〜今回はナイショでこれもおまけにつけちゃうよ…こっそりもって帰んなさいよ(^ー^)ノ」
驚いたことに、なんと売り子のおじさんは学友といつも行くレストランのドアマンの叔父さんだったのだ…なんで??
「ね!おじさん!何でこんなところでアルバイトしてるの????吃驚しちゃうじゃない!でもあたしのこと覚えてくれてたのね♪嬉しいわ(^○^)」
「いや〜小姐!実は私はうちにこられるお客様がここで演唱會をするときはいつも頼まれてここでお手伝いをしてるんだよ。いろいろ悪いやつも居るんでね…治安維持の為にしてるんだよ(^。^)だから今回もアーロンのコンサート中はずっと居るんだよ」
「そうなの??よかったわ(^。^)知ってる人がいて♪それにおまけまで貰っていいの??ありがと〜」
「いや〜小姐!私もちゃんと学友さんの演唱會チケット最前列をペアで頂いたからそのお礼だよ(爆爆)」
あ!!そうだったわ…学友ったらちゃんと覚えておいてくれたのね…ありがと…あたしすっかり忘れてたわーー;

コンサート会場は思いのほかステージと客席が近く、日本で見る演唱會の雰囲気とはまた違った印象があった。でもステージ自体どうであってもここでアーロンが繰り広げるダンスや切なく…そして力強く歌ってくれる姿を目の当たりにできるだけで心が躍りだしていた。夜8時半…やっとその瞬間がやってきた!!
あああああ聞きなれたこの音楽…このリズム…そしてこの声!!私は叫ばずには居られなかったわ!!
「ああああああ!!アーーーーーーーーローーーーーーーーン!!!素敵よ!!!素敵過ぎるわ!!!!!!!ああああああああああああ!!!!!」
もう無我夢中で何を叫んでいたかも覚えていない…けど私の後ろには韓国から来ているファンの人が沢山居たけど彼女達もお国の言葉で最大限に叫んでる…負けてないわ!負けるものですか!あたしが一番アーロンを愛してるのよ!!…きっと皆同じことを思って叫んでるんだろうなーー;
韓国のアーロン迷は寸分狂わぬ呼吸の合ったダンス??でアーロンを応援している…でもそんな彼女達も今まで観たことのない変った日本人ファンを目の前にしてかなり驚いていたようだったわ……あたしってそんなに変??日本人てもっと大人しく応援するものなの??そりゃ〜あたしは気が付けば両手を振り上げて絶叫してましたよ…気が狂ったように声を張り上げてましたよ…握手タイムなんて無理だとわかっても立ち上がってしまいましたよ…でも…でも…抑えられないんだもん!!仕方ないじゃない!!(但し香港ではスタンディングは禁止なので皆様座ったままで電光棒を振りかざし応援するのが礼儀なのです…しって置くといいですよ♪)
いつも話題集中の衣装は…まあ〜ご愛嬌って言う感じのものも多かったけど、でもやっぱりこの日は最高の日だったわ…今までたった1回しかはかなかった大人気<短パン>で登場してくれたのだった…
「アーロンたら!もしや私がくるのをわかってて…今日は特別に短パンDAYにしてくれたのかしら(^○^) いや〜ん!!目の置き場に困っちゃう♪でも…嬉しいわ(爆爆)」
あとはバックダンサーのお姉さんたちの衣装がかなり強烈だったかも知れないわ…だって…なぜか…あの可愛い猫ダンス(国王的新歌のことですーー;)にヘルメットをかぶった怪しいいでだちで…裸にガムテープ巻いてるのかと思っちゃいましたわ(爆爆)…でもそれもなぜか許せてしまったから不思議だわ…
そうこうしている間にアーロンの可愛いトークが始まったの…今までのかっこいい姿とはまるっきり180度違った可愛いアーロンがそこにはいたの..
「うっわ〜沢山来てくれてるね♪皆元気??楽しんでる♪どう?いろんな国からも来てくれてるんだよね(^○^)うれしいな〜」
「アーロン♪あたしはここに居るのよ…気がつかないかな??」
そうね…気がつくはずがないわ…これだけの人がいるんだもんね…でも私の感動した気持ちがわかってくれるわね…キット…そう思っていたらなんとアーロンがこっちを向いて微笑んでいたの!!
え??どうして?あたしのことわかったのかしら??
「今回は僕から皆にプレゼントがあるんだよ♪デモ全員にはないんだ…('-')フフこの僕にそっくり???のお人形(^○^)巷では猪木人形と呼ばれてるかも知れないけど(爆爆)今日はクリスマスかだからサンタの格好をしたお人形なんだ♪…ね!皆このお人形欲しい?
え?要らない?('-')フフ欲しいかな…じゃ〜誰にあげようかな〜ん〜こっち??それともこっち??ん〜悩んじゃうな〜」
「ああああああ!!アーロン!!あたし欲しい!!あたし欲しいよ!!!!!いや〜〜〜!!どうしても欲しいわ!!!」
…気がつけば私は日本語で発狂してたわーー; 恥ずかしい…
「はっはっは〜わかったよ皆!!皆欲しがってくれてるんだよね♪ありがとね♪じゃ〜今日はとっても元気のいいこの可愛い小姐にプレゼントするよ!上手く受け取ってね!はい!小香!!」
ぎゃ〜〜〜〜〜〜!!あたしよ!あたし!!ああああああ!アーロンが!!アーロンがあたしにくれたんだわ!!!ああああああああ!!!……あたしはあまりの興奮に記憶がなくなるくらい叫んでしまっていた…さぞかし回りの人間には迷惑な話だったであろう…

演唱會も終盤を迎えたころあたしは会場の中に知った顔を見つけた。学友だ!!それに有有もいる!!へ??どうして??有有は演唱會にくるなんて一言も言ってなかったのに…あれれ??どうしたんだろう…有有もアーロンからチケットもらえたのかな??それとも学友が手配できたのかな??それとも…あ!もしや!!犯人の何か不審な動きがあったのか?私は一瞬本来の目的を思い出し、少し正気に戻ってしまった…
しかしアンコールが始まった瞬間…その思いはすっかりどこかに飛んで行ってしまった。(爆爆)
なんとアンコールでアーロンがスタンディングOKのサインを出したのだ!!
「え??立っていいの??本当に??踊っていいの??アーロンと一緒に!きゃ〜〜〜〜!!感激だわ!もう我慢の限界だったのよ!!本当に!!嬉しいわ!!嬉しすぎるよアーロン!!」
それまで我慢していた私の体はより一層気が狂ったように踊りだし、飛び跳ね、そして叫び倒した!
しかし…香港の人たちはコンサート会場では踊りなれないのか…あまり激しく踊る人は居ないようだわ…私、また浮いてる??(`ヘ´) フンダ!!!いいのよ!このアーロンの曲で踊らないなんて!そのほうがおかしいのよ!!・・・そう思っていると、私の激しさに圧倒されたのか、共感を覚えてくれたのか…一人の男性が一緒に激しく踊りだしてくれた♪
お兄さんありがとね♪そうしているうちに一人、また一人…増えていくのが嬉しくなってきた。
そして…そして私は感激の絶頂を迎えた!!そう!あの…あの名曲≪對イ尓愛不完≫をアーロンが歌ってくれたのだ!!それも!それもあの振りつきで!!
あああああああ!!アーロン!!私はもうこの場で命燃え尽きても悔いはないわ!この歌を…この歌を貴方と一緒に踊れるなんて!!!
私の声も体ももうこれ以上どうすることもできないくらい全ての力を使い果たし、そしてあらん限りの愛も情熱も全てアーロンに捧げ…生きて来た中で一番幸せで、そして一番活気に満ち溢れた瞬間をすごして感動の一夜を過ごせたのだった…

「ああああ…もうこの瞬間は2度とこないのね…」ホンハムの会場でたところで私は大きく溜息をつきながら独り言を言っていた…
「あら?小香??小香!!一緒に帰りましょう(^。^)」
私は一人セントラルやピークを望めるプロムナードに向かおうとしていたその時、後ろから呼び止める声がした。
「あ!有有…(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)(T-T)」
「ど!どうしたの??小香?どうしたの!」
あたしは有有の顔をみた瞬間、なぜか涙が止まらなくなってしまった
今まで嬉しさと感動で心が躍っていたのに…なのに、終わった瞬間にはもう淋しさだけが襲ってきた…ああこの感動はもう見れないんだ…2年間思いつづけた気持ちは、もう終わってしまったんだ…この瞬間に終わったんだ…そう思った瞬間に涙が溢れて止まらなかった。
有有はあたしの気持ちをわかってくれたのか、何も言わないで、ただただ私を抱きしめてくれた…どれくらい経っただろうか…気がつけば学友が車の中からこちらを見ていた。
「あ…学友が…」
「あら…本当…さあ〜小香…一緒に帰りましょう。今日はこれからクリスマスパーティよ♪しっかり楽しまなきゃd(^-^)ネ!」
「うん…でも有有…わがまま言ってもいい??」
「なあに?」
「あたしこのまま…プロムナードを歩いて帰りたいの…もう少しだけアーロンの演唱會の感動を味わっていたいの…いい??」
「うんうん(^-^)いいわ…じゃ〜あたしも一緒に歩くわ…d(^-^)ネ! じゃ〜学友には先に会場に行っててもらいましょう…」
そうして私はこの日を忘れないためにも、あと少し残ったこの日を満喫するためにほんのり海風を顔に感じながら有有と2人プロムナードを歩いて帰っていった。
そうしてこれほどアーロンが好きだったんだと改めて自分の気持ちも確かめることになった。

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