No.41

ボクは石コロ。

ボクに意味があるとしたら、それは存在している事実だけです。ボクには大きさ、重さ、形、模様なんかがあります。だからといってボクは特別大きくもなければ、凄い形もしてないし、模様だってあるんだかないんだか解らないくらいです。

ボクの周りにはボクと同じような石コロがたくさん落ちています。つまりボクは特別じゃないんです。

でもボクは存在しています。だから誰かがボクにつまづくかもしれません。でも怒らないで下さい。つまづいたのはボクだけの責任じゃありませんから。

誰かがボクにつまづいて何か教訓を得るかもしれません。誰かがボクを何かの重石に使うかもしれません。誰かがボクの形を利用して何かの道具にするかもしれません。誰かがボクの模様を見て何かを悟るかもしれません。誰かがボクの存在をチャーミングだと思って飾り物にするかもしれません。でもそれはボクの意志とは関係なくボクを見た人の解釈にすぎません。

ボクは、ボク自身の意志とは別にボクを見る人の数だけ存在するんです。

ボクが誰かに影響を与えることはありません。ボクとかかわったことで何か変化が起きるとしたら、それはボクにかかわった誰かが最初から持っていた要素で、ボクは誰かがそれに気が付くきっかけを提供したにすぎません。

そんなことは解っています。

ボクは石コロ。誰かを救えるなんてこれっぽっちも思っていなかったはずなのに、ボクは誰かの足元に近寄らずにはいられませんでした。その結果ボクが与えた影響は、誰かを転ばせて誰かの傷を増やしてしまうことだけでした。

そんな事ならば、完全に無力な方がどれだけ救いがあるだろう。ボクはただの無力な石コロとして、道の端っこに戻ります。ボクはそこから転んでしまった人が自分の力で立ち上がってくれるのを見届ける事にします。

「大切ナノハ君ナンダカラネ。」

だから、もう誰もボクを見つけないで下さい。

 

02/11/11

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kuntan's note