東京ドームに初めてXリーグを見に行きました。Xリーグは社会人のフットボールです。カードはオンワードvsレナウンの最終戦です。
ボクは東京ドームでフットボールを見るのが今回で4回目です。最初はピッツバーグvsサンディエゴ、2回目はカンサスシティーvsグリーンベイ、3回目はダラスvsアトランタです。これらは「アメリカン・ボウル」と呼ばれNFLのプレシーズンゲームの一試合です。アメリカン・ボールはNFLの日本進出の為のものですが、ホントならばNHLやNBAのようにレギュラーシーズンのゲームを見せてもらいたいのです。でもNFLはレギュラーシーズンのゲームが16試合しかないのでかなり厳しそうです。
そのアメリカンボウルにしても東京ドームは満席になりません。日本でNFLを商業ベースに乗せるのにはまだまだ努力が要りそうです。そんな事情を知っていたので、日本のフットボールの試合を東京ドームでやった場合にどのくらいの人が来るのか心配でした。19時のプレイボール開始前に東京ドームがある後楽園につくと「今日はこれから何かイベントがある」雰囲気が殆どありませんでした。ドームの中に入るともうすぐキックオフだというのにスタジアムは広々としていました。ホントは2階席から見たかったのですが2階席、3階席、外野、バックネット裏は最初から開放されていませんでした。当然でしょうね。それで50y地点(ど真ん中)の1階席の上のほうから見ることにしました。そんな絶好の場所でも前後左右10席分以上誰もいない感じです。応援団がいる右前の方に人が集まっている感じでした。多く見積もっても1,000人いたかどうかってところでしょうか?実業団のチームですから会社関係の方が多く応援に来ているようでした。
わざわざ東京ドームという大きな器(うつわ)を使うことは、採算面から言えば完全にアウトです。でもXリーグにとって挑戦と宣伝の意味があるんだと思います。そしてこれはXリーグだけではなく日本におけるアメリカン・フットボール成功の為の挑戦でもあります。
ただし、チョッと待って!なんです。
フットボールが好きで、フットボールの魅力を知っている人が見に来るのは良いんです。そしてフットボールやりたい選手が社会人の枠で頑張るのも良いんです。好きな人達が集まってフットボールの楽しさを共感することからその輪が大きくなって行けば素晴らしいです。それらはプロではないクラブや同好会の話ですから。
高校野球を楽しむ多くの人はプロ野球のレベルを知った上で楽しんでいる部分があるはずです。「超高校級」って言葉は高校生を馬鹿にしている言葉じゃないと思います。
しかしフットボールに初めて触れたのがXリーグだという人がいたらフットボールをどう思うだろうって試合を観ながら考えていました。試合は55対0。オフェンスも、ディフェンスも、スペシャルチームもレベルの差ははっきりしています。ゲームプランも一方的でやりたい放題です。そしてその差を生む原因がシステムの問題でなく個人的なアスレチックの差にあるように思えました。それは悲しい事です。
どうしてもNFLと比較してしまうのですが、NFLではアスレチックに優れた人間はいくらでもいます。ただしそれが絶対のアドバンテージにはならないのです。体が大きく強い選手がいればダブルチーム(二人がかり)でカバーしたり。足の速い選手がいればゾーン(場所)でカバーしたりします。それらの細かいバランスの積み重ねがチームバランスになるんです。
高い位置からフィールドを見ていると、肩の強さの問題でしょうか?パスのボールが水の中を飛んでるように見えました。選手のカバー能力の問題でしょうか?選手が一箇所に集まりすぎて何をやっているのか解りませんでした。つまり単純にエキサイトできる要素が少なかったのです。ただでさえフットボールはルールが難しいのにビジュアルが弱ければ人の興味は惹けません。初めてみたフットボールがこれだった人は「もうフットボールはいいや。」って思ってもしかたないです。悲しいけど。
けして悪口を言う訳じゃないけど「劇団四季」を見ただけで「ミュージカルはもういいや。」って思う人や「高木ブー」のウクレレを聞いただけで「ハワイアン音楽はもういいや。」って思う人や「サイゼリヤ」を食べただけで「イタリアンって飽きるよね。」って思うくらいにそれは危険なことなんです。学校の給食ってそういう意味でかなり危険なものなんです。給食は子供の好き嫌いを作っている原因になるのだから慎重に作って欲しいです。ボクは給食のおかげで長い間「春巻き」と「イカフライ」と「豚肉」と「とりのから揚げ」は苦手な次期がありました。
ただし本物を経験するにはお金もかかるし、努力も必要です。似た物が手軽に経験できるのであればそれらの「二次的なもの:裾野とは言い辛い」も必要かもしれない。また、それらのバックボーンがあるから本物が本物でいられるだけの力を保ちつづけられるのかもしれません。
ボクはNBAの凄さが良く解らなかったんです。ところがある日、TVで日本の女子社会人バスケを見たんです。シャンソン化粧品vs日本エナジーの大事な試合だったみたいです。暫く試合を見てみるとボールの動きが見えるんです。つまりなにがやりたいか、なにが凄いプレーなのか解って来たんです。つまりみんなゆっくり動いてくれるからなんですね。その感覚が普通であれば確かにNBAは神の集まりに見えるかもしれません。
ボクはNFLが大好きです。どんな逆境に立たされてもどんな体制からでも1stダウンを狙い続ける弾丸のようなブレット・ファーブの強肩。サイドラインギリギリでも指先だけでもボールに届けばパスをコンプリートさせるクリス・カーターのゴッドハンド。守備を超えた攻撃性でオフェンスラインをなぎ倒し俊敏な巨体で相手QBに突進するウォーレン・サップの闘争心。小さな体でも必ずボールに絡むカバーリングの広さを見せるザック・トーマスのスタビリティー。広いダウンフィールドをそこにいるだけで狭くさせるチャールズ・ウッドソンの存在感。一人や二人のタックルを引きずりながらでも前進しつづけるリッキー・ウィリアムスの強靭な足腰。それらは確かに世界最高のプレーなんです。
結局何が言いたいかというとボクは好きなフットボールが身近にあればいいんです。なんにしても、同じモノが好きな人が増える事は楽しいいことですからね。