No.17

 ふと気づくと、頭から足の先までユニクロになっちゃてる人はいませんか?コワイですね(笑)。でもボクは、それって悪くない事だと思うんです。

 ボクはユニクロの功績はアパレル業界をフォーマットした事だと思ってるんです。「この値段で買えるなら、これで充分だ。」ってボクも思ったし、まだユニクロがメジャーでなかった頃は「これいくらだと思う?」って人を驚かして喜んでました。(ボクは結構ユニクロ歴長いんです。)でもこれだけ社会に浸透すると後者の楽しみはなくなりましたね。逆にユニクロを着てることを見抜かれると手を抜いたのがバレたようで少し恥ずかしく思うこともあります。実はそれが問題なんです。

 最初ボクにとってユニクロの魅力は「値段」と「シンプル」さでした。シンプルな服は好きだし、「無地」の良さも好きなんです。それにユニクロのラインは今っぽいスタイルだと思うんです。だって多くのパターン(型紙)が流行ブランドのコピーっぽくないですか(?)。そうだとしたらラインが今っぽいのは当たり前ですね。(プラダやリーバイスから訴えられないのが不思議なくらいです。)そんなスタイリッシュさがヨーカドーと違うところかもしれません。ファッションに無関心な人や年配の方々が初めてユニクロに袖を通した時に「今っぽさ」を感じたんじゃないでしょうか。ユニクロに行けばそんな「今っぽさ」が気軽に手に入ると思ったんじゃないでしょうか。

 それにユニクロの店舗は誰でも気軽に入れるお店で、大衆を拒まなかったというのも成功の大きな理由です。「ここは自分が入るべき店じゃない」と思えるような店舗造りでは敷居が高くなってしまいます。また広告よりもマスコミや口コミが先行したことや、安いものを手に入れることが賢いとされる時代がフィットしたんだと思います。今まで洋服を自分で選ばなかった人や、なんのこだわりもなかった人達にとってのユニクロは「ブティック」になったんじゃないかと思うのです。

 自分のブティックの品揃えを手に取ったり、実際に買って着てみる内にモノを見る目が養われます。モノの良し悪しが解るようになれば、店内の品物の比較から他店の品物への比較に広がっていきます。これって凄い事だと思うんです。今までシャツは9,800円位はするものだと思っていた人なら、そのシャツが9,800円したことの意味を考えるようになると思うんです。ユニクロで買える1,900円のシャツとの差は8,000円あります。安物を着てるとみっともないと思って知りもしないブランドに8,000円多く払う事で安心するのと、自分で価値判断して8,000円多く払う事は意味が全然違うんです。

 20,000円するシャツはそれだけでなんだか凄い気がします。それは当然凄いメーカーがしっかり作ったモノでしょうが、1,900円のシャツと比較して初めて生地や縫製の良さに気付いた人がいるかも知れません。もしくは高額な製品が良く出来た1,900円の製品と大して変わらない事に気付いた人もいるかも知れません。シャツ一枚がおおよそ20,000円くらいするメーカーの製品を着ていれば自分が高級になった気がします。理由も認識も無くそんな高級イメージだけでそのメーカーに憧れることは、その値段に憧れてる事と変わらないような気がします。そんな基準で服を選ぶ事はお洒落とは違いますね。

 高級な話は置いといて、ユニクロの1,900円のシャツと他のメーカーの2,900円のシャツを比較して考慮の結果2,900円のシャツの購入を決めた人には、1,000円の差とはいえ50%以上の支払いをしても譲れない意味があったはずです。ボクはその考慮の中にお洒落の根底が潜んでいるような気がするんです。

 それに気が付くためには一度全身ユニクロになって、自分のファッションをフォーマットする事は有効な手段かも知れません。そしてそのフォーマットは個人はおろか、モノをちゃんと見るようになった消費者に対応しなければならないアパレル業界全体に及んでいる気がします。いままで上手に解らない人を騙して儲けていたアパレル業界はタネあかしされちゃって慌ててるかも知れません。でも大丈夫。ユニクロにフォーマットされた多くの人たちは今後自分で考えてユニクロ価格+αを支払ってくれるはずです。その+αを出させる謎を解いたブティックが次の勝者になると思います。

 服装には実用性の他に絶対に切り離せないファッション性があります。そのファッション性を上手に演出出来る人がお洒落な人になれます。お洒落な人への道は多くの失敗と経験を繰り返した認識の上に築かれるんだと思います。それが、高級志向だろうと、安物志向だろうと、自作思考だろうと同じ事です。ただ高級志向には金がかかるので誰もが出来るわけではありません。高級志向に少ない予算でチャレンジすると所有している一番高いモノだけを身に付ける事になって「成金」と呼ばれるのがオチです。少ない選択肢や経験からではそれなりの事しか出来ないのです。

 お酒が好きな人ならば自然に今夜の肴に一番粋なお酒をチョイスすることが出来るでしょう。刺身にワインなんていうミスマッチも演出できるかもしれません。音楽が好きな人ならばシチュエーションに合わせて最高の音楽をミキシングするでしょう。海岸で寝っころがるのにクラシックやジャズやヨーデルだって粋な演出で使いこなすかも知れません。結局、肌に馴染んでいないモノを知ったかぶるのはミットモナイだけなんですね。

 洋服には頭の先から足の先までのバランスが大切です。それを簡単にこなす方法もあります。一つのブランドのそのシーズンの製品で身を固めればいいのです。きっと隙の無いスタイルになるはずです。ただし弱点もあります。そこにあるのはデザイナーの意思であって、着てる本人の主張はデザイナーに対する賛同の意思以外無くなります。ブティックのマネキンになりたいのならば、それも良いかもしれませんが。(ちょっとイジワル過ぎるかな)

 安くって着易い服でお洒落をすることならば多くの人が挑戦できます。ボクも例にもれずユニクロの愛用者です。Tシャツと靴下を便利に利用してます。今年はハイネックのシャツにお世話になってます。ボクの少ないワードローブのユニクロ率を計算しようと思ったけど怖いからやめました(笑)ユニクロさんとは今後も長い付き合いになりそうです。ユニクロバンザイ。

 

01/11/19

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